136、スライムプレイ。違います!
すいません、遅刻しましたm(__)m
3人が朝食をしている間に花音はお風呂場へ行きお風呂の水を収納する。
そして朝食を済ませたシナ婆さんとキン、ヨギリとスライミーの分体1体と共にタマの家へと向かう。
タマの家の入口の前で声をかけると、中からカルトの返事とタマの叫び声?が返って来る。
返事を受け、花音が中に入ると異臭が鼻を突く。
タマは両手両足を拘束され、奇声の為か猿轡までされ転がされている。
タマを見れば所々切り傷が付いてることが分かる、特に腕と太腿辺りの血が酷い。
「うっ…これって…。」
「あ♪花音様♡」
「んー!んー!」
「様は止めて欲しいんですけど…ここ臭いが酷いですね。」
花音はタマを敢えて無視してカルトに話しかける。
「すいません…タマの拘束を解くと危険なので、そのまま放置してますわ。」
「それでこの臭いですか…。」
「安心してください♪まだお漏ら…。」
「そこは安心ってことにはなりませんからね⁉」
「そうですか?これでもまだマシな方ですわよ?便…。」
「それ以上は言わなくて良いです。スリーピーさんお願いします。」
と花音がスリーピーに頼むと付いて来ていた分体がタマを包み込む。
「んぐ⁉」
タマはその一言を最後に分体に包み込まれる。
「⁉スライムの食料にする気ですか⁉いくらカノンさんでもさすがにそれは……。」
「?何を言ってるんですか?」
しばらくするとタマは眠ったように規則正しい呼吸を繰り返す。
「あ、あれ?何も起こらない?あ~…服だけを溶かすスライム…って訳でもなさそうですね…あっ!スライム遊戯ですね♪花音様にそんな趣向があるなら私に仰ってくれればいくらでもお相手しますのに…。」
「カルトさんは何でモジモジしてるんですか?」
「スライム遊戯は特殊な性癖をもった人の…何だったかニャ?ぷ、ぷ…プライ?だったかニャ?」
「プライ?」
「遊戯のことを人族はプライと言ってたニャよ?」
「遊戯は遊びで…あ、プレイのことですかね?…プレイ?スライムプレイ?……違いますよ!!」
「違うんですか?残念ですわ。」
「これはタマにゃんの為の応急処置です、スライムに取り込まれてる間は涎だろうと漏らそうとスライムが浄化してくれますからね、それと精神安定も可能…なはずです。ただ…一時的な処置なので、これで落ち着いてくれるかまでは分かりませんけど…。」
「そんなことが出来るんですかそのスライムは…さすが花音様です♡そんなスライムも従魔にしてるなんて♪」
「カルトさんは私の従魔のこと知ってるんですか?」
「昨日、村長とシナロナ様から一応伺ってますわ。」
「昨日、カノちゃんが従魔にした魔物の姿は伝えてるニャよ、姿だけで能力まではわーも知らニャいから伝えようがニャいニャ。」
「まあそうですよね、私も知りませんから。」
「…カノちゃんも知らニャいのかニャ。」
「さて…これでタマにゃんが回復してくれれば良いんですけど…タマにゃんを武道場に運ぶとしましょうか。」
「マスター…運ばなくても、このまま、行ける。」
「いやいやいや、このままの状態で移動したら見た人がビックリするよ。」
「…そっ。」
「うん、いや、スリーピーさんの申し出は嬉しいんだけどね…まだみんなその手の耐性が無いと思うんだよ…ね?」
「分かった。」
「それじゃあ行きましょうか。」
「お師さんまで行く必要はないと思うのですが…。」
「そうなんですけどね、この状況のタマにゃんが運ばれてる姿を傍から見て、私とシナ婆さんが居るのと居ないのとで村の人の心情って変わりませんか?」
「そうっすね、カノンちゃんは模擬戦でその強さが認知されたっす、それにシナ婆さんが一緒に居れば、不思議に思ってもそこまで変には思わないかもしれないっすね。」
「だ、そうですよ?ヨギリん。」
「そうですね、周囲の気持ちまでは考えていませんでした、某はお師さんの奇行に慣れ過ぎたのかもしれません。」
「奇行じゃないです!」
「あ、すいません。」
「それでは行きましょうか。」
「はい♡」「はい。」
「…あれ?何でカルトさんが返事するんですか?」
「私の今日の任務はタマの監視という名の付き添いですから、当然付いて行きますわ♪それにカノンさん主催のお話会には私も呼ばれてますから、今から行くか後から行くかの違いだけですわ。」
「お話会って…。」
「カノちゃんもカルトの気持ちを考えてやるニャよ、生死不明で死んだものと思ってた師匠の話ニャ、キルトニャら真面目に受け入れて茶化さニャいと思うがニャ、クルトとカルトは態と茶化すことで心の平静を保とうとしてるだけニャよ。」
