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10 嘘つきの笑み

医者は、ゆっくり立ち上がった。


「君は変わった。

昔は、もっと――」


言いかけて、止める。


「ああ、いや。

今は関係ない」


視線が、私に戻る。


「美千流。

君は、“選ばされる”匂いがする」


胸が、きゅ、と鳴る。


「……どういう意味ですか」


「分からなくていい。

でも―――」


医者は、微笑んだ。


「“消してあげる”って言葉に、耳を貸すな」


その笑みは、優しいのに、底が冷たい。


(……嘘だ)


直感が、はっきり告げる。


「君は、消える側じゃない」


その瞬間、玉兎が、私の腕の中で、強く震えた。


「ぎょ!」


影が、床を走る。


朧が、私の前に立つ。


「帰れ」


短く、鋭い。


医者は、一歩、引いた。


「……今日は、ここまでだね。

僕の名前は玲煉れん。」


戸の前で、振り返る。


「味は覚えた。

また来るよ」


鈴が、一度だけ鳴った。

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