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第7話 ついにやってきましたは



 魔法陣を描き変える作業を行なったが、想像以上に簡単だった。

 まあ、指定の部位を入れ替えるだけで良いのでその通りだが、繋げる部位や向きの指定などもあったがそこまで難しく無かったので、数分で作業を終えることができた。


「リオン様は上手ですね。ここの作業に手間取って時間がかかることがあると聞くのですが」


 ふうん。世の中不器用な人もいるんだな、


 とにかく、魔法の改造が完了したので早速使ってみる。

 魔力はどうしようか、恐らく普通の『着火』と同じくらいの魔力を注げば同じ出力になる筈だ。

 それなら、取り敢えず2倍くらいの魔力を注いでみよう。


 魔力を多めに消費して魔法陣を描く。そのまま発動紋へ魔力を流すと、昨日のより二回り以上大きくなった炎がゴウゴウと音を立てて現れた。


「うお、凄いな。ここまで迫力が高くなるのか。大体魔力を倍くらい注いだけど、火力は2倍以上ありそうだぞ」


 俺が炎を観察していると、ドールが話しかけてきた。


「問題なく発動できたようですね。旦那様が仰るには披露パーティーは、この程度ができれば問題ないそうなので、この魔法の制御や操作を繰り返し行なって慣れていきましょうか」


 これだけでよかったのか。想像以上に簡単過ぎて消化不良感が否めないが、そこは後の実験でストレス発散するとしよう。


「後は、これを練習していくってこと?」


「そうですね。リオン様は筋が良いので、ただただ繰り返し使ってもらって慣れてもらうしかないですね」


 やっぱりそうか。単純作業は俺の得意分野だから、然程苦ではなさそうだな。


 この魔法は複雑では無いし、消費魔力もコントロールすれば一級魔法と変わらないというか、それ以下なので何度も使っても魔力の残量が気にならないし、そうしたとしてもこれで魔力の質は上げられるらしいし、使い得だな。



 30分ほど魔法の練習をして、休憩しているとドールが話しかけてきた。


「お疲れ様です。魔力もかなり消費したでしょうし、今日はもう終わりましょうか」


 もう終わりなのか。何度も魔法を使って7割ほど魔力を使ってしまってるから、ここが辞め時なのかもな。



 授業は終わったので、今からは部屋で『静雷』の検証の続きだ。

 今はまだ使えないが、念のため改造した『静雷』の魔法陣を準備しておいた。


 試行回数を重ねて魔力の質や変換効率を上げれば、いずれはこちらも使えるようになる筈だ。そんな日を夢見ながら、俺は淡々と作業をこなしていった。





 ◆◇◆◇◆◇



 2週間という期間は、想像していたよりも儚く、呆気ない。

 何を言いたいのかというと要するに、披露パーティーの日になったということだ。


「リオン、準備は大丈夫か?このパーティーは子供同士の社交がメインで、我々大人は横から見ているだけだ。つまり、お前の行動が我が家の評判を左右するということ。子供ということで甘めに見てもらえるが、あまりにも態度が悪いと私が恥をかく。前も言ったがくれぐれも失礼をしないように」


 父上が釘を刺してきた。こっちも重々承知していることだが、改めて忠告してもらえるのは有り難いな。


 準備ができてることを再確認した後に、馬車に乗って屋敷を出発した。



 馬車に揺られること2時間ほど、途中でトラブルに巻き込まれるということもなく、無事に目的地の公爵邸へついた。


 馬車から降りて父上に連れられて屋敷の中へ入ると、そこには俺の家にいる使用人達よりもたくさんのメイド、執事が待っていた。


 彼らは、俺達が入ると一斉に《いらっしゃいませ》と出迎えてくれた。

 もちろん、他にもここにきている人は沢山いて、人々が通るたびに彼らは挨拶をしていた。


 屋敷の内装も自宅よりも豪華で、財力の差というものを感じる。

 そんなこんなで辺りを見渡していると、父上が咳払いをした。


「ごほんっ。リオン、周りをキョロキョロ見渡すのは辞めておけ。田舎者感が出て気恥ずかしい」


 うげっ、まじか。自覚はしてなかったけど、そんなにキョロキョロしていたのか。気をつけないとな。





 反省をしながら進んでいると、パーティー会場のでかいホールに到着した。

 屋敷に入ってからここまでの道のりも長く、その敷地の大きさを認めさせられたのだが、正直ここに住んでたりここで勤めてる人達は迷わないのだろうかと疑問に思う。



ホールに入ると、豪華な飾り付けがされていて、アニメで見たようなパーティー会場そっくりそのままだった。



 ホールに入ってしばらくすると、メザニンに男性が立って演説を始めた。


「披露パーティーへ招待された皆よ、今回もよく来てくれた。先代から続いている、5歳となった子供を持つ家に招待を送り、パーティーを開く催しも毎年行い今宵で50回目。さあ、この国の未来を背負う子供達よ。今君たちが持つ魔法の腕を、この国を守るその魔法の片鱗を見せてくれ。そして、この場で親睦を深め、交流したまえ」


 あの人は誰だろう。招待しているって言っているから、この人が公爵家当主なのだろう。


 しかし、俺が父上と一緒に呼ばれたのには、そんな理由があったのか。今回みたいな催しが毎年行われているとは予想もしていなかった。




 しばらくぼーっとしていると、ホールの真ん中あたりから人が離れ出して、半径5mほどの円状の空間が現れた。


「父上、あれはなんですか?」


 父上に聞くと、こう帰ってきた。


「今から、爵位の低い家から子供達が魔法を披露するのだ。丁度、レーボル男爵家の子息が魔法を使うから見ておけ」


空間の方に視線を向けると、周りの人々がざわつき始めた。


「レーボル男爵家、ご子息のルート・レーボル」


 何処からか声が聞こえてきて、父上の言葉通り、人混みの中きら男の子がでてきた。


 彼は自分が呼ばれて出てきた状態を理解していないようで、キョロキョロと辺りを見渡している。


 近くにいた父親らしき人が彼に耳打ちすると、彼は思い出したように魔法陣を描き魔法を発動させた。

 


 

 

 

 

 

 


 

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