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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
127/183

125、熊さんと踊りましょう♪踊ってないです。

グリズは高く飛んで地面に落ちる。

「ぐっは!」という声とドスンという音が響く。


「どうでしたか?」


花音はヨギリの攻撃でもびくともしてないグリズならあれぐらいなら大丈夫だろうと判断して、ナンに話しかける。


「カノンちゃんは良く見とけって言ったけど、全然分かんなかったんだけど…。」


「全然ですか?」


「いや…足持ってぐるぐる回ってたのは分かったよ?」


「そこしか分かりませんでしたか…。」


「そこしかと言うか…お師さん背後に回りましたから、某たちからはバランスを崩した熊人族が地面に倒れるまで、お師さんの姿は熊人族に隠れて見えてません。」


「しまった…そこまでは考えてなかった…。」


「はっはっは♪見事にやられたな。俺も何をされたのか知りたいんだが…聞いても良いか?」


「やっぱりあれぐらいじゃ、そんなに効いてませんね。」


「頑丈だけが取り柄だからな。」


「話し方も変わってるっすね、頭打ったっすか?大丈夫っすか?」


「酷い言い方だが、心配してくれてるんだろうから、一応ありがとな大丈夫だ。

元々今が地だからな、さっきまでのは戦闘用の話し方だ。」


「戦闘用?」


「俺たちはダンジョンに潜る奴の強さの確認をしてる、今の話し方だと必死に戦って来る奴が少なくなるんだよ。」


「そうなんですか?」


「犬人はそうでもないが猫人と狐人がな…だから戦わないと死ぬかもしれないっていう感じの演出みたいなもんだな。」


「あ~そうだね、最初の方は逃げることも視野には入れるけど…何だろ?」


「ムカつくから殴っとこうって感じっすね。」


「そうそう、そんな感じ♪」


「それはお前たちだけだ。」


「某もそんな感じでしたよ。下に見られてるのがムカつきました。」


「そ、そうか…もう少し考えないとダメだな、それでどうだ?人族の娘、教えてもらえるのか?」


「別に良いですけど、約束覚えてますよね?」


「ああ、訊かれたことはちゃんと答えるさ。」


「分かりました、先ず…さっきのぐるぐるって回るのには意味はないです。」


「意味ないの?」「ないんっすか⁉」

「それなら何で回ったんですか?」


「え?凄そうに見えませんでしたか?」


「それはそうだけど…。」


「あれ、回ってるグリズさんより回してる私の方が目が回るんで自爆技です。」


「自爆っすか…。」


「本当はグリズさんを地面に倒した方を見て欲しかったんですけどね…。」


「あれな、急に膝がガックンってなったぞ。」


「あれは必殺膝カックンです!」


「ひ、必殺⁉カノンちゃんの⁉」

「…あれが必殺技っすか。」

「あれがお師さんの…。」


「え?そこに喰いつくんですか⁉必殺と付けてますけどほんのお遊びみたいなものですよ?本当はグリズさんの攻撃の力を利用して投げようかとか、一本背負いとか考えてたんですけどね…。」


「あ~すまん。」


「いえ、グリズさん攻撃して来てくれませんでしたし、襟がなくて掴めそうなところがなかったんで、最悪腕を掴んで投げても良かったんですけど、それだと腕…折れちゃいますし、頭から落ちたらお亡くなりになっちゃう可能性があったんで、あれにしました。」


