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19.『デスゲーム虐殺パーティ』

「我々は! すみ……ぎゃああああああ!」

「あーははははは! さい……こう……!」


 アオケシの前に立った黒装束の男が名乗りを上げようとした瞬間、アオケシは、鉈を飛ばし、脳天を真っ二つにカチ割る。

吹きだす血とその光景を見て怯える他の黒装束を無視してアオケシは、殺して奪った記憶と能力検証を続けていた。


「ああ、正義のためにこんなに身を粉なにして……やっぱり、善人から得られる記憶はとっても美味しい。正義なんて言っているけど、やっていることはやっぱり、エデン教会と一緒ね」

『う、うえ……知らない人の記憶御フィードバックが私にも……コレ、私にも来るんですか』


記憶のフィードバックが、アオケシと同化していたマリーゴールドにも行われ、嫌そうにつぶやく。だがアオケシはいつものことなので、それが楽しくて仕方なかった。


「では、投げた鉈を『収集』……お、やっぱり、ちょっとマリーの時とは違うわね。自分の所有物は、手元を離れても収集で回収ができる。では次は……」

「こんの、化け物がぁあああああああ!」

「『収集』……逆にマリーのように人は吸収できないのね……ぐは!」

「やった! 殺したわ!」


アオケシは、体を貫かれ吐血しながら『収集』の能力は、アオケシが使用すると無機物のみが対象になる事を検証する。


「じゃあ、この子もいっか」

「な、なんで生きて……」


鉈で、黒装束を真っ二つにするアオケシ、奪った記憶は、恋人との甘いひととき、そして違う男と作った子どもを恋人と都の子どもと騙す記憶。


「やだぁ、この子、別の男と子供作ってる! ちなみに死体は、収集可能と」

『うえ……。ご、ご主人様、こ、殺すのやめません』

「やだぁ……これが楽しんじゃない」


口にたれる女の返り血を舐めたアオケシは、獲物に狙いを向けると全力で走っていく。


「く、くるなあああああ!」

「きゃあああ!」


窓から逃げ出した黒装束の男女4人をアオケシは、逃がさない。


「まず一人」


目の前で恋人を殺された挙句、子どもが自分の子どもでないと知った男の絶望。


「ああ、なんて素敵な裏切り」

『ほ、本当に人間は嫌……先ほど殺した女性の』

「二人目!」


まあ度から飛びおり、庭園を走り出す男にアオケシは、人には出せない速度で走り抱き着くと、首を無理やり自分の方へ曲げアオケシは、陽気に挨拶をする。


「やっほー。元気してる。じゃあ、また来世で!」

「やめ……ぐぎゃあああ!」

「ああ! 最高に楽しい! もっと、ああ、もっと読みたい!」

『……ご主人様、雑魚狩りは、たいがいにしてください』


引きちぎった首を持って楽しく笑うアオケシにマリーゴールドは呆れたようにちゅいいをするとアオケシも一瞬俯き考える。


「うーん、そうよね。普通に殺しても敵の情報は入らないもんね。そうだ! ねえ、マリー、拘束系の道具はある? なるべく長いの!二メートルぐらいの奴が良いわ!」

『ご、ございますが、何をするのですか』

「こうやって使うのよ!」


教会の出口から逃げようとする二人に首輪が両端のついた鎖を投げるアオケシ。

鎖は、逃げようとする二人の首ハマり、教会の敷地内に落ちてしまう。


「ストラーク! では、ただいまより尋問を始めます!」

『ああ、全くこの人は』


アオケシは、拘束され戸惑う二人の元に行くと、その場でしゃがみ、仮面越しの二人に優しい声で話し出す。


「ねえねえ、君たちの組織の名前は? どうして、カネノムシーンを殺そうとするの? そして普段は普通の住民である君たちはなんで、こんな犯罪に手を染めるの? 教えて。教えてくれれば、逃がしてあげる」

「いう訳ないだろう! 俺たちの正義は、ぜ、絶対だ!」

「そうよ、カムイも私も生きて、この世界を正しい道へ」


二人の並べる正論は、アオケシとマリーゴールドにとっては退屈なものであった。


「……私の質問によりよく答えてくれた方は、解放します。ウソを付けばすぐに殺します。さあ、答えてください」


仮面の奥で笑うアオケシ。しかし仮面の無表情な顔に、二人は、アオケシの提案を断る。


「馬鹿なの! 私たちは、そんな悪逆には屈しない!」

「そうだ! せいぎぃぃぃぎゃあああああ!」


しかし男が何かを言い終わる前に、アオケシは、男の人差し指を曲がらない方向に思いっきり曲げてしまう。

人体からなってはいけない音と同時に男は悶絶する。


「はーい。余計なことは言わない。私の質問に答えなかったら、一回に付きあなた達どちらかをいたぶりま~す。私は何度も死んでいるからね。人がどうすると痛いかを知っているんだ。ほら、早く答えないと、社会復帰できないぞ~」


おちゃめな声で警告するアオケシ。脅しが最も効率的なのは、自分の覚悟によってほかの人間が傷つくこと人は自分の責任が重ければ潰れてしまう。


「あ、ああ……私たちは、菫三色……元々は……古代宗教を研究する学者で……けど、あ、主が、私たちに……ぎゃあああ!」

「ナタネ! お前! それを言ったら! ぎゃあああ!」


恐怖で全てを話そうとするナタネと呼ばれた黒装束の女性は、カムイと呼ばれていた男に殴られ、話す途中で中断させる。しかしそれに怒ったナタネは、ポケットに入っていたナイフでカムイの目を貫いた。


「でも……! 生きなきゃ……! 意味がないでしょう! ぐ、ぐええええ」

「や、やめ……やめろよ! お前マジで! 俺たちはもう学者じゃねえ! 主様が、主様が義賊だって言って……」


カムイは、ナタネの首を絞め、ナタネはナイフでカムイを殺そうとする。


「ふふふ~ん」

『ご主人様楽しそうですね』

「ええ、極限状態の人間が見せる感情はどんな情報よりも気持ちいのよ。大体、生き物自体全員、元は他人よ。自分を守るためなら何でもやる。理性とかの話じゃない本能の話。実験はしたけど良かったわ。そう言うマリーは、どうなのよ」


それを見つめて楽しそうに鼻歌を歌うアオケシに、マリーゴールドは、はじけるような声で答えた。


『最高です! やっぱり、デスゲームみたいな明確な勝ち負けがあるモノ大好きです!』


「しね! 死ね! シネ!」

「が、がぐぐくくくヴヴヴ……やあああああああ!」


二人は、カムイとナタネの殺し合いを楽しそうに見守り、結果として、凶器を持っていたナタネの一撃でカムは死んでしまい、ボロボロな体でアオケシにすり寄る。


「こ、これで解放してくれくれるのよね!」

「ええ、痛みからね」


アオケシは、すり寄るナタネの頭を思いっきり足で踏みつぶす。

そして流入する記憶は、死にかける記憶と、初めての殺し。その記憶をアオケシとマリーゴールドは、芳醇なワインを楽しむように笑顔で笑う。


「あは……良いわね。死と絶望」

『ええ、ご主人様がどうして楽しく人が殺せるのか分かりましたわ』


そして、最高の記憶を味わった二人は、思い出したように自分の部屋を見る。


「そう言えば、カネノムシーンを助けに行かないとね」

『そうでしたね。一応仕事ですし』


二人はそう言うと、ゆっくりと、カネノムシーンのいる部屋に向かって歩いて行ったのである。それは、まるで生きた絶望の塊の様であった。

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