115、会話。何故か会話出来るようになってました⁉
「先ずは…名前はありますか?」
「はいです。」
「教えてもらっても良いですか?」
「………ラクネアです。」
「ラクネアさんですか?」
「アラクネのラクネアです。」
「姉暗!根暗ぁ………。」
「…………。」
「ツッコミ待ちだったんですけど…。」
「ツッコミです?」
「あぁ…ツッコミが分かりませんでしたか、それならしょうがないです。怖がられてるようなんで、場を和ませようと思っただけですから。」
「?それで…場が…和むです?」
「うっ…なって欲しいな~とは思ったんですけど…まあ良いです。ラクネアさんはルーニア大陸の出身ですか?」
「そうです、けど…ここはルーニア大陸…じゃ…ないです?」
「違いますよ、ここはファルファルム大陸です。」
(アルファルム大陸です。)
「ファ…ファルファルム大陸です?」
「すいません、間違えましたアルファルム大陸でした。」
「え?アルファルム大陸です?…え?冗…談です?」
「冗談ではなく、ここは本当にアルファルム大陸ですよ。」
「え?ルーニア大陸からアルファルム大陸に召喚………あなた何者です⁉」
「何者と言われても………ただの人族ですよ?」
「そんな訳ないです!ルーニア大陸からアルファルム大陸に召喚って魔王様でも無理です!」
「ぉ、おぅ、急に元気になりましたね…縛られたままですけど…。」
「Ohじゃないです!正直に話してくださいです!」
「何でそこだけ発音が良いんですか⁉何処の国の人ですか⁉…さっき魔王様って言ってましたけど、ルーニア大陸は確か…魔王はレイリーさんでしたっけ?」
「あんなのは魔王じゃないです!真の魔王様はエレンシア様です!」
「え?エレンシア?…。」
そうなの?
(いえ、正式な魔王はレイリー様です。)
それじゃあ、エレンシア様っていうのは…。
(67名の自称魔王の内の1人でしょうね。)
ですよね~、でもここまで力強く言うってことは…。
(そのエレンシア様というのの関係者なんでしょう。)
あ~それなら従魔は無理かな?
(そうかもしれませんね。)
「そうです、あの中途半端なレイリーなんか魔王じゃないです!エレンシア様こそ真の魔王様です!」
「あ~…そのエレンシアさんとラクネアはどのようなご関係ですか?」
「うちはエレンシア様の側近の1人です、情報取集関係と護衛を任されてるです。」
誇らしげに言うラクネアであるが…縛られて地面に転がされたままである。
「そうですか…それじゃあ従魔は無理ですね、残念です…。」
「従魔です?」
「はい、最初はヴァフトンスライムを召喚して従魔になってもらう予定だったんですけど。」
「え?ヴァフトンスライムです?なんでヴァフトンスライムを召喚しようとして、うちが召喚されるんです?」
「さぁ?」
「さぁ?って…うち以外に召喚したりしたです?」
「え?え~っと、ガルドラさんとサハどんですね。」
「いえ、名前を言われても、うちには分からないです。」
「でも2人とも従魔契約してくれましたけど、種族名は人族とかの周囲が勝手に付けたみたいなこと言ってましたから…。」
「それは…確かです、うちも自分がアラクネって言うのを知ったのはエレンシア様の所に来てからでしたからです…ま、まあ、うちは情報収集の仕事上その辺りでも分かりますです。」
「そうですか?それなら、ガルドラさんがダークネスウルフでサハどんはサハギンです。」
「ダークネスウルフとサハギンです?」
「カノちゃん、ガルドラさんとういのはダークネスウルフじゃニャいニャよ。」
「え?そうなんですか?ガルドラさんは何になるんですか?」
「あれはサナトスダークウルフになるニャ。」
「サナトスダークウルフ?」
「サナトスダークウルフ⁉そ、そそ、そんなのを従魔にしてるです⁉」
「シナ婆さんがそう言ってますから…呼びますか?」
「は、はいです、出来れば実際に見て確認したいです。」
「分かりました、ちょっと待ってくださいね。」
『ガルドラさん、ガルドラさん。』
『む?何かあったか?』
『ちょっと召喚したいんですけど良いですか?』
『分かった、ちょっと説明をするから…少ししてから召喚して欲しい。』
『少しですか?』
『うむ、10秒後で良いぞ。』
『分かりました、少しゆっくり目に10数えてから召喚します。』
『うむ。』
「ということで10数えてから召喚します。ひと~つ、ふた~つ…と~。ガルドラ召喚!」
ということで呼び出されたガルドラさん。
「それで主の要件は…なんだ?この転がってるのは。」
「アラクネのラクネアさんです。ラクネアさんがガルドラさんを見てみたいということで召喚しました。」
「今度はこ奴を召喚したのか?」
「はい。」
「それで何でこんな状態なのだ?」
「攻撃されたんで安全の為に。」
「そ、そうか…それでこのラクネアというのはさっきから動いておらんようだが?」
「え?あ、本当だ。お~い、もしも~し。」
「ほ、ほほほ…。」
「どうしたんですか?いきなり笑い出して。」
「ほほほ、本物ですー⁉」
「本物?よく分からんが失礼なことを言われた気がするぞ?」
「あれ?ガルドラさんはラクネアさんの言葉分かるんですか?」
「む?そういえば…何故だ?主殿の従魔になったからか?」
「可能性はありますね…ちょっと実験しても良いですか?」
「ふむ…構わん。」
「それなら…キンたんとナンのんちょっとガルドラさんと会話してもらっても良いですか?」
「急に何っすか?」
「ちょっとした確認です。」
「分かったっす。」
「了解~。」
「そうっすね…丁度いいっすから、さっきの手加減について聞いてみるっすかね?ガルドラさん久しぶりっすね。」
