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11 残った白
戸が閉まり、静寂。
私は、息を吐いた。
「……嘘、ついてましたよね」
「……ああ」
朧は、視線を落とす。
「だから、
近づくなと言った」
「でも、
来ますよね」
「来る」
即答。
「次は、
“客”としてじゃない」
胸が、少しだけ強く打つ。
私は、月のしずく杏仁を、もう一つよそった。
「……朧さんも、食べます?」
一拍。
「……食う」
器を渡すと、朧は、静かに一口。
「……甘い」
「月のしずく、入れました」
「そうか」
言葉は短い。
でも、影が、さっきより静か。
玉兎が、二人の間に、ころん、と座る。
(この距離)
近い。
触れない。
でも、確かに並んでいる。
千の実の夜は、白く、静かに更けていった。
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