「そっ…か、そうですね。それでは行きましょうか。」
花音がタマを担ごうとすればヨギリとカルトから待ったがかかり、ヨギリとカルトで運ぶことになった。
キンの言った通りにすれ違う者はタマの状況を見て驚くが、シナ婆さんの姿を見て驚くだけに留まる。
花音の存在が村人の心の安寧に一役買っているかは不明である。
「タマはあれで元に戻るのかニャ?」
「正直分りません…精神面なんて私にはサッパリですよ、スリーピーさんのお蔭で一時的には落ち着くかもしれませんけど…。」
「…そうかニャ。」
「お話会で皆さんがどうのような回答を出すのか、それによってタマにゃんがどちらに傾くかですね。」
「それはどういう意味かニャ?」
「それを先にシナ婆さんだけに教える訳にはいきません。」
「そうかニャ、カノちゃんにはニャにか考えがあるのかニャ?」
「ん~…それも話し合いの時ですね。」
「あ、そう言えば…カルトさん、タマにゃんに渡した蒲公英はどうしたんですか?」
「あの武器は今キルトが預かってます、さすがにあれで自傷行為をされるとタマも私達も危険ですから…。」
「それもそうですね。」
「正直、預かったというよりもギリギリのところでキルトがタマから奪った形ですね。」
「そうなんですか⁉」
「はい、私の功績ですわ♪」
「そうなんですね、ありがとうございます、カルトさん。」
「はひ♡」
少し表情がだらしなくなったカルトを見ながらキンは思い出した。
あ~カルトがあの時悶えていた位置はタマの家の近くだったっすね…。
カルトを回収しに来たキルがタマにゃんを寸前でって感じっすか?
それならカルトの功績って言うのも…間違いじゃないっすね、それに変に水を差すのも…拗れそうっすね、黙っとくっす。
「ここが武道場です。」
花音は扉を開けてただ広いだけで、まだ何もない武道場に全員を招き入れる。
「ここの中に入るのは初めてですね。」
「まだ何も準備してませんけどね。」
「ここで訓練するんっすか?」
「そうですよ、ここのこれを動かすと…。」
花音が壁の一部の出っ張りを可動レール式防火扉のように動かすと広かった道場の一部が塞がれて狭い通路のようになる。
「凄いですね…。」
「そうっすね、この狭さで戦闘するのは自分の武器じゃ、ちょっと長すぎて無理っすね。」
「と、このような状況を作り出して、戦闘訓練をしてもらおうかな?と思ってます。」
「さすがは花音様♪」
「はぁ~…特に危険な仕掛けはまだないですから、大丈夫だと思いますけど…カルトさんもここに居るんですか?」
「そうですわね、タマがここに居る以上、私もここに居ることになりますわ。」
「そうですか…スリーピーさん。」
「分かった。」
「まだ何も言ってませんよ?」
「分体、呼ぶ…違った?」
「違ってませんけど…念の為3体お願いします。」
「分かった。」
スリーピーが了承してしばらくして、分体が3体武道場にやって来る。
「思ってたよりも早かったですね。」
「順番、決めてた。」
「そ、そうなんですか…大丈夫だとは思うけど何かあったら連絡お願いね。」
分体3体はプルプルと体を揺らして了承する。
「それじゃあ、私達はハルサメさんと約束がありますから行きます、タマにゃんのことお願いします。」
「お任せください♪この命に代えてもカノン様のお願いは果たして見せますわ♪」
「いや、命は大事にしてください。それと…様言うな!」
「あひ♡分かりましたわ。」
「カルト!」
「はい!分かっておりますシナロナ様。」
「それニャらいいニャ。」
「と、当然です。」
花音たちはカルトとタマを武道場に残して、シナ婆さんの案内でハルサメと落ち合う場所へと向かう。
「さっきのは何ですか?」
「猫人族にはカノちゃんに迷惑かけニャいように伝達してるニャ。」
「え?私は別に迷惑なんって…。」
「そこはカノちゃんがそう思ってニャくても、一応伝達はしておくものニャよ。カルト以外は大丈夫だと思うんだがニャ…。」
「あ~。」
「そういうことニャ♪」
「ありがとうございます。」
「別に礼は必要ニャいニャよ、っとここがハルサメの指定した場所ニャ。」
「ここって…昨日も来ましたね。」
「そうっすね、村から適度に離れた場所っすから、被害が出そうなことをする場合はこの辺りを使うことが多いっすね。」
「それって、村に被害が出ることをするって言ってるようなもんじゃないですか?」
「そうっすね♪」「そうニャね。」
花音たちの到着の後直ぐにシグレとトウガ、スダレにスダレに肩車されている狐人の幼女の姿が見えて来る。
集中できなかった(´・ω・`)
明日はいつもの時間までに書き上げたいです。




