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私、魔王になりました(;´・ω・)  作者: 華丸chan
第三章
107/183

106、模擬戦終了。勝者は…。

「決まりましたか?」


「はい、最初は私達直属がお相手します。」


「分かりました、まだ威圧で動けない人も居るみたいですから、さっきみたいな飛び道具を使う時は気を付けてくださいね。」


「分かりました。」

3人は頷きキルトが代表して返答する。


「それじゃあ始ましょうか…。」


「「行きます!」」


キルトとクルトが気配を分ける…


「おぉぉ~猫人族は忍者だったんですか、分身の術ですね♪分かります。」


「分身の術…ですか?これは分けた気配にそれぞれ幻術をかけて本物に見せかけてるだけですよ。」


「クルト!種明かししてどうする。」


「おっと、キルトに怒られてしまいました…。」


「それでは行きます。」

幻術のキルト5人と同じく幻術のクルト5人が一斉に花音の方向に襲い掛かる。




これ対応面倒だね…幻術なら攻撃されても痛くはないんだろうけど…ナビちゃんサポートお願い。


(サポート…ですか?)


あ~援護お願い。


(了解しました。猫人族のこれは幻術ですから攻撃されても素通りします、注意するのは本体のキルト様とクルト様、あとはヨギリ様ですね。)


そうだと思ってたけど、出来れば少し3人の見せ場も作ってあげたいからね♪


(分かりました、それなら花音様はマップを見ないで普通に対処してください、私は有効打があれば注意します。)


うん、それでお願いね♪


花音はナビちゃんの言う通りにマップを見ないで、次々と襲い掛かって来る幻を避けて行く。


(花音様、左右斜め上からナイフです、右からもナイフが来ます。)


「了解…っと。」


(花音様!ヨギリ様が右上空から突っ込んできます!)


「了!」


(次にクルト様も左上空から!後方からキルト様も!)


「ちょ、ちょっと手数が多いと大変だ~。」


花音は正面の幻を突っ切る形で前方に突っ込み回避する。




しばらく回避に専念していた花音もそろそろ回避するのが面倒になって来る。




ナビちゃんどうかな?見せ場作れたかな?


(そうですね…もう少しと言ったところでしょうか、ヨギリ様を倒してから、しばらくキルト様とクルト様と戦闘して倒す形で良いと思います。)


「了解ですよ…っと、ヨギリんは…っと。」


(現在左側面ですね。)


「了。」


ナビちゃんのナビゲートにより左に居るヨギリに肉薄する。


「⁉お師さん!」


「はい♪ちゃららちゃ~んちゃん♪スタン軟剣♪」


花音は収納からエアーソフト剣のような持ち手以外を布だけで作られた物を取り出す。


「な、何ですかそれ⁉」


「これは、布で作った剣で、触れると痺れます。」


「な⁉」


「痺れたくなかったら、頑張って避けてくださいね♪」


と言われても花音の剣速をヨギリが避けられる訳もなく…


「お、ぉぉぉおぢざざざんんん…。」


との言葉を最後にヨギリはバタリとその場に倒れる。


「よし!特に問題なさそうで良かった♪」


「弟子で実験と言うのもどうかと思いますっよっと。」


クルトの斬撃を花音はヒョイっと避ける。


「キルトさんが倒れた電撃の半分を更に半分に弱めたぐらいの強さですから、大丈夫ですよっと…。」


因みに脱衣所の扉の電撃は花音の部屋の扉の半分の威力であったがゴルクがしばらく気を失ったので、当初同じ威力のだったスタン軟剣の電撃の威力を更に半部まで抑えて作り直した物である。


「あと2人ですね…。」


「そうですね…っと、さすがに幻術をかける魔力がもうないですから、っと、ここからは…。」


(花音様!左後方からキルト様が来ます。)


「え?左後方って…向かって左なの⁉」


(そうです。)


「向かってって、どっちに向かって!」


ナビちゃんの指示は花音を中心に出されていたが、クルトの攻撃を避けながら言われたことで花音の思考は混乱してしまう。


「分かんないから上に避難!」


それを予測してたのかキルトは上空にナイフを投げる。


(花音様、下から…いえ、何でもないです。)


どうしたの?