「それでどうやって俺の態勢を崩したんだ?」


「実演しましょうか、ヨギリんそこに立っててください。」


「分かりました。分かりましたけど…危険じゃないですよね?」


「大丈夫です♪ちょっと膝がカクンってなるだけですから。」


花音はヨギリを立たせて、その背後に立ち膝カックンをする。


「にゃ⁉」

ヨギリは膝がガクンとなって慌てる。


「このあとに背中を押してやれば、さっきのグリズさんみたいに地面に倒れます。」


「は~これで俺は倒れたのか…。」


「ギランさんの戦い方は知りませんけど、こんなふうに力を使わなくても相手を転ばせるぐらいは出来ますし…グリズさん殴って来てもらって良いですか?」


「お、俺か?それは構わないが…大丈夫か?」


「大丈夫です。」


花音の返答にグリズは花音に殴りかかる。

花音はグリズの腕を避けて、その腕を掴みグリズを担ぐようにして頭から落ちないように投げ飛ばす。



「ぐは!」


「といったように相手の攻撃の勢いと力を利用して投げることも出来る人は出来るんです。私は素人ですけどね。」


「師匠もその技を使ってるの?」


「そこまでは分かりません。でもナンのんの言葉からこんな感じかな?と思っただけですから。」


「そっか…対策は何かあるの?」


「対策は…素人意見ですけど良いですか?」


「うん。」


「攻撃を当てるだけなら相手が反応できない速さで攻撃する。それが無理ならグリズさんみたいに攻撃をしない、もしくは接近戦じゃなくて遠距離攻撃で。」


「遠距離は遠慮したいけど、それ以外は今の私じゃ無理だね…。」


「あとは…投げられるのが分かってるなら、自分で飛んで相手の技の勢いを殺して次の攻撃につなげるって感じですかね。」


「そっか、自分で…分かったちょっとやってみるよ。」


「ぃ痛つっっ、恐い人族の娘だ、あんなに完全に投げられたのは初めてだぞ。」


「あ、大丈夫ですか?」


「ああ、大丈夫だ。」


「人族の娘じゃ言い難いでしょうからグリズさんも花音って呼んで良いですよ?」


「あ~そうか…カノンね…。分かったカノンと呼ばせてもらう、カノンの問は2つだったな。」


「はい、ヨギリんのことと、昔のことを知ってる人…出来れば紹介してもらえれば助かります。」


「あ、自分も聞きたことがあるんっすけどいいっすか?」


「ついでだ、俺で答えられるなら答えてやる。」


「カノンちゃん、悪いっすけど自分の方は大したことないっすから、先に聞いてもいいっすか?」


「はい、良いですよ。」


「ありがとうっす、グリズさんは師匠が…あの犬人が連れてたから対象外って言ってたっすけど、戦ったんすか?」


「ああ、戦った…1人でこのダンジョンに来るのは3人、その内お前みたいに尻尾がるのは2人、犬人と猿人で2人とも戦ったがな…確認が終わったって言っても戦闘を止めてくれなかったんだよ、その2人…。」


「あ~おそらく師匠とゴルク爺っすからね、売られた喧嘩は買うのが当たり前で、買えばどちらかが倒れるまで戦うっすからね。」


「たぶんその2人だろうな。」


「結果はどうだったんっすか?」


「猿人の方は引き分けだな、俺もその猿人も体力の限界でその場に倒れたからな。犬人の方は…一応俺の勝ちだ。」


「師匠に勝ったんっすか⁉」


「勝ったというか…あの犬人が使ってた武器が危険すぎたから、俺も籠手を使ったんだが、犬人の方の武器が欠けてな、欠けた時点で犬人の方が「儂の負けじゃ。」と言って帰って行った。

