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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
133/183

131、11階層。熱!

「食事っすね♪」「食事だね♪」


「2人とも嬉しそうですね。」


花音は収納から昨日の宴で確保していた食べ物を出していく。


「今回はカノンちゃんとヨギリんのお蔭で楽だったっすけど、普段はへとへとっすからね。」


「だよね…8階層でスダレの魔力が心許なくなるからね、魔物が復活する前に戻るんだよ。」


「その前に食事を軽くするっす、それぐらいしか楽しみがないっすからね。」


「そうなんですか?それなら何でダンジョンに潜るんですか?」


「ん~宝箱の中身はショボいし、鉱石も8階層まではそんなに良いのはないしね。」


「そうっすね、それでもダンジョンに潜るのは強さを確認する為っすよ。」


「強さの確認…ですか?」

「キンたちはそんな理由だったんですか?」


「ヨギリんはそんなって言うっすけど、師匠との実力差を贔屓なしに感じられるのがダンジョンっすから、自分は潜るんっすよ。」


「スダレはそれに付き合ってくれてるだけだけどね、私はキンと同じでギルルドさんを目標にしてるからキンに付き合ってダンジョンに潜ってるんだよ。」


「ナンのんの目標はギランさんじゃないんですか?」


「そりゃあ…ね、師匠が目標なんだけど、師匠って明確な強さが分かり難いから…分かり易いギルルドさんが最初の目標なんだよ。」


「成程…あ、ご飯食べましょうよ。」


「そうっすね、ヨギリんは沢山食べたらダメっすよ。」


「何でですか⁉嫌がらせ⁉」


「そうじゃないっすよ、食べ過ぎると、この後の動きが鈍るっすからね。」


「そうだよ、最初の頃は私達もそれで失敗してたからね、少し物足りないぐらいが私は丁度良いかな?」


「自分もナンと同じぐらいっすけど、これは種族的なものもあるっすから、注意だけっす。」


「分かりました。」


「私には言ってくれないんですか?」


「カノンちゃんはね…。」


「そうっすね…。」


「何なんですか?」


「私達と強さが違い過ぎるから、この辺りなら多少動きが鈍ったところで問題ないと思うんだよね…。」


「異議なしっす。」


「酷いですね…まあ、私も同じぐらいにして帰ってから食…遅い時間に食べたら太るかな?」


「あははは♪太らないよ、その分動くからね。」


「ナンのんはそうでしょうけど、私は後ろを付いて来てるだけですからね。」


「それでも結構な距離を歩いてるんっすから気にする程のことも無いと思うっすけどね?」


「そうですかね…そういえば、7階層辺りから他の人が居なくなったんですけど…これって何かあるんですか?」


「7階層から?6階層からじゃなくて?」


「そうですね、6階層の入り口近くに居たみたいですけど。」


「それなら腕試しじゃないかな?」


「腕試しですか?」


「うん、ファイアフライがね…普通の武器だとなかなか倒せないんだよ。」


「某の武器では傷も付かなかったですから。」


「ああ…他の人達の武器はヨギリんの武器と同じぐらいだということですか…。」


「そうっすね、宝箱に入ってるぐらいの武器しか持ってないっすね。」


「ニグルさんの腕が良いからね、その辺の武器よりは良い武器なんだけどね、それでもファイアフライには傷が付けられないから…。」


「あとはあれっす、種族ごとに組んでるっすから、自分たちみたいにスダレ、狐人が居ないっすから使える魔術にも限界があるっすからね、逆に狐人は自分やナンみたいな先頭で戦う人が少ないっす。」


