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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
129/183

127、ダンジョン。まだ1階層です。

ダンジョンに入ってすぐに目に留まるのは土と石の壁。

自然の洞窟のような感じではなく、ゲームなどで見る綺麗に整えられた土や石の壁である。


「ぅっわ~、ダンジョンですね…。」


「ダンジョンっすよ?」


「そうなんですけど、そうじゃなくて…想像してたよりもダンジョン!って感じです。」


「ちょっと分かんないっす。」


「想像してたよりダンジョンって…どういう意味なの?」


「某も初めて来ましたけど、想像以上に広くて綺麗です。」


「そうそう、ヨギリんの言った通りです、私は洞窟みたいなのを想像してたんですよ。」


「そうっすね、自分達は最初がこのダンジョンっすから、そう言われてもピンっと来ないっすけど、そう言われれば、洞窟とは全然違うっすね。」


「そうだね…洞窟って暗くて狭いもんね、ここは何故か明るいしね。」


「そうなると…ダンジョンって人工物なんですかね?」


「これがっすか⁉いくら何でもそれは無いと思うんっすけど…。」


「人工物かどうかは分かんないけど、不思議ではあるよね…宝箱に魔物、修復される壁に地面。」


「壁と床が修復されるんですか⁉」


「そうっすよ、最初に師匠に連れて来られたときに確認させられたっす。」


「ギルルドさんがね、「ダンジョンの中で野宿することになった場合、お前たちはどうする?」って聞いたら、キンが「穴を掘るっす。」って言って、「なら掘ってみろ。」って言われて、キンが一生懸命掘ったんだよね…。」