あのまま続けたらどうなったかは分からんが。」


「ギルルドさんの刀が欠けてたのはグリズさんが原因だったんですか。」


「そうっすか…カノンちゃんお願いがあるっす。」


「……そのお願は受けられません。」


「そうっすか…。」


「ギルルドさんの刀はニグルさんが修復します。これはニグルさんの試験でもありますから。」


「そ、そうなんっすか⁉」


「はい、ニグルさんもギルルドさんの刀については悔しかったみたいで、絶対修復してやるって言ってましたよ?」


「カノンちゃん…ありがとうっす。」


「いえ、私は何もしてませんからお礼は要りませんよ。キンたんの質問の方はもう良いですか?」


「自分のはもういいっす。」


「んじゃあ、次はカノンの問いだな…先ずは昔のことを知ってる奴は1人居る、紹介については族長を通さないといけないからな、この場では回答できない。」


「そうですか。」


「俺は大体この辺りに居るからな、2・3日後にでも来てくれれば回答は出来ると思う。」


「それなら…5日後でお願いします。」


「分かった。カノンなら問題ないと思うが…少し戦ってもらうことになるかもしれんが…大丈夫か?」


「強者に従うってやつですか。」


「そうだな、カノンが聞きたいことは分からんが、昔のことを聞きたいということはそう言うことになると思う。」


「分かりました、それでもお願いします。」


「分かった、次はそこの猿人の娘についてだが…。」


「ヨギリです。」


「あ?」


「某の名前はヨギリです!」


「あ、ああ、ヨギリについてだが、ヨギリにも伝えたが速度、反応、判断に問題はない、問題があるとすれば力、打撃だが…こればかりはな。」


「最後の背後からの攻撃はダメでしたか?」


「ダメだな…ダメとは言ったが、それは俺たち熊人族を相手にすればということだ、それ以外なら問題ないんじゃないか?」


「やっぱりそうですよね…筋力を上げる方法は思い付いてるんですけど…。」


「本当ですか!」


「いや…それをやるとたぶん…ヨギリんがゴルクさんみたいになって、ゴルクさんが2人になる。」


「い、嫌ー!それは嫌です!」


「うん、よ~っく分かります。だから止めといた方がいいかな?と、それにヨギリんの場合は筋力を上げると速さを殺し兼ねないんで、ちょっとお勧め出来ません。」


「そうっすね、ヨギリんの速さが落ちたら致命的っすね。」


「だよね~、ヨギリんは私と似た戦い方だからね。」


「ですよね、それならいっそ武器を2つ…。」


「武器を2つ?予備ってこと?」


「いえ、さっきみたいに武器を奪われた場合に予備をすぐにって出来ないじゃないですか。」


「そうだね。」


「それなら、拳用の武器もあれば、剣を奪われても直ぐに対応出来るかな?と思ったんです。」


「私の武器はこれだけど、これだと武器持ちにくいよ?」


とナンは自分の武器、籠手と一体型の武器を花音に見せる。


「それだとそうかもしれませんけど、私の指輪の大き目のやつなら大丈夫かな?とは思ってるんですけど、これはヨギリんに実際に使ってみてもらわないと判断できませんね。」


メリケンサック…女の子にはちょっとね、やっぱり指輪にした方がいいかな?


「カノン悪いんだが…。」


「あ、すいません。何ですか?」


「悪いが最初にヨギリに使うなって言った武器を見せてもらっても良いか?」


「別に良いですけど…何で私に聞いたんですか?」


「ヨギリに聞いても良い返事はもらえないだろうが、カノンたちの話を聞いてたら、カノンが了承すればヨギリも否とは言わない…だろ?」


「確かにお師さんが了承したら、某に否はありません。」


「分かりました。ヨギリん、グリズさんに秋桜を見せてあげて。」


「いや、その武器でその辺の木でも斬ってくれたらそれでいい。」


「そうですか?それならそれで、ヨギリんも初めて使うから気を付けてね。」


「了解ですお師さん。」


そう返答したヨギリは適当な木を秋桜で斬る。

秋桜は音もなく、何の抵抗もなく振り抜かれる。


「へ⁉」


斬った後にヨギリは秋桜を唖然とした顔で見つめる。


「凄いっすね…。」


「何が起こってるの?木が斬れてないみたいだけど。」


「いや…。」


グリズはヨギリが斬った木に近づきトンっと少し叩く。

グリズが叩いたことにより木は少しずつ傾いて倒れる。




そろそろ伏線っぽく出てきた人達のお話を入れようかと…



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