「ああ…成…程………それであんなことを……。」


「マスター…め!」


「あ…。」


「どうかしたっすか?」


「いえ、何でもありません。さて…そろそろ再開しますか。」


「そうだね。」「そうっすね。」「はい。」




花音達は食器を収納に直して11階層に向かって進みだす。

11階層は今までの風景がガラッと変わって一面赤、炎と溶岩による熱の世界になる。

進むことが出来そうな道の10mほど下の方に溶岩が流れ、道や壁のの所々から炎が吹き上がっている。




「……これ無理っす。手持ちの水じゃ全然足りないっすね。」


「そうですね、この熱さはちょっと辛いですね。」


「スダレが居ればまだ良かったんだけどね。」


「そうですね…お師さんどうしますか?」


「今日はここまでにして戻りましょうか。」


「師匠も熱いなら、熱いって教えてくれればいいっすのに…準備不足っすね。」


「これは…ゴルク様もギルルド様も熱さで途中で戻ってるんでしょうね。」


「だろうね、残念だけど戻ろうか。」


「そうっすね。」


「みなさんは先に10階層に戻ててください。」


「カノンちゃんはどうするんっすか?」


「シグレさんとの約束もありますから、少し魔石を回収してから戻ります。」


「そうっすか…それなら自分たちは少し離れた場所で待ってるっす。」


「戻っても大丈夫ですよ?」


「カノンちゃんが大丈夫でも、私達が大丈夫じゃないからね、ははは…。」


「分かりました、念のためにヨギリんに秋桜を渡しておきます。」


「え?お師さんは…愚問でした、待ってます。」


「それじゃあ、少し行ってきます。」


花音はそのまま歩き出し奥の方へ向かう。




「カノンちゃん行っちゃったね。」


「そうっすね、この通路の途中まで戻るっすよ、ここに居たら無駄に水を消費するだけっすから。」


「そうですね…。」


「どうしたっすか?」


「いや、この秋桜でさっきのデカいのを斬れるかどうかと…ちょっと考えてた…。」


「それなら傷は付けれそうだよね。」


「そうっすね、あれは何なんっすかね?カノンちゃんは鋼って言ってったっすけど…師匠の刀と同等なら、秋桜でも斬れると思うっすけど。」


「戻ろうっか、カノンちゃんが戻ったあとで復活してたら試してみたらいいよ。」


「そうですね…。」


3人は10階層と11階層を繋ぐ通路の途中まで戻る。




一方の花音は


「スリーピーさんはこの熱さ大丈夫なの?」


「大丈夫。」


「そっか、それなら鉱石採取と魔石回収をさっさと終わらせよう♪」


花音は木刀を持って11階層を激走して多くの魔物と鉱石を回収していく。


「キャッ!こいつ苦手だ、急に飛び出してくるから…。」


溶岩から飛び出して襲って来たファイアフィッシュを斬って亡骸を回収する。


「そして…この犬、狼だったかな?火に包まれてるのに熱くないのかな?まあいいっか♪」


ファイアウルフも斬って収納していく。


ファイアウルフ20体、ファイアフィッシュ30体、ファイアフライ18体を倒したところで、12階層への入口を発見する。



「ん~ついでだから12階層に行ってみるかな?」


とスリーピーが居るのだが独り言を言って12階層に進んで行く。


「11階層と変わらないね…熱さも、休憩するなら階層に降りる通路だね。」


花音は11階層と同じく12階層でも魔物の亡骸回収と鉱石回収を行う。

ファイアウルフ10体、ファイアフィッシュ12体、ファイアフライ6体を倒したところで立ち止まり、現在の収納の中を確認する。




収納一覧亡骸

ケイヴアント85体ケイヴスパイダー76体、ケイヴバット54体、ケイヴラット47体

ファイアウルフ30体、ファイアフィッシュ42体、ファイアフライ38体

スチールゴーレム1体



収納一覧鉱石

石157個(岩を含む)、銅26個、青銅14個、黄銅24個、鉄鉱石13個、銀3個、金8個、隕鉄12個、金剛石11個、水晶13個、雲母9個、翡翠2個、ロードナイト11個、ミスリル6個



「ん~ミスリルがもう少し欲しいかな?でもな~キンたん達を待たせてるから…これだけあればスクナとヒコナの鞘は作れるだろうけど…魔力錠の分は数が余り作れそうにないかな?…よし!今日はここまでで戻ろう。」


