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弱そうに見えて本当に弱い俺が魔王を倒すまで  作者: プリン伯爵『虹色魔導師は目立ちたく無い』発売中!


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第24話 筋肉痛は辛いぞ!

気持ちのいい朝、とは言えないほど俺の身体は悲鳴を上げていた。

そう、筋肉痛だ。

ちょっと足を動かしただけでも鈍痛が身体全体に響く。

俺今日はベッドから出られないかもしれないな。


そんな時だった。

ドタバタと廊下がうるさいなぁと思っていたら突然俺の部屋の扉が凄い勢いで開け放たれた。


「マル!いるか!」

「ウオゥッ!」

びっくりして変な声出たじゃねぇか。

止めろよいきなり部屋に飛び込んでくるの。

鍵かけてる意味ねぇだろ。


まあ飛び込んできたのは言わずもがなサラスティさんだった。

討伐が終わったみたいだな。

レオンは無事なのだろうか……なんて心配するだけ無駄か。

アイツが瀕死だったらとんでもない化け物が現れたって事だもんな。


「どうしたんですかサラスティさん。俺筋肉痛で動けないんですけど」

「む!筋肉痛か!鍛え方が足りんからそうなるのだ。それよりも無事だったようだな……聞いたぞこの街に魔物の群れが襲ってきたと」

ああ、なるほどね。

どうやらここに来る前に話を聞いてきたらしい。

それでヨワヨワの俺が無事だったのか気になったようだ。


「まあ一応無事ですよ。黒龍丸もありましたし」

「ふむ、役に立ったかあれは」

「アレがなかったら死んでましたよ」

黒龍丸様々だよほんとに。

黒龍丸がなかったら多分ゴブリンに殺されてただろうし、ディーナさんが助けに来てくれるまで耐えられなかったと思う。


とりあえず俺はサラスティさん達が不在だった時の事を話した。

俺目線の話になってしまうけど、それはそれで新鮮だろ。



「ふむ……なるほどな。ゴブリンと大立ち回りをしたと。やるではないかマル!スライムすら倒せなかった男がゴブリンを倒せるまでには成長したとは!これは師匠としてもお祝いをしてやらねばならんな」

師匠面するの好きなのか?

