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転生したけどチートとか無かったから努力で世界最強目指します!  作者: 敬礼 なろう・カクヨムで連載中
学園

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第28話 入学




 無事学園に合格し、入学の日になった。


 入学式のためにあつらえられたホールには椅子が大量に並び、既に大量の人が座っている。


 ホールの中は真っ暗で、かろうじて前方にある壇が見える程度しか視界が無い。

 

 スケジュール通りに進むとすると、後10分で始まる筈だ。

 そばに居る人に話しかけて時間を潰しても良いが、まあたったの10分なので、少し宙を見つめていたらすぎているだろう。


 暫く待つと、何やら偉そうな大量の髭を蓄えた老人が、杖を突きながら正面の壇に現れた。


「おっほん。では、今から新入生の入学を歓迎する式典を始める」


 その老人は言い終えると杖で床をダンダンと叩いた。

 すると、暗かったホールがいきなり上から照らされた。


 何事かと思い上を見上げると、先程までは無かったはずの蝋燭が空中にズラリと並び、ホールの中を照らしていた。


「やべっ、突然上を向いて間抜けを晒しちゃった」(小声)


 明かりが気になって上を見たことで、周囲に間抜けを晒したことに気付いた俺は、咄嗟に下を向いた。


 しかし、僅かに周囲を見渡すと、見える限りの新入生が上を見上げていた。


「ほっほっほ、今のに驚いたようじゃな。そろそろ、また此方を向いてくれるかの」


 老人が声をかけると、次第に俺以外の新入生達も顔を

下げ始めた。


 暫くして、全員の顔が戻った事を確認すると、老人は口を開いた。


「先ずは、諸君。合格おめでとう。私はローラン王立学園の校長、ローグ・ウェルト。君達を、学園に歓迎しよう」


 なんとなく察してはいたが、やはりこの人が校長だったか。やはり威厳というか風格が滲み出ていて、何処か萎縮してしまうような雰囲気がある。


「この学園は、ローラン王国の発展を促す為、若者を育成することを目的として設立された。諸君らは学園に入学したことを誇りに思い、より一層自らを高め、友人と切磋琢磨し・・・・・・」


 しかし、偉い人の話というものはどうも眠気を誘う。初めのうちはまだ集中して聞いていられるが、しばらくすると抗えないほどの睡魔が襲ってくる。

 PTA会長、校長、理事長、市長や県知事。身分が高くなればなるほど、歳を増せば増すほど、その話は長くなる傾向が見られる。ソースは俺。


 その話の内容も、どれも似通ったような、変わり映えしないこともまた、話を聞く気が失せる要因の一部だろう。



 しっかり話を聞こうと善処したのたが、結局努力は叶わず寝てしまい、目が覚めるとちょうど老人の話が終えるところだった。


「なので、諸君らはこの学園に入学したという誇りを胸に、今後も頑張ってほしい。これで儂の話は終わりじゃ。では、新入生代表で、ミュレイ・ユバルくん。挨拶を頼む」


「はい」


 校長先生が名前を呼ぶと、ミューの声が聞こえてきた。彼女はその場を立つと、ツカツカと壇上へ上がった。


「みなさん、こんにちは。私たち200名は、この歴史あるローラン王立学園に入学することができました。本日は、このような厳粛かつ温かい入学式を執り行っていただき、心より感謝申し上げます。私たちは今日、新しいスタートラインに立ちました。この国の未来を背負った者として、一層自らを磨き、200人全員で切磋琢磨し合っていく所存です。勉強だけでなく、学園では様々な自分達を成長させる機会が訪れます。そのチャンスを逃さず、仲間達とコミュニケーションを図って団結していきます。私たち新入生一同、心から努力することをここにお誓い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。新入生代表 ミュレイ・ユバル」


 パチパチパチパチ


 ミューが挨拶を終えた途端、ホールの中は拍手の音で一杯になった。一拍遅れて俺もその音に参加し、しばらく拍手は続いた。


 拍手が止み、ミューが壇上から降りて席に着くと、今度は男性が壇上に上がって行った。


 その人は何やら豪華そうな装いをしていて、その両隣には護衛だろうか、人が立っていた。


 その人物は、少し周囲を見渡すと、口を開いた。


「いやはや、今年は豊作だと聞いていたが、それは本当のようだな。ここから少し見渡すだけでも、目に留まる者がいつもより多い」


 誰だこの人。何故だか知らんが超上から目線で喋ってきて、不審者感がすごい。

 どうやら、俺以外の人達もそう感じたようで、明らかにその男性へと向けられる視線が懐疑的なものへと変わっていった。


「ああ、すまない。名乗りを失念していた」


 この男性は、鈍感で視線の変化に気付けないということもなく、すぐに自己紹介をしていなかったことに気づき、謝罪をした。


「私の名はアルベルト・ローラン、ローラン王国の国王だ」


 彼、いや王様が自分の肩書きを言葉にした瞬間、俺を含めた周囲の態度は一変した。


 王とは、基本その治める国の全ての民から敬われるべき人物だ。そんな人を目の前にしたら、それこそテロリストでも無い限りは頭を下げるだろう。


「頭を上げよ。私はここに頭を下げられにきたわけでは無い、君達の新しい門出を祝いに来たのだ」


 その言葉に、パラパラと皆頭を上げ始めた。俺もその中でタイミングを見計らって頭を上げ、王様を見つめた。


「よし、では話をさせて貰おうか。長い話は退屈だっただろう?短く、簡潔に話すからしっかり聞いてくれ」


 おや、今度は長く無いのか。それなら、話を聞く気も起こるというものだ。

 いつ話が始まっても問題ないように構えると、早速王様は話を始めた。


「我等が国は、今停滞に包まれている。だが、君たちなら、この暗黒の闇を振り払ってくれると信じている。この国の将来は君たちに委ねられているのだ」


 そう言うと、王様は話を終わった。

 いや、短すぎだろ。確かに、短く話すとは言っていたがここまでとは思いもよらなかった。

 世の中、話を短くするとは言いながらも五分以上喋る人なんてザラにいる。それがただの30秒程度に収まったのだ。


 王様は話を終えると壇上から降りて、そのままホールから出てどこかへ去っていった。

 国王という立場上、仕事は多いだろう。その中で俺たちのために来てくれた事には感謝しないとな。


 王様が去った後、さらに理事長や、様々な偉い人からありがた〜いお話を聞かせてもらった。後から思い出そうとしてみたが、内容はほとんど覚えていなく、とてつもなく眠かったことだけは記憶に残っていた。



 


 

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