「あれは今思い出してもただの嫌がらせっす!一人分の穴を掘って、しばらくしたら元に戻ったんっすよ!」


「あ~でも穴を掘って、穴を埋める訳じゃないんですから良いじゃないですか。」


「何すかそれ⁉」


「私も詳しくはないんですけど…拷問?だったかな?」


「それ拷問になるんですか?」


「詳しくは知りませんけど、無益な労働は精神的にキツイみたいですよ?」


「「「……。」」」


「自分は嫌っすね…。」

「あ~私も嫌だなぁ、キンがやった掘るだけでも遠慮したい。」

「某は大丈夫だと思うんですけど…。」


「いやいやいや、これ1日中やったらキツイですって!」


「え?1日中ですか?……すいません、某も無理です。」


「だよね~、私1回だけでも嫌だよ。」


「自分も……ヨギリん!」


「分かってます!」


そう言ってヨギリは現れたケイヴアント3匹を瞬殺する。


「凄いっすね…。」


「だね、ヨギリんもだけど、あの秋桜…あっさりケイヴアントを両断だよ。」


「ケイヴアントって素材になるんですか?」


「毒のある腹部ぐらいっすかね?」


「毒があるんですか?」


「あるっすよ、液体で溶剤、染色、皮革のなめし加工とかに使うんっすけど…これはダメっすね。」


「真っ二つだもんね…。」


「まあ素材になるなら、次から回収していきましょうか。」


「そうっすね。」


「ヨギリん、次は真っ二つにしないでね。」


「分かりました、気を付けます。」


と進んでいると次にケイヴスパイダーが2匹現れたのだが…。


「おかしいっすね?」


「どうしたんですか?」


「ケイヴスパイダーが近づいて来ないんっすよ、普通なら接敵すればすぐに近づいて来て糸で捕獲して来るんっすけど…。」


「距離を取って動きませんね。」


「どうしますか?」


「そうですね…。」




『主、聞こえるです?』


『ラクネアさんどうしました?』


『主今ダンジョンです?』


『よく分かり…もしかして今近くに居るケイヴスパイダーって…。』


『ですです、うちの配下です。』


『それで攻撃して来ないんですね…。』


『数はそんなに居ないです、出来れは攻撃して来ないケイヴスパイダーは見逃して欲しいです。』


『分かりました、何か合図してくれたら分かり易いんですけど。』


『それなら死んだフリするです?』


『死んだフリですか?』


『引っ繰り返ってピクピクするです。』


『何それ⁉ちょっと見ていたい♪』


『指示するです、ちょっと待てて欲しいです。』


『分かりました。』


「少し様子を見ましょう。」


「倒さなくて良いんですか?」


「さっき…。」

と話しかけたところでケイヴスパイダーが引っ繰り返ってピクピクしだす。


「な、何っすか⁉何が起こってるっすか⁉」


「警戒!」「注意するっすよ!」

「分かってます!」


3人が警戒を強める。


『ラクネアさん、すいませんがこちらが死んだフリにパニックになってます。』


『普段そんな姿見ないです、パニックも当然です。』


『なら何でそんなのを合図にするんですか!』


『普段見ないです、分かり易いです。』


『た、確かに…すいませんが死んだフリはどうしようもない最悪の場合で、それ以外は近づかないように伝えてください。』


『分かったです。』


『ラクネアさんの配下の反応が遅れて倒しちゃったらどうしましょうか?』


『それはしょうがないです、数匹残ってたら増えるです。そんなんに気にしなくても大丈夫です。』


『そうですか…分かりました、一応先に謝っておきます。ごめんなさい。』


『謝罪は要らないです、でも…全力で逃げるように伝えておくです。』


『お願いします。』




「あ~…ラクネアさんから念話がありました。」


「「ラクネアさんから?」」「ラクネアさんっすか?」


「今引っ繰り返ってピクピクしてるのはラクネアの配下らしいです。」


「それで襲って来なかったんだね。」


「それは分かったっすけど…この状況は何っすか?」


「死んだフリだそうです、この恰好をするケイヴスパイダーはラクネアさんの配下ですから、斬らないようにお願いします、一応この恰好は最悪の場合で、こちらには近づかないように、全力で逃げるようにとは伝えてもらってます。」


