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第10話 受験勉強開始


 教養の授業が終わると、ドールはすぐに魔法の授業に移らず、話しかけてきた。


「以前、貴族は学園に通い魔法の技能や学業を修め、王家に貢献しなければいけないと言う話はしましたね?15になった貴族の子供は学園に入学するのですが、その為には、入学試験に受験して合格しなければいけません」


受験かあ。一応高校に通っていたから高校受験はしたけど、どんな感じだったかとかはあんまり覚えてないなあ。


 「この試験は魔法実技と教養筆記の二つの科目で分けられています。魔法実技の試験は的に向かって魔法を放ち、その出力と精度を測り、その結果が一定の基準に達しているか判断されます。教養筆記の内容は、今日もやった様な内容と同じ様なものだったりを覚えているか確認する感じです。正直、今のリオン様でもこの試験を受ければ合格自体はできるでしょう」


 話を聞く感じ、そこまで難しそうな感じはしないな。何か俺の知らない様な事があるのだろうか。しかし、ドールの喋り方に少し不安になるな。


「しかし、この試験は合格するだけで良いものではありません。実は、学園には、クラス分けというシステムがあります。それは生徒の成績や入試の点数などから各々の実力ごとに分けられていて、下から銅、鉄、銀2、銀1、金2、金1、白金となっております。クラスは、爵位ごとに最低ラインが設けられていまして、伯爵位の場合だと金2です。先程合格できると言いましたが、今の時点では良くて銀一程度でしょう」


 まじかよ。ランク制度自体はラノベで馴染みがあるから受け入れやすいけど、最低ラインがあるとか厳しいって。


「幸いな事に、試験までまだ5年も猶予があります。今から受験に向けて勉強をすれば金2程度の実力はつくでしょうが、この時間はどの人間にも平等です。もちろん他の子供も勉強をしてリオン様と競う事になります。」


勉強からは異世界でも逃れられないのか。仕方無い。割り切って頑張ろう。

 

 「リオン様が仲良くなったと言う公爵令嬢ですが、話を聞く限り彼女はすでに白金クラスの域を超えています。せっかく、彼女と言う都合のいい好敵手がいるのですから、首席合格を奪うつもりで頑張りましょう。大丈夫です、この私がついているのですから、大船に乗ったつもりでいてください」


 うお、意気込みが凄いな。

 でも、俺もミューに負けるつもりはないから、あいつに勝ちたいという気持ちはある。


 そう思うと、やる気が湧いてきた。


「リオン様も、やる気満々の様ですね。では、魔法の授業をしましょうか」


 そう言うと、ドールは座学を始めた。

 ドールはすでに準備しておいていたのであろう魔法陣の描かれた紙を取り出し、それを指しながら話し始めた。


「金2クラスに入る為には、少なくても三級魔法が必要です。白金クラスへは、さらに進んだ四級魔法の威力重視のものでないと入るのはかなり難しいです。魔法の等級が進んだものを使うには質の高い魔力を出せなければなりません。ですので、しばらくは私が用意した火属性の二級魔法を使いながら魔力の質を高めましょうか」


 今日からもまた魔法を繰り返し使うだけか。授業以外でも魔法で実験しているし、魔力の質もドールが思っているよりは早く目標に至れるはずだ。


 「この魔法を使えばいいんだよね?これはどんな魔法なの?」


 ドールから魔法陣の描かれた紙を受け取って、魔法を使う前に気になった俺は、その魔法の詳細をドールに聞いた。


「この魔法は、『火球』というものです。『火球』は、火の塊を魔力で作り出し、それを射出する魔法です。この魔法には面白いところがあります。それは、魔力の操作によって弾道を操作する事ができるという点で、これを練習すれば魔力操作も共に鍛える事ができます」


 なんと、魔力操作で魔法自体を動かす事ができるのか。

 だとすると、ミューの使ったあの魔法にはとんでもない魔力操作が必要だったんじゃないか?父上が手放しで彼女の魔法を褒めたのはそういう事だったのか。




 ということで、早速『火球』を使ってみる。


 魔力を引き出してドールに渡された紙を参考にしながら魔法陣を描いて、魔法を発動した。


 発動したその魔法は、どこに飛んでゆく訳でもなく、何故かそこに留まった。


「リオン様、魔力を操作して動かしてみてください。ここは訓練棟ですし、うまくいかなくても大丈夫なので」


 ああ、ここで魔力操作すれば動かせるのか。しかし、いざ動かせと言われてもどうしたらいいのかイマイチよく分からない。


 試行回数を繰り返して動き方を覚えるしかないか。

 そう割り切った俺は、適当に魔力を操作してみた。



 「うわ!なんだこれ」


 魔力を操作してみたのだが、メチャクチャに動いてしまって動き方がよく分からない。

 何度か試してみても、動き方の法則性などは見出せず、軌道をコントロールすることは適わなかった。

 自力で動かし方を掴みたいと思っていたが、流石にそれは難しそうだ。


 できればしたく無かったのだが、ドールに聞いてみる事にしよう。


「ドール、これはどうやって動かすの?魔力を操作して操ろうとしてみたけど、訳がわからないよ」


 困ったのでドールに聞いてみると、この質問が来るのを分かっていた様な顔で答えてくれた。


「魔力操作による軌道の操作ですね。これはまず、魔力の質を均等にし、安定させなければいけません」


 魔力の質を均等に、か。確かに俺が注ぎ込む魔力の質は粗があった様な気がする。しかし、そんな簡単に魔力の質を整える事が出来るのだろうか。


 「一見難しそうに聞こえるかもですが、集中して魔力の質に意識を向け、勢いや量を一定に抑え続けられれば、意外と簡単です。成功すればまっすぐ飛ぶはずなので、試しにやってみてください」


 簡単なのか?とりあえず、ドールの指示通りにやってみようか。

 


 

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