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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
128/183

126、熊さん村へ帰る。焦った感じでしたよ?

斬られた木は静かに傾き近くの木にぶつかり音を立てて地面に倒れる。


「お師さん!これ何ですか⁉斬った感触が無かったですよ⁉」

ヨギリは興奮して花音に詰め寄る。


「こ、ここここ。」


「コケッコー?」


「これ!そこら辺の岩どころじゃないですよ!」


「確かにそこら辺の岩とは言いましたけど…そんなに凄いんですか?作ってから使ったのはさっきの蛇さんぐらいなんですけど…。」


「これならティムバーサーペントの硬い皮も軽く斬れるのも納得です。」


「そうなんですか…ヨギリんに作るのも同じ威力がありますから、それで慣れてくださいね。」


「わ、分かりました♪」


「凄いっすね…早く自分の武器も作って欲しいっすね、楽しみっす♪」


「あ~良いな…私も何かお願いしようかな?」


「別に良いですよ?ナンのんにはお世話になってますから……。」


「本当に⁉ありがとうカノンちゃん♪」


「ナンのんの分も作るとなると、スダレたんの分も考えないとダメですね…。」


「そうっすね、スダレの分が無かったら拗ねそうっすね。」


「そうだね…ごめんね。」


「いえ、それは良いんですけど、スダレたんって武器じゃなくて魔術ですから、何が良いのかというよりどれにするか迷ってしまいますね。」


「そんなにあるんっすか?」


「クルトと同じでレザーアーマーでいいと思うよ?」


「ん~スダレたんの防具って…キンたんたちと似た感じじゃないですか。」


「そうっすね。」「だね。」


「私の中でスダレたんにはトウガちゃんと同じ巫女服が似合うと思うんですよ!狐人に巫女服を!」


「カノンちゃんの変な癖が出たね。」


「某のくノ一?というのの話の時もあんな感じでしたね…。」


「巫女服の他は何があるんっすか?」


「他は魔力関係ですね、回復に増加…でもキンたんもナンのんも武器で見ればすぐに分かりますから、巫女服の方が…うん、巫女服にしましょう♪」


「あ、決定しちゃった。」

「そうっすね。」


「でもあの秋桜と同じなら、その巫女服って…。」


「そこら辺の魔物、武器じゃ傷1つ付けられないかもっすね。」


「ですよね…。」


「だよね~、スダレの防壁系魔術必要なくならないかな?」


「可能性はあるっすけど、スダレたん自身に使う分が減れば他に回せるっすからね。」


「そっか、そうだね♪」




グリズは斬られた木の切り口を触ったりして調べて戻って来る。


「あれは危険だな、止めてくれて助かった、感謝する。」


「見てみてどうでしたか?」


「そうだな…俺はヨギリの剣を掴んで防いだが、あの武器だと同じ防ぎ方をすれば指が持って行かれるな。」


「ギルルドさんとの戦いで使ったって言ってた籠手はどうですか?」


「…無理だろうな。防いだら籠手ごと腕を失うことになりそうだ。」


「そうなりますか…。」


「そうなるだろうな、仮に…いや、あの武器を防げる物はなかなか存在しないだろう。少なくとも俺の知ってる範囲では無い。

武器にしろ、盾にしろ、あの剣を防ごうとしたらそのまま一緒に斬られることになるだろうな。」


「え?」


「なんだ?」


「え~っと…グリズさんは確認の為にいろんな人と戦ってるんですよね?」


「そうだが?」


「その中に防げる物が無いということですよね?」


「そうだな。」


「あれ、かなり弱目に作ってるんですけど…。」


「あ?あれで弱目なのか⁉あれ以上の武器があると?…莫迦言うなよ。はっはっは…。」


「あります…けど?」


「それはお前たちの村全員が持ってる…と?」


「いえ、あの秋桜以上は私だけです。」


「そ、そうか…。」


「それに今は同等の物が二振りだけですけど、その内増えます。」


「な⁉ななな…。」


「奈々菜?」


「何だとー!!」

花音を始め全員が耳を手で塞ぐ。


「ちょ、ちょっと声大きいです。」


「あっ…すまん。」


「いえ、でもギルルドさんの刀も修復されれば同程度にはなってると思いますよ?」


「ゲッ…一応確認させてくれ。」


「何ですか?」


「その武器は尻尾がある奴らだけか?それとも他の獣人も持ってるのか?」


「他の獣人は分かりませんけど、私の方は今のところ尻尾がある人達だけの予定です。」


「そ、そうか…俺は用事が出来た、問題ないからダンジョンに向かって良いぞ。そ、そ、それじゃあな。」

と言ってグリズは足早に花音たちから離れて行く。


「約束忘れないでくださいよ!」


花音の問いにグリズは少し立ち止まって片手を上げるだけで去って行く。


「行っちゃったっすね…良かったんっすか?あんなこと教えて。」


「良いんじゃないですか?グリズさんはキンたんたちを忌避してないみたいですから。」


「あれ、武器の情報を熊人族に知らせる為に去ったんですよ?」


「別に知られても良いですよ。」


「お師さんは何を考えてるんですか?」


「特には…ただ忌避感を持ってないみたいですから、武器のことを知らなかったことでお亡くなりになって欲しくないと言うのが1つ、。」


「1つ?」


「あとは、秋桜と同等を作れるのは私とニグルさんだけでしょうから、それに防げる防具を作れるのも私とニグルさんだけってことになりますんで。」


「知られても問題が無いと…。」


