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遠野の薬膳カフェは妖客歓迎です。なお、店主の身柄は妖界で高値らしい。  作者: 兎月 なごみ
第1章 薬膳カフェ『千の実』は今日もにぎやか
12/22

3 料理を作りながら、妖の声を聞く

ついに500PVいきました!

ありがとうございます。

これからも励みに頑張りますので、是非よろしくお願いします。

私は、相手の状態を“味”で知る。


舌で食べて分かる味じゃない。


もっと奥―――喉の奥や胸のあたりで、じわっと広がる感覚だ。


疲れている人は苦い。


不安を抱えた妖は、砂糖を焦がしたみたいにざらついた甘さがする。


怒りを溜め込んだままだと、舌がひりつく。


妖すべてが、こうして“味”を感じるわけじゃない。

これは、人と妖の血が混じった私だけの感覚だ。


祖父はそれを聞いたとき、

「便利な舌を持って生まれたな」

と笑った。


私はただ、料理の配合を決める目安にしているだけだ。


和風キーマカレーを皿に盛ると、スパイスの香りに混ざって人間と妖の気配がふくらむ。


「美千流ちゃん、今日のカレー、いつもより温かいねぇ」


「気圧が下がってるので。

今日は“朝凪”寄りの配合にしてます」


カウンターの端では、河童が湯気に顔をつっこんでいる。


「っは~~~!

これだ!!

この店の飯は、腹だけじゃなくて“気”まで満たす!!」


「熱いから気を付けて!」


そうして忙しくしていると――

ふと、店の空気が“ざらり”と変わった。


(……来た)


ざらついた甘さ。

焦げかけた砂糖みたいな匂い。


“願い”に、一度触れたことのある子の匂い。


引き戸が、そっと開く。


女子高生の子だ。


昨日、

「学校の七不思議が変わった」

「願いを叶える階段がある」

と話していた子。


今日は明らかに匂いが強い。


(やっぱり……)


なんらかの“作用”を受けている。


少女はカウンターに近づいてきて、小さな声を落とす。


「あの、今日……また相談、いいですか」


朧が、音もなく視線を向ける。


気づいて少女が肩をびくつかせた。


「怖がらせないでください」


「怖がっていない」


「怖がっています」


「……じゃあ、美千流。俺は奥で聞いている」


「聞かないでください!」


そんなやり取りをしながら、私は少女を席へ案内した。

【お願い】

訪問いただき、ありがとうございます!!

"続きが気になる!"と思ってくれた方は、


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何卒、よろしくお願いいたします!

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