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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
108/183

107、しょんぼり。私の所為ですか⁉

最後にゴルクが村長の横に並ぶ。


「おめぇたち情けねぇな……。」


ゴルクはいつもと違いゆっくりと言葉を選びながら話す。


「この後に宴があっから、今はそんなに多くは言わねぇがな…一番戦えてたのが参加者の中で一番若いヨギリっていうのはどういうこった…しかも最後まで戦闘してたのは村長直属の3人とキンとナンだぞ?若い奴らしか居ねぇじゃねぇか………。」


ゴルクの言葉に猿人族を始め猫人族、犬人族、狐人族の参加者すら顔を下に向けて俯いてしまう。


「ちと頭冷やす時間も居るだろうから、今日はここまでにしとくが…猿人族は鍛え直しだからな!」


最後は怒気を含んだ言葉を叩きつけてゴルクは少し下がる。


「それでは、勝者と言って良いのか分からんが…キンから何かあるかの?」


「自分っすか?正直カノンちゃんに勝ったと言っても傷1つ負わせられてないっすからね…ここはカノンちゃんに譲るっすよ。」


「とのことじゃが…カノン殿は何かあるかの?」


「そうですね、それじゃあ少しだけ…。」


そう言って花音は村長の横に並ぶ。


「模擬戦お疲れ様でした。っと言うほど皆さん疲れてはないと思いますが…先に謝っておきます、ごめんなさい。」


確実にここに居る誰よりも強者であると思われる花音が頭を下げたことで周囲が騒めく。


「今回の模擬戦は、私から見た感じどうも猿人族と他の人達との距離があるようだったので、私という敵がいれば協力し合えるのではないかと思って提案したんですけど…思ってたより最初で脱落した人が多過ぎました。」


その花音の言葉は模擬戦参加者からすれば屈辱であるが、事実でもあるのでどうしようもない気持ちで一杯になる。


「私が模擬戦続行の確認したのはゴルドフさんとヨスガさんだけです、それ以外の方は復帰されても何の問題もなかったんですけど…結局復帰したのはクルトさんだけという結果になりました。」


この花音の言葉にゴルドフとヨスガ以外の参加者は愕然とする。


「皆さんがどう思われたかは分かりませんが…言葉が悪くなりますけど、最初の威圧で皆さんは私に再度立ち向かうことすら考えられないほど負けたということです。」


「…………」×31


「魔物に囲まれてるこの村で、他からの援護もないこの村では…たぶんそれは死を意味します。」


「…………」×31


「そこのところを考えてみてください、でも!…皆さんはまだ生きています!それならこれから更に強くなることも出来るはずです!」


「…………」×31


「っとお腹が空きましたね…ここまでにして戻って宴にしましょう♪」


「カノちゃん、それで宴と言われても素直に喜べニャいニャよ…。」


「そうですか?でもお腹が空いてたら、考えも悪い方向に向かい易いですからお腹いっぱい食べて、良く寝て、起きたら今日のことを思い返して考えた方がきっと良いはずですよ♪」


「カノン殿の言うことにも一理あるのぅ…ふむ、宴という気分ではないじゃろうが、ワイバーンの肉じゃぞ?滅多にというか全然食べることが出来ん珍しい肉じゃぞ?わしは昨日食べたが美味しかったぞ。」