(下からキルト様がナイフを投げましたが、射程外まで花音様が飛ばれましたので、注意する必要がなくなりました…。)


そっか…。




花音は上空から模擬戦参加者を眺める…


うんうん、みんな見入ってたみたいだね、そろそろ終わらせてもいいかな?


(そうですね、そろそろ大丈夫かと思います。)


それじゃあ、スタンしてもらいましょうか♪…でも着地辺りが危険かな?


(そうなりますね。)


ん~空中で移動するには…


1、足場を魔法で作る。

2、漫画で読んだ空を蹴る方法を試す。

3、風魔法や重力魔法を使う。


1と3は魔法だからちょっと止めとこうかな、それなら2を…


花音は空中で懸命に空を蹴ってみるが、言葉通りに空を蹴るだけで変化はない…。


これダメだ、さすがに漫画みたいにはいかないか…仕方がない。


花音は収納から黒板もどきを作ったときの余りの板を取り出し足場にする。

花音が板を足場に蹴った瞬間に板は粉砕されたが、予定通りに地上に向けて加速される。


「ちょ、あんなのありですかー!!」


「クルト来るぞ!」


ドンという音と土煙が起こりその土煙から花音がクルトに向かって飛び出してくる。


「わ、わわ…ガガガガ。」


反応が遅れたクルトはあっさりと花音のスタン軟剣の餌食となる。


「あとはキルトさんだけですね。」


「……降参です。」


「え?えぇぇぇー!!」


「カノン殿の斬撃を避けるのは無理です、それに避けられたとしても、避けた後に斬撃が飛んで来たら体が2つに離れてしまします。」


「あ~可能性はありますね…(あとで調整しよう)…分かりました。それじゃあ、終了ということでクルトさんをお願いしますね、私はヨギリんをシグレさんの救護班の所まで運びますから。」


「了解しました。」


花音はヨギリを担いで、キルトはクルトをお姫様抱っこ…。


「…私もそれにした方がいいですかね?」


「それ、とは?」


「そのお姫様抱っこですよ。」


「お姫様抱っこ?…ただ運んでるだけですからどちらでも良いのではないですか?」


「ああ…お姫様抱っこってこっちにはないんですかね?」


(ありますよ。)


あるんだ…それなら何で…。


(この村は忌避感によって悪く言えば閉鎖的ですからね、外の情報はシナロナ様やゴルク様、ギルルド様のような、旅から戻って来た人からの情報しかありませんから。)


