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風の王者  作者: コウモリ
プロローグ
6/9

死の特訓の始まり

 嵐食堂に風人、裕子、フェニックス、パックンチ、ジームが集合。いや、裕子は元からいたが。


「何の用だンチ? 自称最強」

「自称ではない、虫。俺の最強ぶりは宇宙が認めている。そんな事より、今日お前らをここに呼んだのは……だ」

「呼んだのは?」


 フェニックスが首を傾げる。風人は、一気に言いきった。


「フェニックスが弱すぎる、という話をするためだ」


 フェニックスが「図星!」というような顔をする。あまりに図星なのでズボシッ! という効果音が聞こえてきそうな程である。

 パックンチは、ただただ目を丸くした。


「ふぇ……フェニックスが弱すぎる……?」

「あぁ、これは予想以上の大問題だ。俺に勝てないのは仕方がないとして、まずは現場に来るのが遅い」


 フェニックスの頭にズボシッと矢が突き刺さる。


「まぁこれはフェニックスだけの問題ではないだろう。お前らが抱えているあの機械、あれは反応が遅すぎる。作り替えろ」

「あ、あれは最高の技術を使ったスーパーコンピュータ以上の機械ですよ!?」


 一瞬、風人が固まった。ここに来て謎の存在に気付いたのだ。今までフェニックスやパックンチと一緒にいたのに、なんか空気みたいだった奴。


「……誰だっけお前」

「あ、私はジームと申します。どうぞ宜しく」

「……おう」


 風人の咳払い。


「では、機械の件は置いておこう」

「それ以外に何かあるのか?」

「当たり前だ。これはモグラ男戦の後に風が教えてくれたことだが……お前、リキッダー倒すとき急所を狙っただろう?」

「あぁ、コアだろ? でもそこを狙うしか……」

「お前、良くそんなので地球最強を名乗れていたな。良いか、リキッダーの倒し方は一度体を消滅させ、それが復活する前にコアを消すのが普通だ。おかげでこの前、リキッダー・コアレスと戦うハメになったぞ」


 リキッダー・コアレスとは、コアの無いリキッダーである。コアを失った肉体は水に返るが、その水はコアが無くても一度だけ再生するのだ。

 モグラ男と戦ってからウサギ女と戦うまでの間、風人はこのリキッダー・コアレスと戦ったのだ。まぁ、イチコロだったが。


「でも、フェニックスはリキッダーと戦うのは初めてだったンチ! 対処法なんて……」

「俺だって奴を見たのは初めてだった。だが対処法はすぐ見抜けた。フェニックスにはな、何もかもが足りないんだよ。攻撃力、防御、スピード、判断力、ものを正確に見る眼、その他もろもろ。と言うわけでだ」


 頭に図星の矢が何十本も刺さったフェニックスの首根っこを掴む。


「俺が直々に特訓してやる」


 パックンチとジームはおろか、当のフェニックスすらもポカンとする。そして風人に質問しようとした瞬間、風人はフェニックスごとその場から消えた。






「おー……寒い。風人、ここどこだよ……ん? 風人?」


 北極。フェニックスは一人ポツンと、氷の上に立っていた。


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