村長の言葉に落ち込んでいた者達のお腹が合唱する。


「ほれ♪言わんこっちゃない体の方が正直じゃのぅ、取り敢えず宴という雰囲気ではなくなってしもうたが、戻って飯にするぞ!」


返事はないが、ぞろぞろと参加者は重い足取りで宴の会場へと戻って行く。




それを見送るように村長と各種族代表、花音とナン、キン、ヨギリが残っている。


スダレも残りたそうにしていたが、シグレがトウガに食事をと頼まれたので仕方なくトウガを連れて宴の方に戻って行った。


キルト、クルト、カルトの3人は会場の警備ということで先に戻ってもらっている。


カルトがごねていたが花音のお願いによって2つ返事で了承して戻って行った。




「すいません、折角の宴だったのに…。」


「カノちゃんは悪くニャいニャよ、悪いのはわーニャ、あれだけぼろ負けだったのに宴という言葉で喜んだ奴らを見たらカチンときて、ついキツイことを言ってしまったニャ。」


「そいつは仕方ねぇぞ…シナロナが先に言ってなかったら、俺が言ってたからな…そしたら更に酷い状況になってたと思うぞ?」


「そうどすなぁ、さすがにあれにはうちもいちゃもんの1つやて言うてやろうかと思ったぐらいおすからね。」


「それでも止めはカノンちゃんっすけどね♪」


「やっぱり私ですか…。」


「それは仕方がないよ、あそこで言ってなかったら意味ないもんね。」


「わしもナンと同じ考えじゃのぅ…カノン殿のあの言葉はあの時に言っておかんと意味が薄れるからのぅ。」


「そうっすけど……お腹が空いたっす、早く戻て飯にするっすよ♪」


「そうじゃの、皆どうにか戻ったようだしのぅ………わしらも戻るとするかの。」




一方宴会場に戻る途中の猿人族の2人。


「お前ははなんか嬉しそうだな。」


「そう言うあんたはなんか落ち込んでるみたいね。」


このゴルドフとヨスガの2人は年齢が近く幼い頃はよく行動を共にすることもあったが、年が経つにつれて仲良しの幼馴染から年の近い競争相手と変化していった2人である。


「そりゃぁ…な、ゴルク様が手合わせで負けたのは聞いてはいたが、ゴルク様も年齢が年齢だからな…今やれば俺の方が勝つ…と思ってたんだが…。」


「…………あの娘は規格外過ぎたね、あれだけの人数が一瞬で戦意喪失したんだから、まあ…あたし達2人もそれに近かったんだけどね…。」


「そうだな…あの娘のことは仕方がないにしても、あのヨギリがあそこまで戦えるようになってたことが悔しいってのもあるんだが………。」


「ヨギリよりも直属の猫人の方かい?」


「そうだ!俺は…俺は…逃げるだけの猫人族より強い…いや、直属に相応しいとっ!…。」


「そうだね、あたしもそう思ってった頃があったけど…今日の戦闘を見たらね~。」


「ぁあ…あれは戦っても勝てるかどうか…ってか何だ?あのいきなり人数が増えたやつは!」


「あれね、あれにはあたしも驚いたね。あたしだけじゃなく他の奴らも同じだろうけどさ…。」


「そうだろうな…今まで猫人族のことを逃げるだけしか出来ないって悪く言ってた奴らも今日の戦闘は堪えただろうな。」


「そもそも、シナロナさんが居る時点で猫人族が弱い訳ないんだけどね~。」


「うっ…それはそうだが…それはあの人が特殊過ぎるだけだろ。」


「そうとも言えるかね…。」


「それで?」


「それでって何が?」


「お前が嬉しそうな理由だよ!」


「ああ…あの娘からあんたより強いですね。って言われたのと…。」


「何!」


「まあ、会話できる分とも言われたんだけどね。」


「あの状態で会話できたのか⁉」


「なんとかね…さすがに笑顔で目の前に現れて名前を聞かれたときは殺されるかもと、体が勝手に震え出したんだけどね~。」


「あの後に笑顔で言われたのか…恐いな。俺は背後からだったが…。」


「背後からね……顔が見えない分、そっちの方が恐怖が増すかもしれないね…。」


「いや、笑顔で近づかれる方が俺は恐いと思うぞ?」


「まぁ、それはどっちもどっちだろうけどさ…この村しか知らないあたしにとっては、あんなに強い娘が居るのかと思うと嬉しくってね。」


「そこが嬉しいのか?」


「勿論♪この村ではあたしより強い女なんてなかなか居ないじゃないか、キンとナンが同じぐらい…今日の戦闘を見ると少し上かね?」


「お前より強いって、ハルサメさんにシナロナさんが居るじゃないか。」


「あの2人は魔法寄りだからね…魔法を抜きにしたらって話だよ。そこにヨギリも加わって来るだろうから、先が楽しみでね。」


「それで嬉しそうなのか?」


「それもあるよ、でもね…あれだけの娘がこの村にいるんだよ、良い目標が出来たことの方が嬉しいんだよ♪」


「お前凄いな⁉あの娘を目標に出来るのか、俺は……俺だけじゃないだろうと思うが他の連中は、力の差があり過ぎて目標どころか諦めに近いと思うぞ?」


「あ~男どもはそんな感じの奴が多かったね、でもキンやナン、ヨギリを始め女連中はそうでもなかったと思う…それに実際、キルトなんかは今日の戦闘の降参、諦めは早かったけど、目はまだ諦めたって感じじゃなかったしね…。」


「はぁ~よく見てるな…明日はゴルク様にこっぴどく怒られるんだろうな…。」


「そこは諦めなよ、猿人族は猫人族のことを散々扱き下ろしてたんだからね。」


「そうなんだよなぁ~………よし!今日は食うぞ!!」




一方トウガとスダレ


「みんなしょんぼりでしゅね。」


「トウガはカノンの強さを実際に目にしておるからそこまではないのじゃろうがな、タマぐらいの子供に戦う前に心を折られたんじゃから、しょんぼりしても仕方がないのじゃ。」


「心でしゅか?」


「そうなのじゃ、例えば…トウガがドラゴンと対峙したようなものなのじゃ。」


「ドラゴンは見たことがないでしゅから、想像できないでしゅね。」


「そうか、私もドラゴンは見たことがないのじゃ、それなら…師匠と…。」


「師匠と戦うことになれば、戦う前に降参するでしゅよ?」


「そうじゃな…良い例えが思い付かんのじゃー!」




終わらない…次こそは!

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