成程。




花音はヨギリをスダレに任せる。


「すいませんが、ヨギリんのことお願いしますね、スダレたん。」


「す、スダレたん……。」


「どうかしましたか?」


「いや、何でもないのじゃ、ヨギリのことは任せるのじゃ。」


花音はヨギリをスダレに任せて戻って行く。


「嬉しい時は素直に喜んだらよろしいんに…難儀な子やな。」


「べ、別に嬉しい訳ではないのじゃ!」




「お待たせしました。」


「別に待ってないっすよ。」


「そうだよ、みんな見入ってたから上手く行ったんじゃないかな?」


「そうだと良いんですけどね…それでは始めましょうか♪」


「炎は使うなって言われたっすから、それ以外で本気で行くっすよ。」


「分かりました。」


「行くっす!」


「了解だよ♪」

花音の前に並んで立っていたキンとナンは左右に花音を挟むように瞬時に移動する。


左右に分かれてナンが直ぐに距離を詰めて攻撃して来る。


花音が反撃をと思った辺りでナンは後ろに下がり、今度はキンがすかさず距離を詰めて来る。


「あれ?二刀流なんですか⁉」


「炎が使えないっすからね、っと。」


「そうですか…っと。」


「さっきの戦いを見て、手数が多い方が勝ち目があると思ったんっすよっと。」


「確かに…手数が多いと面倒ですから…ねっと。」


そこへナンも再度距離を詰めて来る。


やっぱり手数が多いのは不利ですね、それなら……。


と考えた瞬間、キンは後ろへと飛び退く。


くっ…やっぱりキンたんはやり難いですね、でも…。


キンが飛び退いたことでナンも下がろうとしたが、反応が少し遅れる。


花音は瞬時にスタン軟剣を収納から取り出しナンを斬る。


「不味…づずづづ…そでげっごうぎぐ…。」


「気は失わないんですね…ヨギリんたちは気を失ったのに、凄いです。」


「あ、あじがど…でぼ、じびれじぇる……。」


「あとはキンたんだけなんですけど…抜刀ですか?」


「そうっすよ、ナンがやられちゃったっすからね、渾身の一撃に賭けるっす…それに自分は有効打を一撃でも入れれば勝ちっすからね。」


「そうだった、そういうことにしたんでした…。」

抜刀術なら剣の間合いに入らなければ良いんだから…


と花音は考えていたが、キンがジリジリと3歩分ほど距離を詰めたところでキンが抜刀をする。


距離的にはまだ離れていたので花音もそこまで警戒はしていなかったのだが…


(花音様!)


「え?何?」


ナビちゃんの警告の意味が分からないまま、キンの抜刀の後に衝撃が花音を襲う。

花音は2歩ほどよろよろと後退して唖然とした顔をして、自分の足元を見る。


「あっ……そっか、自分も出来るんだから、他の人も出来るって考えてないとダメだったんだ…。」


「自分の勝ちでいいっすか?」

キンはまだ警戒しながら花音に問いかける。


「はい、有効打でしたから私の負けです。」


「…………やったーっす!カノンちゃんに勝ったっす♪」


「はぁ~負けちゃいましたか。今のは私の慢心が敗因ですね、人のことは言えません……。」




「ふむ…全然勝った気がせんのだがのぅ、カノン殿が負けを認めて、キンがあれだけ喜んでおるから模擬戦は終了かの?」


「そうだな、あの技は1回こっきりの技だな、娘っ子が知らなかったことと有効打を入れればという条件付きになるが…勝ちは勝ちだな。」


「カンダチ、一応他の者にも確認してから終了する方がいいニャよ。」


「そうじゃのぅ…。」




村長は中央に進み出て模擬戦参加者に問いかける。


「これで模擬戦の終了としたいのじゃが、まだカノン殿に挑む者は居るか!」


村長はしばらく待ったが、誰からも返答や行動がなかったので


「…それではこれにて模擬戦の終了をここに告げる、皆腹が減ったじゃろ、戻って宴にしよう。」


今まで静かだった模擬戦参加者は村長の宴の一言で元気を取り戻す。


それを見たシナ婆さんは村長の横に並ぶ。


「お前たち!カノちゃん1人に一瞬で負けたんだニャ!情けニャい…猫人族の参加者はお説教ニャ!!」


シナ婆さんの言葉で参加した猫人族のテンションが一気に下がって耳と尻尾がへんにょりして静かになる。


「ついでにギランが居たら同じことを言うと思うからニャ、言っとくがニャ、犬人族も猫人族同様ニャ!」


シナ婆さんの言葉で参加していた犬人族のテンションも一気に下がって耳がぺったんとなって静かになる。


その次にシグレが

「まあ、狐人はしゃあないどすなぁ、ほんでもトウガが…お子たちが情けなく思ってることを忘れへんように!」


「そんなこと言ってないでしゅよ?」


「その方が狐人には効果があるのじゃ、トウガは聞かれても黙っておればよいのじゃ♪」


「そんなものでしゅか?」


「そんなもんなのじゃ。」


シグレの言葉で狐人族の耳と尻尾がしゅんとなって静かになる。


そして最後にゴルクが発言する。



次で…次こそは…。

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