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7.『ようこそ! ホラー屋敷に』

「……当てもなく北に歩いていたけど、これ、よね」

「……頭が痛くなってきた」


 アオケシたちは、北に向かい歩みを進めていると、古い洋館がぽつりと現れたのだが、珍しくアオケシとメハジキが頭を抱えたのは入り口の門であった。

ネオン輝く門には、『ようこそマリーハウスへ』とデカデカと書いてある頭のおかしいネオンの門。あまりに洋館の外観と雰囲気が違っていた。


「なーはは! 珍しいく、誰も契約していない生きた同胞を見つけたと思ったらアオケシの姉さんが困惑する顔を記録できるなんてな! 最高かよ!」

「クロちゃん……私だって人間よ。これはあまりにも品が無くて……こう女としてこうはなりたくないというか……」

「まあ、俺達グリモワールには、性の自認はあっても性別がある訳じゃないからな。結構、中にはヤバイ同胞もいたよな」

「おお、クロちゃん! 例えば、どんなグリモワールがいたの?」


クロノワールもさすがにこの外観には、何も言わずに入れなかったのか、アオケシと長話になりそうになってメハジキがそんな二人を止めた。


「……お前ら、頭のおかしい外観でもここは、グリモワールの陣地だ。気は抜くなよ」


そい言いメハジキが一歩慎重に進んだ瞬間であった。

パンというクラッカーの破裂音が大量になり聞き覚えのないファンファーレが流れる。


「メハジキ……気を付けてね」

「うるせえ!」


メハジキは恥ずかしそうに声を上げると、機械が蒸気を上げ、その蒸気に光を一点に集めるとそこには金髪ツインテールが特徴的なマリーゴールドの姿が映った。


『ぱんぱかぱーん! どもー! 中央監査官のメハジキ様、不死の魔女、アオケシ様。そして、会いたくもなかった同胞のクロノワール様!』

「おお! なにこれ! 見たこともない技術! 私の友達が光になっている!」

「……そんなことよりなんで俺達のことコイツは知っているんだ」

「俺は、同胞に会いたかったんだけどな」


三人は、口々にいろいろ言うが、マリーゴールドは、全てを無視して話を進める。


『これはプロジェクションマッピングという技術でして……原理はさておき、戦いは情報でございますわ。私、落果にいる人間は全員、顔と名前を把握しておりますので分かっただけですわ。とまあ御冗談はここまでにして……ゲームにチュートリアルは、必要でございましょう』

「プロジェクションマッピング! すごい! メハジキ、私あれ欲しい。ウチに置こうよ!」

「いらねえ。それより、ちゅうとりある? ってなんだクロノワール」

「異世界から来た連中の言葉だな。ゲームを始めるときに使う言葉だな」

「なるほど、それで……」


ワイワイガヤガヤ、三人は、マリーゴールドそっちのけで、新しい技術や言葉に興味津々で、話し出してしまった。


『……えーっと』

「蒸気に光をということは、映画みたいな技術体系……? ふむそれなら」

「あ、馬鹿! 勝手に機械を分解しようとするな!」

『あ、あのー』

「わあ! すごい! 光の写し方が射影機とは全く違う!」

「おい! アオケシ! だから! 変なのを触るな!」


マリーゴールドなど気にしていないのか、がやがやと周りの機会をいじくりまわすアオケシと止めに入るメハジキ。

ついにマリーゴールドは、キレてしまった。


『あぁぁぁぁ! 良いから人の話聞けよ! チュートリアル! この洋館ゾンビホラーゲームの説明だって!』

「「「……」」」

『ああ、もう! だからっていきなりスンと黙らないで怖いわ!』

「じゃあどうしろって言うだよ」


アオケシとは別ベクトルで頭のおかしい女、マリーゴールドにメハジキが聞くと、マリーゴールドは、嬉しそうに話し出した。


『ふふん! 聞きなさい! ここはスペンサ……おほん! スポンサー邸。ゾンビや怪物が跋扈する洋館、ここでは怪物から逃げて、謎を解きながら私のいる部屋まで来てもらうというゲーム。もちろん逃げれば、今夜中にも私が、落果の街に舞い降りて、全てを『収集』いたしますので! お気をつけてくださいまし! クリア条件は謎を解き、私を倒すこと! まあ、トラップで死んでしまえばそれまでですが! 皆様はこのデスゲームに耐えることはできるのかしら? おーほっほほほほ』


マリーゴールドは、高笑いをするのだが、アオケシは、そんな説明を無視して、門を無理やりけ破る。


「はい、ドーン! クソゲー!!」

『な、何をやっておりますの! これはゲーム。最後まで説明は……というか、く、クソゲーってなんですか? 前世の私の知識はとてもすごいのですよ!』


マリーゴールドは、慌ててアオケシを止めようとするがかったるそうにアオケシは、呆れたようにマリーゴールドを見た。


「いや、マリー。ゲームのキャラは死んでも蘇るけどさー」

『そりゃあ、ゲームですから』



「死なない私にデスゲームとか。なにそれ、クソゲームじゃん。そんなゲーム、私は、好きじゃないだからさ~。そんな理不尽、ぜーんぶ私が、壊してあげるよ! あーははははは!」



アオケシは、仮面を被り、鉈をマリーの映像に向ける。

それがマリーゴールド宣戦布告に見え、顔を真っ赤にして激怒する!


『何がクソゲーだ! てめえ! マジでベリーハードな内容にしてやんよ! 絶対ぶっ殺すからな! 覚悟しておけ! 私はお前を殺せるんだからな! そのアホヅラ今に明かしてやる!!』


そう言い、マリーゴールドの姿は消え、蒸気と光も消えていった。


「………なあ、クロノワール」

「なんだ?」

「あいつ、俺の命のこと、換算してなかったよな。殺していいか?」

「なはは、アオケシの姉さんらしいや!」


頭のおかしいネオンの門を壊し、無理やり屋敷に走っていくアオケシを見てメハジキは、イラっとして、頭に青筋を立てるが、クロノワールはそんな二人を見て爆笑するだけであった。


「まーりーいーちゃん! 遊びましょう! あーはははは! てかゾンビは、記憶がないからつまらない!! 他の出せよぉ!」

「あー、アッ!」


アオケシは、庭から出るゾンビを殺しながら突き進み大暴れ。

進んだ先は、全て無差別に破壊されていく、廃邸の庭にある墓の後は、もはや台風が通り過ぎた後のように荒廃していた。


「ぺっ! ゾンビの味も美味しくないし!」


アオケシは、跋扈するゾンビをナタやカミツキでとにかく一方的に殺し続ける。


「こりゃ、ゾンビゲームというよりは、屋敷に入って来た殺人鬼がヒロインを追い詰めるスプラッタ映画だな。ていうか、アオケシの姉さんが一番、品がないよな」

「クロノワール、マジで言うなそれ以上。頭が痛くなる」


アオケシが暴れて更地になった所をクロノワールとメハジキは歩き、アオケシを追っていったのだった。

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