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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
131/183

129、魔王の失敗。強い武器も考えものですね…。

「ここから先は分からないっすから、気を付けて進むっすよ。」


「了解♪」

「分かりました。」


と言っても出て来る魔物は6階層から8階層までと同じであり、ただ10階層への降り口の場所が分からないだけである。

ダンジョンの罠も引っ掛かる前にキンが気付くのでヨギリの罠探索の訓練にも一応なっている。

当の花音は後ろからテクテクとマップを確認しながらみんなに付いて行くだけである。




ん~罠を発動させてみたいけど…キンたんたちが一緒だから自重しなきゃね。


「行き止まりっすね。」


「宝箱もなかったね…。」


「そうですね…戻りましょう。」


とキンとナン、ヨギリが話してるが、花音のマップにはこの先に通路らしきものがあるのを表示している。


「ちょっと待ってください。」


「どうしったっすか?」


「この先に通路があるみたいです。」


「本当に?」「本当ですか⁉」


「この辺りなんですけど…。」

と花音は壁を指示す。


「ここっすか?何か仕掛けみたいなのがあるんっすかね?」


「探してみようか?」


「探す前に壊せるかやってみます。」


といってヨギリが壁を殴ったりけったり、秋桜で斬ってみるが修復され元に戻る。


「…ダメですね。」


「みたいっすね。」


「大人しく仕掛けを探そっか。」


「はい…。」




しばらく4人でその周辺を調査するがそれらしきものは見当たらない。


「ん~見つからないっすね。」


「だね~。」


「そうですね。」


「お師さんなら壁壊せるんじゃないですか?」


「出来るかもしれませんけど………。」




ナビちゃんどう思う?


(花音様なら壁の破壊は可能でしょうが、壁が修復されるまでに入れるのは1人か2人が限界でしょう。)


そうなると、私ともう1人がどうにかってところだね。


(そうですね、こういった隠し通路は何が起こるか分かりませんから、花音様がこの中で1番安全だと思いますが…。)


が?何かあるの?


(こういった場合、入るとなかなか出られない、或いは出られても何処か違う場所に出る可能性がありますから、キン様たちのことを考えると止めておいた方が良いかと思います。)


そっか…スダレたんが居るならまだ大丈夫な階層だろうけど、スダレたんが居ない上に今回初ダンジョンのヨギリんだからね…うん、止めとこう。




「今回は止めておきましょう。」


「何でですか?」


「隠されてるということは何が起こるか分かりませんし、正規の手順で入るのなら兎も角、無理に入れば本当に何が起こるか分かりませんから、今回は止めておいた方がいいと思います。」


「そうですか…。」


「そうっすね、ダンジョンはよく分かってないことばかりっすからね、戻ったときにでも師匠かゴルク爺にでも聞いてみた方がいいっすね。」


「そうだね、カノンちゃんが居るから9階層に来てるけど、スダレが居ない状況で何かあれば、ちょっと対応が難しいかもね。」


「それは某では役に立たないということ?」


「いやいやいや、そういう意味じゃないよ。」


「某は問題なく戦えてます!」


「だからそうじゃないって。」


「それならどういうことなんですか!」


「ちょっとヨギリん落ち着くっすよ。」


「某は落ち着いてますよ!」



「はいそこまで!!」



「カノンちゃん?」「………。」「お師さん…。」


「ん~……ヨギリんは…いや…。」


「某が?」


「うん、いや…しばらくヨギリんは武器を元に戻してみましょうか?」


「え⁉どうしてですかお師さん!」


「ちょっと説明…いや、一応師匠ですからちゃんと注意します、ヨギリんは秋桜を使ってるから、ここの魔物を弱く感じて、少し調子に乗ってます…ですから元の武器で戦ってみてここの魔物の本来の強さを感じてください。」


「調子に…某はそんなこと…。」


「いいえ、キンたんにナンのんとスダレたん3人が安全を考えて8階層までしか潜ってないんですから、普通はこんなにサクサク進めるはずがないんです。」


「そうっすね、ヨギリんが一撃で倒してるファイアフライは自分だけだったら倒せないっすからね。」


「…そうだね、ファイアフライはあんな見た目だけど硬いからね、それにキンの得意な炎系統も殆ど効かないしね。」


「某は別に…調子には…。」


「……ヨギリんは悪くありません、これは私が悪いんです、先に元の武器で戦ってこのダンジョンの魔物の強さを理解してから秋桜を渡すべきでした…ヨギリんが秋桜を使い慣れれば、次の武器は小太刀を選んでくれて、くノ一に近づけるなんて私が考えたのが悪かったんです…。」


