在り来りと、雑な女神様
目が覚めたら知らない空間でした……いやいやいや、最近じゃあ在り来り過ぎじゃ〜い!!!
あれだろう!?神とかが出てきて
「あなたは死にました。でも大丈夫!異世界に転生出来ますから!」
的なことを言うんだろう!?
「あの〜う、大丈夫ですか?」
ほらきた!!例のあれが来た!!さあ来るぞ!あのセリフが!
「今の話、聞いてましたか?」
「へ?なにが?」
「あなたは死んだんですけど、異世界に転生できますよ〜って話です。」
あ、あれはこの女神の実際のセリフだったのね。
「あ、すみません大丈夫です。考え事してました。」
「いきなりのはずなのに……驚かれないんですね。」
そりゃあもう……、有名な、お約束的な流れだからね!
「まあ、それは置いておいて……」
「置いとくんですね。」
この女神、恐らくだがノリがいいお人だ。
「転生ってどんな所にですか?」
「異世界です!」
うん、それは知ってるかなぁ〜。さっき言ってたみたいだからね!
「いや、だからその異世界がどんな所かを……」
「なるほどそちらでしたか。」
「そちらしかないから!!」
ナイスツッコミって親指立ててウインクしても可愛いだけで説明にはならないからな!!
「えっとですね〜、長くなりますけどいいですか?」
「簡単に説明していただければ……」
「ファンタジーな世界」
…………。だけ?!
「いや、ちょっと簡単すぎますよ。もうちょっとないんです?」
「簡単にって言ったのにぃ〜!ぷんぷんっ!」
自分の口で「ぷんぷんっ」って言う人初めて見たー。わぁー凄ーい。イライラがすごーい。
「あ、ごめんなさい。ちゃんと致します……。」
……────────。
ノリの良すぎる女神様が言うには、私が行く異世界はまさにファンタジーでゲームの世界のようらしい。
まず魔法がある。これは適性云々もあるらしいがそこは省く。
次にモンスターが居る。こいつらは倒さなければこちらが食われるため、討伐対象らしい。
ちなみに時代は中世ヨーロッパくらいだか、魔法があるので私の知ってるのとは少し違うかもしれないらしい。
「まあ、細かいことは生まれてから学ぶでしょう!」
「適当だなぁ〜、不安だなぁ〜……」
「さあ!張り切って転生しましょう!!おー!」
「おー……の前に!何か無いんですか?加護とか」
危うく何もなしで知らないところへ飛ばされるところだった。
「え、欲しいんですか?加護」
「いただけるなら是非。」
「じゃあ付けときますね?」
かっる!!!!加護かっる!!!!!?そんなホイホイあげていいものだったの?!
「もういいですか?まあ、何かあったら呼んでくれればどうにかしますよ!」
「はぁ……、なら大丈夫です。」
女神様よ……そんな軽いあれでいいのか、この異世界大丈夫なのか?
「あ、ちなみに私の名前はアリアです。在り来りなので最近改名届けを出したところです」
「女神って改名できたんだね?!」
「改名できたらお教えしますねえ〜!では、異世界へいってらーっしゃーい!!」
そんなテーマパークのアトラクション送り出すお姉さんみたいなノリで人を異世界に転生させるなぁぁあ!!!!