3 料理を作りながら、妖の声を聞く
ついに500PVいきました!
ありがとうございます。
これからも励みに頑張りますので、是非よろしくお願いします。
私は、相手の状態を“味”で知る。
舌で食べて分かる味じゃない。
もっと奥―――喉の奥や胸のあたりで、じわっと広がる感覚だ。
疲れている人は苦い。
不安を抱えた妖は、砂糖を焦がしたみたいにざらついた甘さがする。
怒りを溜め込んだままだと、舌がひりつく。
妖すべてが、こうして“味”を感じるわけじゃない。
これは、人と妖の血が混じった私だけの感覚だ。
祖父はそれを聞いたとき、
「便利な舌を持って生まれたな」
と笑った。
私はただ、料理の配合を決める目安にしているだけだ。
和風キーマカレーを皿に盛ると、スパイスの香りに混ざって人間と妖の気配がふくらむ。
「美千流ちゃん、今日のカレー、いつもより温かいねぇ」
「気圧が下がってるので。
今日は“朝凪”寄りの配合にしてます」
カウンターの端では、河童が湯気に顔をつっこんでいる。
「っは~~~!
これだ!!
この店の飯は、腹だけじゃなくて“気”まで満たす!!」
「熱いから気を付けて!」
そうして忙しくしていると――
ふと、店の空気が“ざらり”と変わった。
(……来た)
ざらついた甘さ。
焦げかけた砂糖みたいな匂い。
“願い”に、一度触れたことのある子の匂い。
引き戸が、そっと開く。
女子高生の子だ。
昨日、
「学校の七不思議が変わった」
「願いを叶える階段がある」
と話していた子。
今日は明らかに匂いが強い。
(やっぱり……)
なんらかの“作用”を受けている。
少女はカウンターに近づいてきて、小さな声を落とす。
「あの、今日……また相談、いいですか」
朧が、音もなく視線を向ける。
気づいて少女が肩をびくつかせた。
「怖がらせないでください」
「怖がっていない」
「怖がっています」
「……じゃあ、美千流。俺は奥で聞いている」
「聞かないでください!」
そんなやり取りをしながら、私は少女を席へ案内した。
【お願い】
訪問いただき、ありがとうございます!!
"続きが気になる!"と思ってくれた方は、
『ブックマーク』やポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて応援していただければ、励みになりますm(*_ _)m
何卒、よろしくお願いいたします!




