表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
141/183

139、魔力制御。違う物らしいですよ?

今週は遅刻が多いです、すいません。

崩れ落ちている花音を見ながらハルサメは自分の想像の斜め上になってることで少し悩んでいた。


「どうしたニャ?ハルちゃん。」


「シナちゃん…わてが思ってたのと方向が違うんナ。」


「それは…カノちゃんだからニャ。」


「それで納得できるのかナ⁉」


「他のにも聞いてみたらいいニャ、おそらく同じ答えが返って来るニャよ?」


「そ、そうなのかナ…。」


ハルサメはシナ婆さんのことは信用しているが、一応弟子のシグレと孫弟子のスダレに確認してみる。



「そらシナ婆はんの言う通りやよ、カノンのお嬢ちゃんやからね。」


「カノンだから仕方ないのじゃ。」


「……。」



「お師さんですから当然です♪」


「カノンちゃんっすからね、自分たちの常識が当て嵌まらないっすよ。」


「…ってキンかナ、それと…ヨギリだったかナ?」


「はい、元村長直属のヨギリと申します。」


「元直属かナ?」


「まあ…ヨギリには色々あったニャよ、今はカノちゃんの弟子ニャ。」


「カノちゃんの…ということは…この娘もナ?」


「え?某も?…いえ!某は至って普通の猿人です。お師さんみたいな規格外じゃありませんからご安心を。」


「それ酷いです!」


「あっ、すいません。もう復活されたんですね。」


「復活も何も…くっ……折角造りましたから、しばらくはこのままにしておきます。

それでハルサメさんの考えではどうなる予定だったんですか?」


「わての予想というかナ、魔力というのは自分の魔力が100としたらナ、その内使えるのが70~80ぐらいナよ、

普通は70~80の魔力を使ったことで意識を失う者や怠さなどのそういったものが怖くて魔術を使わずに魔力操作が苦手な者がいるナ、だからカノちゃんもそういった類だとわては思ってたんだかナ…。」


「それは違うとちゃんと伝えたはずニャよ。」


「シナちゃんの言葉を疑った訳じゃないナよ?でも、わてにはそれ以外が思い付かなかったのも事実ナ…。」


「普通は師匠の考えが当たり前なんどすけどなぁ…。」


「小さい頃から自分の魔力を少しずつ底上げしていくのが普通ナよ、シグレもスダレもそれ以外の狐人族もそうやって限界を知って、魔力を底上げする中でどうやって効率よく魔力を使うか試行錯誤しながら魔力操作を覚えて来たナ。

だからカノちゃんも一回魔力を使い果して自分の限界を実感してもらって、そこから魔力操作を…と考えてたんだがナ…わての予想と全然違って、わて困ってるナ。」


「ハルちゃんでも無理かニャ?」


「無理とは言わないナ…方向性を変えれば良いだけナよ。でもさっきもシナちゃんに言ったがナ、全力で魔術を…全力かどうかも分からないがナ、あれだけの魔力を使ってもピンピンしてるナ、予想外過ぎるナよ。」


「確かにニャ、違う方向に魔法が使えるようにニャったみたいだしニャ…。」


シナ婆さんは花音が造り出した分体を眺める。



「うちかてカノンのお嬢ちゃんには教えることできへんもんなぁ、どない教えればええかいっこも分からへん。」


「私が最初に教えて欲しいとお願いされたのじゃが…。」


「スダレでは無理ナ。」「スダレじゃ無理どすなぁ。」


「そう言われると傷つくのじゃが…その通りなのじゃ。」


「それで話を戻してナ、魔力操作は出来そうかナ?」


「どうですかね?魔術についてはなんとなく分かった気がしますけど、魔力操作となると…。」


「そうかナ…カノちゃんの魔力量がとんでもないことはさっきので嫌という程理解したナ、それなら方法を変えるだけナよ。」


「方法を変えるんですか?」


「そうナよ、魔力操作というのはナ、さっきも話したように100の魔力の内70~80の魔力を自分なりに効率よく使っていく方法ナ、でもカノちゃんの場合はその心配がなさそうなんでナ、方法を変えて…

ちょうど川が近いからナ、川に水術を使って威力を調整しながら魔力量の調整をしていくナ。」


「魔力量の調整ですか?」


「そっちの方が良いかもニャ。」


「カノちゃんは魔法を使ったのが最近と言ってたナ、それなら自分の力がどの程度でどれぐらいの威力があるのかが理解出来てないだけナ、元々それだけの魔力があるのに魔力操作を覚える意味がないナよ。」


「威力をですか…。」


「そうナ、そっちの方が楽ナよ?もう一度だけ言っておくナ、魔力操作というのは100ある魔力で30必要な魔術を20や10で同じ威力の魔術を使う方法ナよ、カノちゃんほどの魔力があるなら、魔力操作なんて覚える必要はないナ。」