「分かりました、それ以外は斬って良いんですね?」


「そうですね、ラクネアさんも少しでも残ってれば大丈夫とは言ってましたから…ヨギリんは気にせずにいつも通りでいいですよ。」


「分かりました、一応気を付けます。」


「ラクネアさんこんな所にも配下が居るんっすね。」


「情報収集がお仕事らしいですからね。」


「この2匹は放置して先に進もうか。」


「そうですね。」


花音たちは2匹のケイヴスパイダーを放置して先に進む。




ケイヴアント5匹、ケイヴスパイダー6匹をヨギリが斬りながら奥へと進んで行き、魔物の亡骸は花音が収納していく。


「そういえば…。」


「どうしたの?」


「キンたんガンガン進んでますけど、道…分かってるんですよね?」


「そうだよ、下に降りる場所は決まってるからね、と言っても私達は8階層までしか知らないけど。」


「ギルルドさんやゴルクさんに聞かないんですか?」


「教えてくれないから、聞いても意味がないよ。」


「教えてくれないんですか?」


「うん、自分で探すのが修行だってさ。」


「あ~言いそうですね…。」


「でしょ♪キン!」


「何っすか?」


「この近くに宝箱あったよね?」


「あるっすけど、まだ1階層っすから、中身が無いかもしれないっすよ?」


「あ~その可能性はあるか…それならいつも通り宝箱は6階層以降だね。」


「そうっすね、そっちの方がいいっす。あっ、カノンちゃんあれが鉱石っすよ。」


「どれですか?」


「あれっす。」


キンが指し示す場所にはちょっとだけ石のような物が土壁から出ていた。


「あれですか?」


「そうっす。」


「何の鉱石か分かりませんね。」


「掘り出さないと分からないっす、全部同じっすから。」


「え?…え⁉全部これと同じなんですか⁉」


「そうっすよ、これを掘ると…。」


キンは収納袋からタガネのような物を取り出し壁を掘って行く。

しばらく掘り続けると大きい石の塊が採取される。


「これが…って壁がもう元に戻ってますね。」


「そうなんすよ、掘ってる間はいいんっすけど、掘るのを止めるとすぐに戻るんっす。」


「はへ~何でですかね?」


「分からないっす、鉱石採取も掘り出すまで続けないと元に戻って最初から掘り直さないといけないっすから注意っす。」


「面倒なんだよね~。」


「出来れば2人ぐらいでやった方がいいっすね。それでこれが鉱石っす、これを…。」


キンはタガネを収納袋に戻して、次にハンマーを取り出す。

そのハンマーで石の塊をカンカンと叩いて行くと、石が崩れ出して石の中から鉱石が出て来る。


「鉄鉱石っすね。」


「何か違う…。」


「どうしたっすか?」


「私が想像してた採取と全然違う!」


「私達にとってはこれが普通なんだけど、どんなの想像してたの?」


「岩があってつるはしでカンカンってやったら中から…あれ?」


「同じっす…よね?」


「そうだね、岩か石の塊かの違い?」


「そうですね…実際の鉱石採取はしたことないですけど、化石は…あれは落ちてる石を叩いたら三葉虫とか…似たようなもんですね、うん、気にしないで進みましょう♪」


「そうっすか?鉱石は決まった場所はないっすから注意して見たら良いっすよ。」


「分かりました。」


「そろそろ2階層に降りる道が見えて来るっすよ。」




ナビちゃん、ダンジョンってマップ表示出来る?


(通った道なら表示出来ます。)


通ってないとこは表示出来ないの?


(出来ません、ダンジョンはちょっと特殊な場所ですから。)


そうなんだ…それなら鉱石の場所は表示できる?


(出来ます。表示しますか?)


うん、お願い。


(分かりました、表示します。)


結構あったんだね…全然気が付かなかった。

宝箱箱も表示出来るの?


(出来ます。)


そっか、やってみてもらえる?


(分かりました、色も鉱石と変えて黄色で表示します。)


あ、うん、ありがとう。…って何も表示されてないね。


(そうですね、通った道に宝箱はありませんでしたから。)


それもそっか、それなら魔物とかダンジョン内の人は表示できる?


(出来ます。魔物を紫、ダンジョン内の人を青で表示します。)


うん、お願い。…魔物は思った以上に少ないね、人は…3人?近いからパーティーかな?

魔物と人は通ってない所でも表示出来るんだ…。


(ダンジョンの内部、宝箱、鉱石、魔物などのダンジョン関連のものは、1度通った場所しか表示出来ませんが、それ以外のダンジョン関係ではないものは表示可能です。)


ん?魔物も表示されてるよね?魔物はダンジョン関係じゃないの?


(表示されてる魔物はダンジョン関連の魔物ではない魔物です。)


簡単に説明お願いします。


(ダンジョンの外から入って来た魔物といことです、ラクネア様の配下もこちらに該当します。)


あ、そうなんだ。ラクネアさんの配下は表示の色変えられる?


(ラクネア様が花音様の従魔ですから可能です、桃色で表示します。)


この階層には4匹か~…うん、ありがとうナビちゃん。




少し歩くと下に下っている道が見えて来る。


「ここから2階層に降りっす。」


「普通に通路なんですね。」


「そうっすよ。5階層までは1階層と変わんないっすから、一気に6階層まで行くっすよ。」


「そうだね、宝箱も6階層からなら残ってるのも多いからね。」


「私は大丈夫だと思いますけど、ヨギリんは一気にそんなに進んで大丈夫ですか?」


「大丈夫です!」


「キンたんとナンのんから見てどうですか?」


「大丈夫だと思うよ?グリズさんも言ってたけど、秋桜無しでも6階層まではソロでいけると思うから。」


「そうっすね、6階層からは魔物が増えるっすから1人じゃ大変になるっすね。でも秋桜だと魔物を瞬殺出来るっすから、手子摺ることもないっす…あとは体力と集中力の問題っすかね?」


「そうですか……キンたんとナンのんがそう言うなら先に進みましょう。」


「お師さん酷いです!某の言葉を信じてくれないんですか!」


「いや、ヨギリんダンジョン初めてでしょ?それなら2人の意見が優先ですよ。」


「そうっすよ、ヨギリん。ダンジョンの中と外で全然違うっすからね。」


「だね、普段の大丈夫とダンジョンでの大丈夫はちょっと違うからね。それに外では逃げる場所も多いけど、ここだと逃げる場所は限られてるから。」


「…そうですね、分かりました。」


「ヨギリんも理解してくれましたから、2階層に進みましょう。」


こうして花音たちは特に問題なく2階層へ進む…。




今回の話で鉱石の採取について調べたら、鉱石から小判というのがヒットしました。

何故人は金にそれ程の価値を付けたんだろうか?とちょっと不思議に思いました。

金ぴかで綺麗だからですかね(。´・ω・)?

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