22.『狂気×策士』
「ニャミ! とにかくその魔女を足止めして!」
「はい!」
ニャミは阿久津に指示をされ、瓦礫の中に立つアオケシに狙いを定め突っ込んでいくがメハジキは、それを見切って全身でその攻撃を受け流す。
「たく! どうせこの獣人が厄介なんだろう! 俺に任せろ!」
「さすがメハジキ。分かっている~」
『うぅぅ……ご主人様、メハジキさんにはなんでこんなに優しいのですか……』
アオケシはうだうだと文句を言うマリーゴールドを無視して、阿久津に向かうが阿久津もそう簡単には、近づけさせてくれない。
「ちい! 生成! ロボット兵団!」
「たくこんなロボット……ああ、もう、メハジキの作ってくれている時間なのに鬱陶しい!」
『ああ、もう! 痛いですって!』
「そりゃそうだ! 僕の作るロボット兵は、最強なんだから!」
アオケシは無限に生成されるロボットを壊して進み、そして殺され復活、不死殺しの種が飛ばなくなりいかんせん楽になったが、少しずつ強引に近づくが物量に押され思うように進むことができずにいた。
そんな中、アオケシを見たメハジキは、ニャミの攻撃を紙一重で避けていく。
「……あっちは、大丈夫そうだな。アイツの生成は、同時に二つの物を生成できない。あの種子を使おうとすればアオケシに、その前に殺されるからな!」
「人間の癖に強い! ご主人様守らないといけないのに!」
メハジキは、鉄の籠手で、ニャミの爪を避けて受け流し、弱点を見つけては打ち込む。
しかし獣人の筋肉は、想像以上に強く、ダメージが少ししか入っていない状態であった。
「お前、あの転生者の仲間なら、体に爆弾が埋め込まれているのは知っているんだろう。中央監査機構に腕のいい医者がいるから、罪を認めるなら、助けてやる!」
「ニャミはもう助けられた! ご主人様に! それにニャミはご主人様のオキニだからそんなのはない!」
「たく、これは警告だ! これを聞かなければ危険対象として、殺害の許可も出るぞ!」
「死ぬのはお前なんだよ!」
ニャミは、メハジキに鋭い蹴りを入れるが、加速をかけたメハジキは、ギリギリで躱すが、それも躱すので精一杯。
魔法で強化された拳でもニャミは耐えきっていた。
「マジで! アオケシのやろう! 面倒ごとばっか押し付けやがって!」
「シネ! ご主人様のために!」
ニャミの猛攻に、メハジキは指の骨が悲鳴を上げる。
「たく……折れやがった。クロノワール! 指の状態停止」
メハジキの指は、機能を失い動かなくなる。これ以上状態は悪くならずしかし、戦いで使えなくなる応急部分停止。メハジキは、指の感覚がなくなるが猛攻を避ける手立てを見つけたのであった。落ちていた鉄パイプを握ると指にこれ以上ダメージを与えない為、それを使い、危機を逃れていく。
「武器持っても無駄! 獣人強いから!」
「そうだな……だが頭は弱い」
「なにいぃ! 獣人差別か! 獣人だって偉い学者いるから、頭弱くない!」
「そこが弱いんだよ!」
メハジキは、ニャミを煽り、ニャミを怒らせていく。
強いが子どものニャミに対して、メハジキは、鉄パイプで攻撃を受けながら、言葉での攻撃で行い戦意喪失を狙い始めた。
「私は、凄い! 計算できて本も読める!」
反論の仕方が見た目通りの子ども、一度煽り、心を折っていく。獣人など、人間は自分よりも強い種族から、今の地位を手に入れている。
それはなぜか、簡単であった。互いのコミュニケーションそして言葉で相手を納得させること。この二点で人類は繁栄を続けていった。
「だからどうした。俺より馬鹿の癖に」
獣をとらえる一つに怒らせ、周りが見えない相手を罠にかけ倒す方法。罠に突っ込むイノシシのようにニャミを追い詰めようとしていた。
「ニャミはすごい! 強いよ! 九九も覚えた!」
「大人なめんな! 俺は五桁かける五桁もできるぞ!」
ニャミの言を否定し周りを見えなくさせる、だからニャミは、罠気が付けない。
「くらえ! ニャミパンチ!」
メハジキはニャミの攻撃を避けると後ろには虫型の魔物にして、女性からの絶大的不人気を誇る黒光りするG。
「きゃああああああ!」
そのGは、体が頑丈で寿命以外では死なない虫。だがフォルムの気持ち悪さから女性には天敵。アオケシも黒光りするGを見つけた時は、表情が消え、自分が匂いでむせるほど殺虫剤を撒いたこともあった。
それほどの生物は、メハジキが戦闘前に傷をつけていた木。
そして今、ニャミの攻撃を避けた後ろの木から出た樹液集まっていた。
そして、戦いは一瞬で終了する。メハジキは、獣人拘束用の手錠でニャミを拘束。
「さあ話をしようか。ちゃんと話し合いをしなければ……黒光りするGを口に突っ込む」
「ひゃ、ひゃああ! やめ、やめ!」
メハジキは、アオケシやマリーゴールドの様な頭のねじが飛んだ相手は、苦手だが、理性のある敵であればむしろ強く出れ、頭も回るのである。
「さあ、俺の質問に答えなければ……」
「や、やめ……近づけないで!」
メハジキに捕まれた黒光りするGは、ニャミの頬の近くで思いっきり握りつぶされ、その虫の体液が、ニャミの顔につく。
「ぎゃああああ!」
人一倍、嗅覚が敏感なニャミにとって、黒光りするGは、拷問そのものであった。
そしてメハジキも狂人と一緒に暮らせる自称常識人の狂人、中央にいた頃は、戦闘と拷問に関しては学校一の成績であり、その技術は見事仕事で役立つのであった。
「よし、じゃあこれをな……おお、すまない手が滑って……顔に黒光りするGの死体を落としちまった。次はしっかりもっておくぞ」
「やめ……きゃああああああああ!」
「安心しろ、停止魔法で、意識を気絶しないように機能を一部固定停止しておいた。安心して意識が保てるぞ」
メハジキは、そう言うとニャミの体に黒光りするGを生きたまま数匹落とす。
黒光りするGは、ニャミの体を生きるために這い出す。
ニャミは、暴れようにも獣人用の手錠は、停止魔法で驚くほどの眼鏡で暴れることもできず気絶もできない。これなら、表立った狂人のアオケシに殺されたかったと思うほどに地獄であった。
「よし、追加行くぞ」
戦闘時だというのにメハジキは、楽しそうに笑ってた。