花音はくるっと回れ右して来た道を戻って行く。




「カノンちゃん遅いっすね。」


「だね、何かあったのかな?」


「お師さんなら、何かあっても大丈夫だと思う。」


「そうだね、カノンちゃんだからね。」

「そうっすね、カノンちゃんは魔王っすからね♪」


「……え?…ま…まおう?……はぁー⁉」


「ちょ、ちょっとキン!それはあの会議の人達だけの秘密ってカノンちゃん言ってたでしょ!」


「あっ、しまったっす…カノンちゃんに嫌われるっす?それは嫌っす!」


「お師さんが魔王…魔王…。」


「こうなったらヨギリんの記憶を飛ばすか、口封じするしかないっすね。」


「どうするの?」


「これで頭を殴るっす…記憶が無くなるまでやるっす。」


キンは収納袋から木刀を数本取り出す。


「ちょっ、それは酷いよ!」


「大丈夫っす♪死ぬか記憶を無くすだけっすから♪」


「それ大丈夫とは言わないよね!」


キンは木刀を花音が魔王と知って放心しているヨギリに向かって大きく振りかぶる。


「何してるんですか?」


「あ♪カノンちゃんキンを止めて!お願い!」


「よくわかりませんけど…ダメですよ?」


「止めないで欲しいっす!ここで殺っておかないと、カノンちゃんに嫌われるっす!」


「え~っと…私がキンたんを嫌うんですか?」


「ちょっとキン?やるが殺るになってない?」


「気にしたらダメっす。」


「ナンのん説明をお願いします。」


「キンがね、ついポッロっとカノンちゃんが魔王だってことをヨギリの前で言っちゃったんだよ。」


「あぁ…それは良くはないですけど、ヨギリんには何れは教えるつもりでしたから、別に殺らなくてもいいですよ。」


「怒らないっすか?嫌わないっすか?」


「嫌いはしませんけど、怒ります。」


「怒られるっすか…。」


「スリーピー先生お願いします。」


「キン…め!」


「ぅ…スリーピーさんに「め!」されたっす…。」


「あははは♪め!め!だって♪キンめ!されてる♪」


「ヨギリん大丈夫ですか?」


「お、お師さん!」


「はぃ?」


「お師さんが魔王というのは本当ですか?」


「職業がってことなら本当ですよ。」


「本当なんですね…何で某には教えてくれなかったんですか!」


「ぇ?それはヨギリんが素直過ぎるからですよ、とういうことで…これを着けてください。」


花音は金剛石と雲母を使って創造錬金で3つ腕輪を制作する。

金剛石で出来た輪に雲母の黒っぽい龍の意匠が施されている。

その腕輪の1つを花音はヨギリに渡す。


「え?これ何ですか?」


「腕輪です、ヨギリんの為に作りました♪」


「あ、ありがとうございます♪」


ヨギリは素直に腕輪を身に着ける。


「それでお師さん…これ能力は何が付与されてるんですか?」


「それは私が魔王であることを口に出そうとすと電撃が流れるようになってます。」


「え?…え⁉」


「これはキンたんとナンのんの分です♪」


「え~っと…ありがとうっす。」


「拒否権は…あ、はい…ありがとう…ね。」


2人は大人しく受け取り身に着ける。


「ヨギリん…カノンちゃんの職業を知ってどう思ったっすか?」


「ちょっとキン!」


「さすがはお師さんです!お師さんが魔ギャー!!」


「こうなるんっすか…。」


「ヨギリんで試すなんて酷いよ…キン。」


「確認は大事っすよ。」


「キン!酷い!某で試すなんて!試すんなら自分で試して!」


「ごめんっす、でも気を失う程ではないんっすね。」


「ちょっとした注意みたいなものですからね、電撃の他にも能力付与してますよ、所謂口止め料と1度付けたら外れないから、その謝罪です。」


「「「え⁉」」」」




11階層で引き返します、花音が大丈夫なのは猫さんパジャマの付与能力です。


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