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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
110/183

109、宴もたけなわ。たけなわって何でしょう?

「何で自動修復がないんですかね?私はあっさり付与出来ましたけど。」


「これは俺の考えなんだがな…。」


「何か理由が?」


「ああ、簡単に言うと商売にならないからだろうな。」


「商売ですか?」


「そうだ、この小太刀程の業物は滅多にないが、こんなのに修復まで付いてたらこの小太刀一振りで十分事足りるだろうから、予備、買い替え、手入れと鍛冶師にとっての仕事がなくなるだろう?」


「あっ!そういえばそうですね…。」


「だろ?だから修復系の能力は付与されてない、隠してるのか、それとも本当に付与出来ないのか…そこまでは俺にも分からんが…。」


「そう言われると納得です…今後気を付けます。」


「そこはそんなに気にしなくても良いと思うんだがな。」


「そういう訳にもいきません!これで生活してる人も居ますから、私の身勝手でその人達の生活の糧を奪う訳にもいきませんよ!」


「お、おぅ…でもな…武器が壊れないって言うのは…。」


「はい、その話は聞きました、聞きましたけど…この村だけで見たら問題ないかもしれませんが、この世界で見たら鍛冶師が、それで生活してる人が何人いることか…。」


「嬢ちゃんは考え過ぎかと思う程考えてるんだな…そうだな、特にドワーフにとっては死活問題になるかもしれんな…。」


「はい、だから壊れ難くするだけで、なるべく修復系は付与しない方向でいこうと思います。」


「…そうだな、壊れ難くなるだけでも生存率は格段に跳ね上がるな、俺もそれでいくとするか…ドワーフにでも知られれば、もしかしたら大問題に発展するかもしれないからな。」


「そうれでお願いします、それとニグルさんは専用装備にすることは出来ますか?」


「今のままならそこまでは無理だったが、嬢ちゃんから貰ったこいつが言った通りの能力なら可能だな。

しかし何で専用なんだ?」


「これは何人にか言いましたけど、盗まれたり、戦闘中に奪われて使われたりしたら脅威になるじゃないですか…。」


「成程…強過ぎる武器にはそれなりの安全対策をってところか…。」


「はい、私やニグルさんが作った武器で、却って危険になるのは避けたいですからね。」


「……分かった、必ず専用にすることにしよう。」


花音はニグルとの話を終わらせ次に向かう。




「お師さんはどうして見もしない人のことまで考えるんですか?」


大人しく花音とニグルの会話を聞いていたヨギリは疑問をぶつけて来る。


「ん~それは…今後のことも考えてるのと、余計な問題事は避けておきたいってとこかな?」


「余計な…ですか?」


「そうだよ、さっきのニグルさんも言ってたけど、ドワーフとかと仲良くなった時に自動修復が原因で仲が悪くなったりしたら嫌じゃない。」


「今までドワーフと…他の種族と仲良くなんてことなかったですから…そんなことあり得るんですか?」


「どうだろうね…そうなってくれれば良いと思ってるけど、こればかりはまだ確信できないからね…。」


ヨギリは自分と同い年で師匠でもある少女の、自分が今まで考えもしていなかった考えに驚きと尊敬、そしてこの師匠が見ている未来に想いを馳せながらボソっと呟く。


「お師さんの中では可能性はあるんですね…。」


「ん?何か言った?」


「いいえ、何も言ってませんよ♪」


「そぉ?…あ、タマにゃ~ん!」


「にゃ?何ですかにゃ?」


「ちょっと小太刀貸してもらえるかな?」


「小太刀ですかにゃ?はい、どうぞですにゃ。」


「ありがとう。」


花音はタマから蒲公英を受け取って創造錬金でタマにゃん専用に作り直す。


「はい♪ありがとう。」


「何をしたんですかにゃ?」


「この小太刀って能力が凄いでしょ?」


「そうですにゃ。」


「盗まれたりして、タマにゃん以外が使ったら危険じゃない、だからタマにゃん専用に作り直したの。」


「にゃー専用ですかにゃ…。」

そう言ってタマは蒲公英を抜く。


「にゃ⁉」

タマは驚いた感じで蒲公英を手放し地面に落とす。


「ど、どうしたの⁉」


「にゃ、にゃにか、何かビリッとしましたにゃ。」


「ビリッと?そんなの付与した憶えはないんだけど…。」


(…花音様。)


ん?何ナビちゃん。


(花音様は創造錬金に慣れて来て手抜き…雑になってます。)


え⁉雑ってそんなことしてないよ⁉


(これが現在の蒲公英の鑑定結果です。)



品名:蒲公英 タマにゃん専用



これの何処が雑なの?ちゃんとタマにゃん専用になってるよ?


(…タマにゃんは花音様がタマ様に付けた渾名です。ですからタマにゃん専用では効果が半端になってます、タマ様はタマにゃん様でもありますからビリッ程度で済みましたけど…。)


