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第9話 帰宅、そして・・・・・・


 パーティー会場から家に帰るべく馬車に揺られていると、父上が声をかけてきた。


「リオン、パーティーは楽しめたか?」


「はい、父上。初めての友人もできて、とても楽しかったです」


 そう答えると、父上はさらに踏み込んできた。


「ほう?それは良かったな。誰か教えてくれはしないか?」


 む?相手を知りたいのか。それなら構わないので素直に答えた。


「ミュレイです。彼女からは、特別にミューと呼ぶことを許してもらってます」


 そう言うと、父上は驚いた顔をして質問攻めにしてきた。


「ミュレイ!?あの、ミュレイ・ユバルか!?彼女は冷淡で大人でも相手にしないと聞くぞ。一体どうやって仲良くなったんだ?」


 確かに、初めはあいつかなり冷たかったな。


「彼女が1人寂しそうにしていたので、見逃せなかったのです。彼女の放った魔法が凄かったので魔法について聞いてみると、とても嬉しそうに話してくれました」


 正直そのままに話すと、父上は何か納得したような顔をした。


「なるほど、魔法か。確かに彼女の魔法の腕は目を見張るものがあったな。魔力操作も精密で既に王立学院を卒業した者と比べても遜色ないほどだった。いくら才能があったとしても、この年齢であの領域に至るにはかなりの努力を要するだろう。彼女は興味を引くものでないと目すらくれないと聞くから、それだけ魔法に対して気に入っていたんだろうな」


 彼女が俺の話に反応してくれた理由もわかって、その後は特に父上と話す話題もなかったので、家に帰り着くまでミューの話を聞いている時に湧いてきた考えを纏めていた。



◆◇◆◇◆◇


 家に着くなり、俺は訓練棟に駆け込んだ。


 この訓練棟は、パーティーのため、魔法を練習することになった時、魔法の練習場として使うことを許可された場所だ。

 父上から、魔法を練習したい時はいつでも使って良いと言われたので、いつでも使えるから最高だな。


 そのおかげで、それまでは部屋でしていた魔法の実験をこっちの訓練棟で出来るようになり、部屋では物を壊しそうでできなかった事が、こっちでは気を払わずに自由にできるので、最近は食事の時以外、一日中入り浸っているのだ。


 ミューとの会話は俺に大量の閃きと気づきを与えてくれた。

 そのお陰で、これまでやり方がわからずに詰まっていた問題が解決したり、新しい魔法の案が湧いてきた。


 今日のパーティーは立食形式で、そこで食事は済ませているので満足するまで実験ができる。


「先ずは忘れないように案とかを全部メモしないとな。そうしたら魔法陣を描かないと。ええと、ミューの話によればここはこういう意味だから・・・・・・」






 考えを全て羅列し、検証と修正を繰り返していると、気づけば朝になっていた。


 屋敷には所々灯りがちらつくのが見え、使用人たちがバタバタと忙しく動き回っているのが見える。

 パーティーから帰ってきたのは夜遅かったが、かなりの時間を費やしていなたのだなとか思いながら、魔力が丁度切れたので自分の部屋に戻り始めた。


「おや、おはようございますリオン坊っちゃま。お早いお目覚めですね。今日も訓練棟で練習したまま寝ていたのですかな?訓練棟ではあまりぐっすり寝られないでしょうから、私達としてはお部屋でお休みいただけたらと思うのですが、しっかり寝られましたか?」


 廊下を歩いていると使用人に会った。

声をかけてもらったが、少し誤解されてるな。でも、わざわざ訂正するほどでもないし、余計な心配されるのは面倒臭いから適当に流してそのままにしておこう。

 

「いや。だから、今から部屋で寝ようと思ってるんだよね」


 「それでしたら、旦那様には朝食はご一緒出来ないとご報告して、料理長にはリオン様の分だけ後から作るよう頼みましょう。それでいかがでしようか」


 めっちゃ有難いな。お言葉に甘えようか。


「うん。ありがと、それでお願い」


 俺がそう頼むと、彼女は礼をしてその場を去っていった。

 かなり忙しいはずなのに、俺に合わせてくれて助かるな。たしか、彼女の名前はイザベラだっけ。父上にお願いして彼女には特別に休みを頼んでみよう。


 取り敢えず、今は部屋に戻って寝よう。


 眠気に抗いながらもなんとか部屋にたどり着いた俺は、ベッドを見つけるなりすごに飛び込んで眠りに着いた。





「リオン様、失礼します。家庭教師がもうすぐ始まるので起き上がってください」

 

 しばらく寝ると、家庭教師の時間になった様で使用人に起こされた。

 正直言うと少し寝足りなかったが、大丈夫だろう。


 準備をした後ドールの所へ向かい、授業が始まった。


「おはようございます、リオン様。昨日のパーティーはいかがでしたか?」


「うん、楽しかったよ。友達もできて、かなり順調なんじゃないかな」


 授業が始まってすぐに、ドールは昨日の事について聞いてきた。


 昨日起こった事と感じた事を話していると、ドールは興味深そうな顔をして喋り始めた。


「私、平民の出なので社交には疎く、この時期の子供がどのくらいできれば良いのかわかっておりませんでしたが、魔法を発動出来るだけで良かったのですね。しかし、ミュレイ・ユバルですか。ユバル家の名前は私も聞いた事があります。確か魔法に秀でた一族で、宮廷魔術師を多く輩出しているとか。彼女も例に漏れず才能に恵まれているのですね」


 ミューは突然変異では無かったのか。どちらかと言うと、魔法に優れた人間を一族に迎え入れて家を発展させている様だ。


「彼女の魔法に当てられてリオン様もやる気に溢れている様ですし、どんどん先取りしていきましょうか。先ずは教養です。気合い入れていきましょう」


 ドールも競う相手を見つけて興奮しているのか、とてもやる気に満ちている様に見えた。


 

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