「そう…なんですか?」


「何か問題があるのかナ?」


「私が魔力操作を覚えたい理由の1つはシャワーが使えないかもしれないからで…。」


「しゃわーとは何ナ?」


「魔道具どす、うちが花音のお嬢ちゃんに教えてもらって開発中の魔道具どす。」


「それはどんなやつなのかナ?」


「水やお湯を雨のように放出しはる魔道具なんどす、それを使うんに魔力を流すんどす。」


「あぁ…それで魔力操作を覚え…ってそれなら覚えるのは魔力操作じゃなくて魔力制御の方ナ!」


「制御とはなんニャ?」


「シナちゃんは猫人だから知らなくても仕方ないナ。シグレ!スダレ!」


「す、すいません!」「すんまへん。」


「でも言い訳になるのじゃが…。」


「いや、言い訳は必要ないナ。」


「…。」


「わてがスダレの立場でも魔力制御の方だとは思い付かないナ、実際にさっきまで思いもしなかったナ。」


「それで制御とはなんニャ?」


「操作はさっき説明したように、自分に合った方法で魔力消費を抑える方法ナ、

それに対して制御は魔力を押さえつけて自分の思った通りにする方法ナ、同じおさえるなんだがナ、意味が全然違うナ。

でもこれは普通はありえないナ、魔力を押さえつけないといけない者なんて普通は居ないからナ。」


「ここに居るっすよ?」

「ですよ…ね?」


「だから普通はって言ったナ!でもそれが分かれば後は簡単ナ。」


「さすがハル婆さんっす。」


「キンは相変わらず調子がいいナ…とは言ってもその方法はわてがもう言ったからナ。」


「ハルサメさんが言った?……あぁ、調整ってやつですね。」


「そうナ、早速やってみるナ、川の真ん中に移動して下流に向かって水術を使うナ!」


「分かりました。」




花音は川の真ん中に移動し魔法を使おうとする。


「あ、カノちゃん!」


「何ですか?!」


「カノちゃんの出来る範囲で良いからナ!威力を抑えるナ!」


「は~い!」


花音はお風呂に水を張ったときのように魔力を抑えて水魔法を放つ。





「はぁ~良かったナ…。」

花音から放たれた水流は普通では考えられない量の水だったが、それを確認したハルサメは安堵する。


「どうかしたのかニャ?」


「カノちゃんには言わなかったがナ、カノちゃんが威力を抑えても最初の渦ほどは無いにしてもあれに近かい威力だったらどうしようかと思ったナ。」


「そこはちゃんと言わニャいとダメなところニャよ⁉」


「そう…なんだがナ、注意して却って悪い方向に行くのも怖かったからナ…。」


「それでもちゃんと注意しておかニャいとダメニャよ!」




「これで抑えてるんっすか?」


「そうなのじゃ、お風呂に水を溜めたときも魔力を殆ど使ってないと言ってたのじゃ。」


「それは凄いっすね…。」


「でも…あれ、村では使えないですね。」


「そうじゃな…水浸しになるじゃろうからな。」




「出来たで…しゅ…。」


トウガの言葉が聴こえ全員がそちらに視線を向ければ、魔力切れで気を失う寸前のトウガと親指程度の大きさのシグレが居り、その小さなシグレもトウガが完全に意識を失ったことにより消えてしまう。


「こらまた…。」


「わてらのような頭の固い大人よりもトウガのような子供の方がカノちゃんに教えてもらった方が良さそうな気がするナ。」


「でもカノンの分体は魔力で造っておると言っておったのじゃから、存在する間常に魔力を消費し続けることになると…思うのじゃが?」


「当然ナ、あれはカノちゃんしか維持出来ないと思うナよ?」


「そう考えるととんでもないのじゃ…。」


「そやね…。」





ん~やっぱり難しいね。


(慣れですよ。)


慣れか~、ナビちゃんはお風呂の時に川で説明してくれたけど、上手く出来ないのは私のイメージが悪いのかな?


(さすがにそこまでは分かりませんが、色々と試されたら良いと思いますよ?)


そうかな?


(ハルサメ様の言ってた通り、花音様は創造錬金以外の魔法を殆ど使ってません、創造錬金は驚くほど上手く出来てるんですから、コツを掴めばすぐですよ。)


そうだね♪


(はい、花音様の創造錬金は異常ですから。)


異常じゃないもん!


そうツッコんだ瞬間、水量が大幅に増える。


(花音様、集中してください。)


もぉ~ナビちゃんが変なこと言うからだよ。


(早く魔力制御に慣れてもらうためです。)


本当かな~?


(本当です。)


まあいいや…でもこのまま続けても変わりそうにないから、イメージを考え直さないとだね…。


(そうですね。)


お風呂の時は蛇口であれだったから…

あれ?この水は私の魔力で作りだしてるとして…この場合、私が水、水源ってことになるから…イメージはダム?いや…蛇口でも問題ないのか、ただあの時は魔力が水だってことを知らなかっただけだ…。

間違った知識でイメージしたから、あの時はあんなになったと…。


(どういうころですか?)


え?だってイメージに問題なくても、イメージした場所がズレてたからお風呂の時は上手く出来なかったんだよ。


(イメージが問題なくて、場所がズレてた…ですか。)


そうだよ、渦の時に大気の水分を集めるって言ったじゃない?


(はい。)


お風呂の時はそれだったんだよ。


(はぃ?)


私が水源なのに、私じゃない全然別の場所に蓋をしたって感じかな?


(ああ…そういうことですか、だから微妙におかしくなったんですね。)


たぶんね…あれ?それなら…。


(花音様、取り敢えず、今は魔力制御の方に集中されてはどうですか?)


そっだね、私の考えが正しいかどうか…っと!


花音は自分を水源、水を放出している手を水栓に見立てて口を絞り魔力の放出量を調節していく。




137話で魔力操作を魔力制御と誤って書いてネタバレしてますが、

137話の魔力制御を魔力操作に修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