「くっ…そんな…こんなことになるなんて…。」

花音は自分の失敗に愕然とする。


「どうしましたにゃ⁉」


「あ、ごめん、ビリッってなった原因が私だったから、ちょっと落ち込んだだけ…。」


「これカノンちゃんが原因だったですかにゃ?」


「うん、タマにゃん専用にしたんだけど、タマにゃんだとダメだったみたい。」


「タマにゃんはダメですかにゃ…。」


タマがしょんぼりしたので花音は慌てて訂正する。


「違う、違うよ。タマにゃんが悪いってことじゃなくて、タマにゃんだと使用者の判別が完全じゃないってこと!」


「判別……ですかにゃ?」


「そうそう。タマにゃんは私が呼んでる渾名だから、ちゃんとタマ専用にしなきゃいけなかったみたい…ごめん。」


「そ、そういうことですかにゃ…良かったですにゃ~、折角つけてくれた渾名がダメなのかと思いましたにゃ。」


「ごめん、私の説明の仕方が悪かったね。」


「にゃーが早とちりしただけですにゃ、カノンちゃんは悪くないですにゃ。」


「ありがと、それじゃあ作り直すよ。」


花音は再度創造錬金で蒲公英をタマ専用に作り直す。


「これで大丈夫だと思うけど抜いてみて。」


「分かりましたにゃ。」

タマは恐る恐る蒲公英を鞘から抜いてみる。


「今度はビリッと来ませんでしたにゃ♪」


「良かった~、これで安心できるよ。」


「こちらこそありがとうございましたにゃ。」




しばらくタマと会話しながら宴を楽しんでいると


「ここに居たっすか。」


「キンたん、何か…何かぞろぞろ居るんですけど⁉」


キン、ナン、ゴルクの後を各種族の者達数人が付いて来ている。


「自分はカノンちゃんの家っすから、いつでも聞けるんっすけど、他の人達はそうはいかないっすからね。」


「何のことですか?」


「訓練の件だ、何時から始める予定か聞いちゃぁいるが、確認をな…。」


「ああ、ゴルクさんに言ったように7日後ですかね?」


「ほら、やっぱり7日後じゃない。」


「そうだな。」


「何か問題が?」


「いや、あるっちゃぁ有るし、ないちゃぁ無いんだがな…。」


「…何か煮え切りませんね。」


「ゴルクさんも言い難いことがあるんだね、あのねカノンちゃん…。」


「はぃ?」


「私達が思ってたよりも反応が凄いんだよ。」


「反応?」


「うん、思ったよりも皆、今日の負けとゴルクさん、カノンちゃんの言葉に思うところがあったみたいで、皆やる気満々なんだよね。」


「そうなんですか…それなら……4日後ぐらいに一度集まってみましょうか。」


「4日後か?」


「はい、明日はスライムにダンジョンですし、明後日はハルサメさんと約束ですから、それにハルサメさんから教えてもらった次の日は空けておきたいですから。」


「そうか…そうだな、娘っ子にも予定があるのは当たり前だな。」


「分かったよ、それで連絡しておくから…ゴルクさん、打診の受付けは2日後の午後からで良いんじゃないかな?」


「2日後の午後?それは何でだ?」


「明日は私達もダンジョンに潜るし、明後日の午前中はシグレさん達がハルサメさんと行動しなきゃいけないだろうから、2日後かなって…。」


「成程な、ヨギリも娘っ子にくっ付いて動くだろうからな…分かった、2日後の午後からの受付にすっかな。」


そう言ってゴルクは付いて来ている村人の方に向き直って


「おぅ、聞いたな!受付けは2日後の午後からだ、それまでに良く考えとけよ!」


ゴルクの言葉でぞろぞろと少し間をおいて付いて来た者達は解散していく。


それが切っ掛けになったのか村長が宴の終了を宣言する。


最初は元気がなかった者たちも宴の終了のときにはそれなりに元気になって後片付けを行っている。




「料理…残らなかったっすね。」


「だね~、ごめん、明日のダンジョン用の食料どうしようか…。」


「そうニャるだろうと思ったニャ、その分はギランに頼んで取り置きしてもらってるニャよ。」


「シナ婆さん⁉何で知ってるの?」


「宴中にタマから聞いたからニャ。」


「タマにゃんグッジョブっす♪」


「だね~助かったよ。」


「何か照れますにゃ、それと薬の類もシナお婆様が用意してくれますにゃ。」


「薬…っすか?」


「ここのダンジョンでは必要ないと思うがニャ、普通ダンジョンに潜るニャら傷薬に毒消し、麻痺に魔力・体力・スタミニャと色々薬も用意するものニャよ。」


「そうだったんっすか⁉」


「そうなんだ、全然知らなかったね。」


「そうでした、シナ婆さんは他のダンジョンに潜ってたんでした、シナ婆さんに聞いた方が早かったですね…。」


「だね~、私達はキンが居る時点で参考にならなかったね。」


「酷いっす!」


「カノちゃんはギランとギルが尻尾を持って探してたニャよ。」


「あっ!そ、そうでした…すっかり忘れてました…。」


「宴だしニャ、そう言うこともあるニャ。ギランもギルもそこまで怒ってニャいニャよ。」


「そうですか?そうだと良いんですけど…。」


「あ、カノンさんここに居ましたか。」


「ひゃい!」

噂をすればナントやら、ギランから声をかけられてビックとする花音。


「?…尻尾とシナロナに頼まれていた日持ちする食べ物を持ってきました。」


「あ、ありやとうごじゃぁみゃす。」


「みゃす?ここで受け渡しでいいですか?」


「はい、ここでいいです、収納してしまいますから。」


「分かりました。尻尾が2本と食料です。」


ギランから渡された尻尾と食料を収納に仕舞う。


「はい、ありがとうございました。」


「いえ、こちらもワイバーンを調理出来て楽しかったです、ありがとうございました。」


「おう、俺も久々の大物で楽しかった♪ありがとな嬢ちゃん。」


「私も美味しいものが食べれてありがとうございました。」


ギランとギルは美味しいという言葉に照れ笑いで去って行く。



次で1日が終了出来る。そして閑話を1話挟んで次の日へ…

閑話を投稿するかをちょっと悩んでますが、書いちゃったので投稿したいと思います。

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