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有能なはずの私ですが、無能のせいで無能です

作者: 夜乃 凛
掲載日:2026/09/30

「エルリ・シュバイド!!お前とは今日で婚約解消だ!!」


 そう叫んだのは、貴族侯爵のバイド・シグナス。

 エルリと呼ばれた女性は、は?といった表情でそれを見つめている。


「あ、あのバイド様。婚約解消といっても、これはお国の定めたことなのですよ?」


「黙れ!!貴様、街で窃盗を行っただろう!!」


 怒るバイド。エルリには怒られている理由がわからない。だってしてないから。

 馬鹿なんじゃないか?


「窃盗など行っておりません。誰の証言で?」


「あの麗しきローリィ姫だ!!儚くも可憐、文武両道の美女だ!!ローリィ姫がお前を窃盗犯だと告発している!!」


 馬鹿じゃねぇの?そう言いかけた。


「た、確かにローリィ姫は美人ですわね。でも、それは私への嫉妬……」


「黙れ!!ローリィ姫を侮辱したな!!今すぐ出ていけ!!侯爵の権限だ!!」


 傲慢。不遜。


「……わかりました。では、永遠にさようなら。バイド様」


 そう言って、エルリはバイドに背を向けた。馬鹿じゃねぇの。そんなことだから女に騙されるんだよ。そもそもお前そんなにイケメンじゃないだろ。侯爵家の力借りてるだけだろ。これでイケメンと付き合えるワーイ。


 その後。エルリの住むエスニア国で事件が報道された。事件の詳細は、国の姫ローリィが、虚偽の告発を連打し、気に入らない人物を始末していたというものだった。当然捕まった。逮捕者の中には、ローリィを取り囲む取り巻き達の姿があった。その中には、バイドの顔もあった。


「紅茶が美味い」


 エルリは笑顔で紅茶を啜った。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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