「そうなりますね。ただしばらくは他の人はダンジョンに近づかない方が良いかもしれませんね。」


「そうっすね、カノンちゃんかニグルのおやっさんの武器を持ってない人は止めといた方がいいっすね。」


「あ、ヨギリん、すいませんがこのことを村に伝えに…。」


「今日は大丈夫だよ、ダンジョンから戻ってからで大丈夫だと思うよ。」


「え?今日は?何でですか?」


「あっ…。」


「今日はあれです、スライムの魔王の威圧の影響で村も大変ですから…。」


「ごめん…なさい。」

花音の頭の上のスリーピーがしゅんとして謝る。


「あっ…。」


「ダメっすね2人とも、今日はみんな宴の後でお休みっす。」


「そうなんですか?あ~そう言えば昼食の後に村で人を見かけてませんね。」


「そ、そうなんだよ。」


「それならお休みなのにダンジョンについて来てもらって、すいませんでした。」


「そこは自分たちが好きで付いて来てるだけっすから、気にしなくていいっすよ。」


「それに某は弟子で、キンは孫弟子ですからね。」


「私は違うけど、キンの言った通り好きで付いて来てるから気にしないで♪」


「ありがとうございます。ダンジョンに向かいましょうか。」


「了解っす。」「あいあい♪」「はい。」

一行はダンジョン入り口が見える場所まで移動した。





「あっ、岩塩!」


「グリズさんの所為ですっかり忘れてましたね…。」


「そうっすね、どうする……ちょっと隠れるっす。」


キンの指示通りに全員が身を隠す。


「どうしたんですか?」


「なんか嫌な感じがしたっす、ちょっと隠れて様子を見るっすよ。」


「こういう時のキンの勘は結構当たるから、言う通りにしばらく隠れてよう。」


「そうですね、キンは勘だけは凄いですから。」


「〝だけ〟は酷いっすよヨギリん。」



花音たちはしばらく身を隠していると、ダンジョンの入口から犬人族の男が5人出て来る。

遠くから見てもその犬人族達が不機嫌なのが分かる。



「あれ…犬人族……ですよね?」


「そうっすよ、犬人族とはなるべく関わらないようにするっす。」


「あ~そんなこと言ってましたね。」


「そうだよ、犬人族はちょっと面倒くさい…じゃなくて荒っぽいからね。」


「それにしても……。」


「どうしたっすか?」


「やっぱり尻尾が無い獣人はダメですね、何か足り何気がします。」


「そう言われるのは嬉しいけど、あれが普通だからね?」


「そうっすよ。」


「尻尾が無いのが普通…やっぱりちょっと納得できません!」


「カノンちゃん声が大きいっす。」


「あっ、すいません。」


「こちらには気付かれたないみたいなんだけど…。」


「なんかブルブルしてますね。」


「あ~ちょっと私の能力が発動しちゃったかも…。」



ダンジョンの入口から出て来た犬人族の男たちは悪寒でも感じたのかブルブル震えて周囲を見回している。

犬人族の男たちは二言三言会話してその場から去って行く。



犬人族が去った後、花音たちはしばらくその場に留まる。


「どぉ?」


「もう大丈夫だと思うっす。」


「それじゃあ…どっちに行く?」


「どっち…あ~、岩塩から行きましょうか。」


「りょうか~い♪こっちだよ、付いて来て。」




ナンを先頭に岩塩の採取出来る場所へと向かう。

全員で岩塩を採取しながら、花音はあることを思い出す。


「そういえば、ダンジョンに行く途中にバナナがあるって言ってませんでしたか?」


「あるっすよ。」


「あ~確かにダンジョンに行く途中って言ったけど、胡椒採取したから、バナナのある場所は迂回した形になってるんだよ。」


「そうなんですか…残念です。」


「帰りに行けば良いっすよ。」


「そうなんだけど…通るかな?」


「帰り道ですから通ると思いますよ?もし通らなければ某が採って来ます。」


「まあ、そこまで気にしなくていいですよ、通ればついでに確保する感じでお願いします。」


「分かりました。」




「これだけあれば当分は大丈夫だと思いますから、ダンジョンに行きましょうか?」


「そうだね。」「そうっすね。」「分かりました。」


ということで再びダンジョン入り口まで戻る。




「どぉ?」


「大丈夫だと思うっす。」


「それでは某が先頭で…。」


「いや、ヨギリんはダンジョンは初めってっすから、自分が先頭で行くっすよ。」


「それじゃあ、私が殿しんがりかな?」


「いえ、殿には私が就きます。」


「ん~まあ、カノンちゃんなら何が来ても安全だね。」


「それと先頭はキンたんで良いですけど、なるべく戦闘はヨギリんでお願いします。」


「先頭は自分で、先頭はなるべくヨギリんっすか?それなら並んでいくっすか♪」


「そっちの先頭じゃなくて、戦う方の戦闘です。」


「そっちだったっすか⁉分かったっす。ヨギリんは自分のすぐ後ろっす、魔物が出たら即対応出来るようにするっす。」


「分かった。」


「ヨギリんの武器は秋桜ですから気を付けてくださいね。」


「大丈夫ですお師さん、さっき木を斬ったときに使い方のコツは掴みました。」


「それでも気を付けてください、木と違って魔物は動くんですからね。」


「…すいません、分かりました気を付けます。」


「ヨギリんも理解したっすから、ダンジョンにゴーっす♪」


「ゴー♪」


Goと掛け声と共にキンを先頭にダンジョンに入って行く。




消費税が10%になりましたね…ニュースで騒いでますが、その内〝当たり前〟になるんでしょうね…。

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