「お久~♪」
「うむ、あの時の忌み子達だな。」
「自分たちと戦ったとき手加減してたっすか?」
「あの時、あの時は…手加減というよりは、怒りで我を忘れて攻撃が単調になっておったな、ただ力だけでお主たちと戦っておった…それを手加減というならすまぬことをした。」
「それならしょうがないっすよ、自分も怒ったときは動きが単調になるっすからね。」
「会話出来てますね。」
「うむ、その様だな。」
「そうみたいっすね、会話してるっすね…ビックリっす!」
「か、カノンちゃん、私にもガルドラさんの言葉が分かるんだけど…何これ?」
「おそらくガルドラさんが私の従魔になったことで、私の能力の一部がガルドラさんにも使えてるんでしょうね。」
「カノンちゃんの所為か~。」
「それなら納得っすね。」
「会議の時は冗談のつもりだったんだけどね~、実際にこんなことになると…そうなっちゃうよね。」
「そうっすね、カノンちゃんの所為で解決っすね♪」
「ふむ、主殿が原因であったのか…。」
「釈然としませんけど…目的は達成しましたから戻しますね。」
「うむ、分かった。」
「ありがとうございました。それでは…送還!」
ということでガルドラさんはお帰りになりました。
「キンたんもナンのんもありがとうございました。」
「これくらいでお礼なんて必要ないよ。」
「ビックリすることばかりっすね、さすがカノンちゃんっす♪」
「だね~。」
と言いながら2人は戻って行く。
「サナトス、サナトスダークウルフだったです…。」
「え~っと…何でガルドラさんを召喚したんでしたっけ?」
「それはうちが見て確認したいとお願いしたからです。」
「そうでした、それで…どう…なるんです?」
「どうなると言うかです、1つ本当のことを聞きたいです。」
「本当のことですか?」
「はいです、その答えであなたの従魔になるかを決めるです。」
「従魔になってくれるのは嬉しいですけど…ラクネアさんって情報収集がお仕事ですよね?」
「その通りです。」
「その聞きたいことを聞いて、エレンシアさんというのに話されるのは困るんですけど…。」
「そこは…しょうがないです、エレンシア様には報告しないです。」
「大丈夫なんですか?」
「正直信じてもらえるとは思ってないです、でもサナトスダークウルフを従魔出来る人族なんて存在しないです。」
「はあ…。」
「それにうちの攻撃が全然通らなかったです、あなたを敵に回せばエレンシア様も道連れになるだけです、だから約束は守るです。」
「………分かりました、その聞きたいことって何ですか?」
「あなたは何者です?人族なのは聞いたです、クラスは何です?」
「クラスですか?」
「そうです、クラス、職業です。」
「あ~職業ですか…大きな声は出さないでくださいね。」
「わ、分かったです。」
「私の職業は魔王です。」
「やっぱり…ってま!ぉ、むぐー!」
ラクネアが大声を出しそうになった瞬間に花音はラクネアの口を塞ぐ。
「大きな声は出さないって言いましたよね?」
「むぐ、むぎゅ…。」
ラクネアはコクコクと頷くと花音はラクネアの口を塞いでる手を離す。
「魔王でしたです?」
「そうですよ?」
「人族を滅ぼしたりしないです?何でです?」
「え?何で滅ぼすです?って移っちゃった…。」
「人族は弱いです、そのくせ人数が多くなると調子に乗ってこちらを殺しに来るです。」
「あ~成程…それで人族を滅ぼさないレイリーさんは中途半端と…。」
「です、です。」
「え~っと………。」
ナビちゃん!
(別に大丈夫だと思いますが、なるべく濁してください。)
まだ何も言ってないよ⁉
(花音様のことですから、ルナリア様とその上司のことを話して良いのか尋ねられたのでしょ?)
はい、その通りです。
(ですから、なるべく管理者とその上司のことには触れずに濁してくださいと言ったんです。)
了解しました。
「レイリーさんの考えまでは分からないけど、人族を完全に滅ぼすことは出来ないの。」
「それは…何でです?あなた程の力があれば人族なんか瞬殺です?」
「瞬殺かどうかは兎も角、人族を滅ぼすことは禁止されてるんだよ、さすがにこれ以上は話せないけど。」
「そうなんです?でもレイリーは偶に世界征服の為に人族殺すですよ?」
「そこまでは私も分かんないけど、人族は滅ぼせないけど間び…なんかこれ言ったら私終わっちゃう気がする……滅ぼせないけど、自営の為ならある程度なら出来るの。」
「それでレイリーは中途半端です?」
「おそらくね…。」
「………分かったです、知りたくなかったです、けど…知ったです。あなたの従魔になるです。」
「え?本当に?」
「はいです。」
「エレンシアさんの方は良いの?」
「正直恩義はあるです。」
「それなら…。」
「あるですけど、その事実をしって今まで通りは無理です、それなら最悪出奔してでも抜けるです。」
「そこまで…話さない方が良かったかな?」
「それはないです、知らなければ、出来ないことに無駄に時間を浪費するだけです、うちは情報収集が仕事です、それでもここ数百年でそんな情報はなかったです。」
「え?数百年⁉」
「そうです、それでも調べられないということはです、かなり厳重に秘密にされてるのか…魔王というクラスにしか知りえない情報なのかです。」
「ラクネアさんの考えは分かりました、色々聞きたいですけど、年齢とか糸とか…でも先に従魔契約しちゃいましょう。」
「分かったです。」
やっぱり召喚編終了しなかったですね…何故?
ガルドラさんの再召喚なんて最初考えてなかったんですけどね。
次こそはスライムを…。




