表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カエル味のあめ玉  作者: 大木戸いずみ
67/78

67

 少しの間、贅沢をさせてもらったのだから、満足しないと……。

 私は自分にそう言い聞かせる。これ以上は望んではいけない。だから、もう終わりにしないと……。

 このままでは私が耐えられなくなる。

「お待たせ」

 沖原くんの声に私はスマホから顔を上げる。

 待ちに待ったデートが始まる。天気にも恵まれて、この日のために買った服を着て、完璧に化粧をした。最高に可愛い私を見てもらえるように……。

「髪の色、変わった?」

 私を見るなり沖原くんは変化に気付いてくれた。ベージュからグレーの暗色にしたのだから、気付いて当たり前なのだけど、それを指摘してくれるのが嬉しかった。

「昨日染めてきたの。似合う?」

 デート前の美容院はいつもと違ってワクワク感が倍増する。美容師さんと「明日は大好きな彼とデートなんです」って話す時間が好きだ。

「うん、可愛い」

 好きな人からの「可愛い」ってどうしてこうも幸福感に包まれるのだろう。その一言が聞きたいがために女の子は必死に努力する。決して自分磨きを怠らない。

「闇堕ちちの色です」

 私がそう言うと、沖原くんは表情を崩した。

「順子には似合わない言葉だね」

 一瞬だけ言葉に詰まり「やっぱり?」と私は微笑む。私は落ち込んだりしない。人生短いのだから、落ち込んでいる暇なんてない。

 ずっと、前を向いて、楽しい日々をすごしているんだもの。

「てか、どうして今日の待ち合わせ場所がここなの?」

 私は河川敷を指定した。私のガーリーなデート服には似合わない場所だ。スカートでなくジーパンで来るような所。

 けど、今日は私にとって勝負の日だから。

穏やかな川の流れを隣に私は真剣に沖原くんを見る。彼は私の意図が分からずに不思議そうにしている。

「私とタイマンを張ってもらう」

「は?」

 沖原くんは顔を顰めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