「あ~それで秋桜をヨギリんに渡しったんっすね…。」


「はい…すいません、秋桜が凄い武器だと言うのはみんなの反応で分かってたんですけど…。」


「そうだね、秋桜は強力な武器だね…でも大丈夫なの?」


「というと?」


「いやね、急に弱い武器に変えたら危険じゃないかな?って思ったんだけど…。」


「そうですね…キンたんとナンのんから見て、ヨギリんの武器でも倒せそうなのはどの魔物ですか?」


「そうっすね…ケイヴアント、ケイヴスパイダーは問題ないっす、でも一撃で倒すのは無理だと思うっす。

ケイヴバット、ケイヴラットはちょっときつくなると思うっすけど、倒すだけなら問題ないと思うっすよ。」


「ファイアフライはさっきまでみたいに一撃じゃ無理だろうから…危険だね。」


「そうっすね、ファイアフライはヨギリんの武器じゃダメっすね、傷1つ付けられないと思うっす。」


「ぁ…すいませんお師さん!某は……某は秋桜の力を自分の力だと勘違いしてました!」


「さっきも言いましたけど、今回は私が悪いんですから、ヨギリんが謝る必要はありませんよ…私の方こそごめんなさい。」


「い、いえ、お師さんは別に…某が未熟だっただけで…。」


「いや、これは私のおミス、失敗です。キンたんもナンのんもすいませんでした。」


「自分は気にしてないっすよ♪」


「そうだよ♪」


「ナンもキンもさっきはすいませんでした。」


「ヨギリんも気にしなくていいよ♪」


「そうっすよ。」


「でも…。」


「武器の強さを自分の強さだと思うことはよくあることだよ、キンも今の武器をギルルドさんから貰ったときはそんな感じだったもん…ね?」


「それは言って欲しくなかったんすけど…そういうことっす、これもその秋桜と比べれば全然弱いっすけど、それでもヨギリんの武器と比べれば強い方っすからね…今思い出したら当時の自分を殴りたいほど恥ずかしっすね…。」


「キンにもそんな時期が…。」


「あははは♪強い武器を手に入れれば1度は経験があると思うよ?スダレだって新しい魔術を覚えたときは似たような感じだったもんね♪」


「そうっすね、自分だけじゃないっすし、ヨギリんだけでもないっすよ♪みんな似たようなもんっす、ナンだって…。」


「わ~!わ~!それは言わないで!」


「ナンだけズルいっすよ!自分も恥ずかしかったんすから、道連れっす!」


「ぐぬぬぬぅ、こうなったら力尽くでも黙ってもらうよキン!」


「そう来るっすか、望むところっす!かかって来るっすよ!」


2人は本気ではないが、じゃれ合い以上の戦闘を開始する。




「マスター…。」


「なに?スリーピーさん。」


「楽しそう。」


「キンたんとナンのんのこと?」


「そっ。」


「ははは♪そうだね。」


「あ、あの…お師さん…。」


「どうしました?」


「止めなくても良いんですか?」


「良いんですよ、ここまで戦闘は殆どヨギリんがやってましたから、あの2人も体を動かしたいと思いますから。」


「そうですか…あ、あの!お師さん…す、すいませんでした!」


「ん?何に対しての謝罪ですか?」


「先程の件です…。」


「先程…ん~さっきも言いましたけど、あれは私の判断が悪かったんですから、ヨギリんが謝る必要はないですよ…。」


「で、でも…。」


「でもそれじゃあ、ヨギリんの気が済まないんでしょうから、謝罪は受け取っておきます。」


「ありがとうございます。」


「でも…それなら私からの謝罪も受取ってくださいね。ヨギリさん…今回は私の変な考えの所為ですいませんでした。」

花音はヨギリに頭を下げる。


「い、いえ、お師さんが……は、はい謝罪を受け取ります。」


「ありがとうございます♪」


「マスター…。」


「ん?」


「そろそろ…。」


「あ~はい。2人を止めますね。」



花音はパンパンと手を叩いたことで、2人は動きを止める。



「2人ともその辺りにしとかないと、ここダンジョンですから後が大変になりますよ?」


「はぁ、はぁ、そうっすね、次は勝っすよナン!」


「ハァ、ハァ…それはこっちの言葉だよキン。」


「2人とも行けますか?それとも少し休んでからにしますか?」


「少し休むっす、ナンは容赦がないっすから。」


「酷いな~、キンの方が容赦ないじゃないの、ごめんだけど少し休ませて…。」


「分かりました、少し休憩しましょう。」


「楽し…かった?」


「え?そうだね、ダンジョンに潜って私は全然戦闘してなかったから…楽しいって言うよりもスッキリした感じかな?」


「そっ…。」


「自分は久しぶりにナンと戦ったすからね、結構楽しかったっすよ♪」


「そっ…。」


「あぁ、確かにね、キンと戦ったのって久しぶりだね…そう考えると、確かに楽しかったかもね♪」


「そっ♪」


「大丈夫ですよ、スリーピーさんもスライミーさんも一緒に遊べるようになりますよ♪」


「だと…うれしい♪」




次は11階層…だと思います。

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