転生自体は無事に完了致しました。
『いってらーっしゃーい!!』
その言葉とともにとても眩しい光が私を覆う。
眩しさに目を瞑り、次に目を開けた時にはもうそこは知らない場所だった。
「奥様!無事産まれましたよ!さあさあお抱き下さい!」
「ありがとう、ばあや……まあ、可愛らしい」
奥様、あなたの方が可愛らしいです。天使ですか?
髪とか白?いや、なんか輝いてるからプラチナだな。プラチナでフワフワ。瞳の色なんかほんのりピンクっぽくて、さらに肌は色白で人形みたいだ。
色白の美女……って言うか美少女。私の父はロリコンか?変態さんか?ロリはNOタッチだぞ?
「私の顔をじぃっと見てるわ!あぁ、なんて可愛いのかしら!」
「あぅあい!あぅー(貴方の方が可愛らしいわ!)」
「奥様、私は旦那様を呼んで参りますね」
ばあやさんの言葉に母様は私の頬をつんつんしながら聞いているのかいないのか、微妙な返事をした。
赤ん坊の頬が気持ちいのは知ってるけども……、ちょっと、あ、やめ……、もういいや。
少しすると先程のばあやさんとなにやらキリッとしたイケメンな男性が来た。
「ローザ!無事産まれたのか!」
「ええ、あなた」
そう言いながら母様は私の事をイケメンに渡す。ふむふむ、母様の名前はローザと言うのか、名前も可愛いな!
「目元とか、あなたにそっくりね……」
「髪色はお前そっくりの綺麗なプラチナだ……」
あ、ちなみに父様の髪は紺色?藍色?とりあえず濃い青で、長身のイケメン。瞳の色はゴールドだ。思ったより若いみたいだし、ロリコンには見えない。スラッとしてるから軍服とか似合いそう。
「お二人共、名前はどうなさるのですか?」
「ああ、それなら俺が決めてある」
命名は父様らしい。
「初代からとってルークスにすることにした」
「ルークス=レインティア……いい名前ですね」
家名があるってことは貴族なのか……?私、貴族なんて無理だよ?初代とか代々続いてるやつなの?1代だけじゃなく?まじ?
いや、まて。それより名前!明らかに男!!
「ルーク、元気に育つのよ……」
「あぅー!あうあ!(ちょっと!?性別!!)」
「ハッハッハ!いい返事だな!」
「ええ、将来有望ね!」
違う!違うから!そこで親バカ発揮しないで?!変な期待しないで?!
─────────────その頃。
「あ、あの娘に性別のこと言うの忘れてた……。ま、いっか。きっと何とかするでしょう!!」
雑な女神様はのんびりとお茶をしていた。