まあ実際サラスティさんから剣術は習ってるし弟子と言えば弟子か。


「ゴブリンを倒してその後にディーナ?という女が助けに来てくれたと言っていたが、それはあの鉄仮面殿のことか?」

「あ、知ってるんですか?そうです、全然顔を見せてくれないあの鉄仮面さんですよ」

「ほう……あの鉄仮面殿が。どうやらマルは彼女に気に入られているらしいな」

気に入られている?どういう意味だろうか。


「お前は知らんだろうが、鉄仮面殿はいついかなる時でもソロだ。誰かと一緒にいるなど見たことがない」

「へぇ〜そうなんですね。俺昨日は手合わせしてもらいましたよ」

「なに?手合わせだと……あの鉄仮面殿が?……バカな、誰かに教えるなど聞いたこともないぞ」

なにそれ、というか他の人からディーナさんってどう思われているんだろう。

ちょっと近寄り難いとか思われてんのかな。


「まあよいか。今度私にも紹介してくれ。鉄仮面殿はいつも依頼を受けているのか殆ど街にいないのでな。私もまだ喋ったことが無い」

それは意外だな。

ディーナさん割と有名だから騎士団長であるサラスティさんなら喋ったことくらいあるのかと思ってたけど。

どっちも癖が強い女性ということには変わりないが。



「とにかく無事で良かったぞマル。今後も励むといい」

「ありがとうございます。そういや魔族は討伐できたんですか?」

「うむ。といっても殆どレオン殿の手柄だがな」

やっぱりレオンか。

サラスティさんよりも強いんだもんなぁ。

俺からしたらどっちもバケモンレベルの強さだけど。


「男爵級魔族だったがレオン殿の一撃は凄まじかったぞ」

「うわ、それは見たかったなぁ。てかその男爵級魔族ってなんですか?」

「なに?知らんのか?」


サラスティさんに教えてもらい、爵位級魔族というものを理解した。

爵位が上になればなるほど強くてそもそも爵位を持ってる時点で白銀級の力がなければ勝てないらしい。

ま、俺には関係ないけどな。



「じゃあそれだけ強敵だったにも関わらずレオンは簡単に倒したんですね」

「うむ。私も手を貸したが恐らく必要無かっただろう」

「俺だったらどうなってました?」

「マルがか?……言い辛いが多分一秒ももたん」

俺よわ。

弱すぎて笑っちまうぜ。

いや、まてよ?考え方を変えたら相手が強すぎるだけかもしれないな。


「ただ今回の件もあって、今後調査の為に王都から英雄級がもう一人来るかもしれん」

「え?そうなんですか?」

「ああ。昨日伯爵と話してな。お前にこんな事を話してもあまり意味はないが、魔王の復活が近い可能性を考慮して王都から追加の戦力が送られてくる」

「それが英雄級なんですか?」

「恐らく、な。白金級かもしれんが、魔王相手に出し惜しみするのは愚か者がすることだ。だから陛下は英雄級を送ってくると思われる」

レオンと同等の冒険者が来るのか。

どんなやつなんだろうな……まあ俺からしてみれば全部バケモンだけど。


「てかその魔王が復活したらどうなるんですか?」

「なに?マルも知っているだろう。魔王と人類の戦いを」

いや知らねぇよ。

あたかも当たり前のように言ってるけど俺この世界に来てまだ一ヶ月ちょっとだし。

つってもサラスティさんはそんな事情を知らないから仕方ないけど。



「子供の頃に読み聞かせられたものだぞ?勇者と魔王の戦いは。私も子供ながらに心躍ったものだ」

「へぇ〜」

「まあいい。教えてやろう」

そこから十分ほどに渡って勇者と魔王の話を聞かされた。


要約すると過去に魔王が世界を支配しようと企み人間が治める国に侵攻した。

人間も全力で抗ったが魔王の強さは次元が違い、抵抗虚しく尽くやられていった。


そんな中一人の冒険者が立ち上がる。

そう、みんな大好き勇者だ。


その勇者は魔王に単身立ち向かい三日三晩戦い続けた。

そしてようやく最後の時、勇者は魔王と相打ちになり亡くなった。

魔王を失った魔族達は嘆き悲しみ、統率も取れなくなり人間側が追い返した、というのが逸話らしい。


まあよくある話だわな。

そんな魔王が復活を遂げるかもしれないと言われれば確かに人間側は由々しき事態だ。



「どうだ、魔王が復活すればどうなるか想像できただろう」

「そうですね、この国も滅ぶし周辺の国も滅ぶってわけですか」

「そうだ。そして今は勇者がいない。魔王を打倒できるかもしれないと言われている神話級の冒険者は世界に三人しかいないというのも不安しか無い」

「神話級……冒険者ランクの一番上ですよね?」

「そうだ、神話級の冒険者は神の領域に足を踏み入れたような化け物ばかりだぞ」

出たよ化け物。

俺からしたらサラスティさんも化け物だけど、そんな人ですら化け物と称する神話級冒険者。

一体どんな人なのか見てみたい。


「じゃあその神話級がこの街に派遣される可能性もあるってことですか?」

「いや……それはないだろう」

「え?でも王国は危機感を覚えたんですよね?それなら人類側最高峰の戦力を送ってくるんじゃないんですか?」

「それが少し面倒でな。神話級の冒険者は独自の権力を保持しているのだ」

うわ、これ絶対政治絡んでるやつじゃねぇか。

俺頭悪いからその辺理解できるかな……。


「神話級冒険者は国が従えられない唯一の存在なのだ。つまり、国王陛下が命令しても聞いてはもらえないということだな」

「うわぁ面倒くさそう……」

「そうなのだ。あくまで自発的にこの街に来ると神話級冒険者が言えば来てくれるが、ここは王都から遠いからな。来るのも一苦労となれば多分こない」

神話級冒険者一目見てみたかったけどなぁ。

自発的に来てくれたら、か。

案外来てくれたりしそうだけどな。

魔族が現れたのも十年ぶりだと言うし、危機感があれば一度足を運んでも損はしないはずだ。



「どのみち来るのは三日から五日後だ。今日のところはここで失礼しよう。……だが、その筋肉痛が治ったらまた訓練するぞ」

「え、あ、はい……」


ずっと筋肉痛だったらいいのにな……。

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