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第7話 異世界に生きる者たち

異世界は、ただの冒険の舞台じゃない。

そこには“人間”という敵がいて、誰かを傷つける理由が、確かに存在している。


これは、『異世界来たけど俺の能力は死なないと強化されない件』

死に抗う力が、初めて“殺される側”として狙われる物語。

村の東の空に、赤い光が走った。


 


それは、ただの夕焼けではなかった。

空気が震え、地面がかすかに鳴いた。


 


蓮「……行くのか」


 


アイリスは弓を背負いながら、静かに頷いた。


 


アイリス「放っておけるわけないでしょ。

あれは“自然の光”じゃない。魔力の揺らぎが混ざってる」


 


蓮「じゃあ……敵がいるってことか」


 


アイリス「“敵”かどうかは分からない。だけど、放置したら村が焼けるかもしれない。行くなら今のうち」


 


その目に迷いはなかった。


蓮は黙って頷き、腰に短剣を差し込んだ。


 


それは、村人のひとりが黙って貸してくれたものだった。

口は利かなかったが、その行動が、蓮にとっては何よりの救いだった。


 


森を抜けると、地平線がわずかに染まっていた。


燃えているのは、樹林の奥。

風に乗って、焦げたような匂いが漂ってくる。


 


その中心に、誰かが立っていた。


 


アイリス「……人?」


 


蓮「……いや、あれは――」


 


真っ赤なローブを纏い、手には歪んだ杖。

その周囲の木々が、すでに黒く焼け焦げていた。


 


蓮が一歩近づくと、そいつはこちらを見た。笑っていた。

人間の顔をしているのに、目の奥が凍りついたように冷たい。


 


男「……はじめまして。“死に戻り”の方」


 


蓮「……っ!」


 


蓮の背に、冷たい汗が流れた。


 


蓮「……お前、なんでそのことを……」


 


男「この世界では珍しいスキルだからね。

“死ねば強くなる”。その魂の波長、匂いでわかるんだよ」


 


アイリスが、蓮の前に立った。


 


アイリス「何者?」


 


男「俺? ただの回収者さ。異界の力が暴走しないように、“処理”するために派遣されてる」


 


蓮「処理……?」


 


男「君たち転移者は、この世界にとって“爆弾”だ。

だから、こうして見つけたら……燃やすだけ」


 


その瞬間、男の杖が赤黒く光った。周囲の空気が圧縮される。


 


アイリス「下がって!」


 


アイリスが放った矢が火花を散らす。


だが男の前で矢は空中に砕かれ、力場のような何かに吸い込まれた。


 


蓮「……やるしか、ないのか!」


 


短剣を抜いて走る。

同時に、男が地面に魔法陣を描く――


 


一閃。爆風。


 


光と音の狭間で、蓮ははじき飛ばされる。

焼ける匂い。肌が焦げる感覚。視界が、白く染まって――


 


蓮(……また、死ぬのか)


 


その瞬間、脳裏に浮かんだのは、アイリスの姿だった。

焚き火の前、そっとかけてくれた上着のぬくもり。


 


蓮(――守りたい)


 


自ら胸に刃を突き立てた。


 


アイリス「――蓮!!」


 


(暗転)


 


蓮「っ……はぁ……!」


 


目を開けた瞬間、爆風の余韻が消えていた。

すでに体は回復していた。だが、魔力の衝撃波がまだ地面に残っている。


 


蓮「どこだ、あいつは……!」


 


そのとき、彼の前に――血を流したアイリスの姿があった。


 


膝をつき、肩を押さえながらも、必死に立ち上がろうとする。


 


蓮「アイリス!!」


 


男の姿は、もうそこにはなかった。


 


残されたのは、焼けた森と、蓮たちの傷だけだった。


 


蓮は、初めて知った。


“敵”が、人間であることもある。


この世界に、“殺しに来る者”がいるという現実を。

第7話を読んでくれてありがとう。


今回は、蓮が“初めて人間に命を狙われる”という強烈な経験を通して、

この世界の歪みと、転移者の“立場の危うさ”を突きつけられる回になりました。


そして――アイリスが流した“血”は、蓮の覚悟をさらに強くすることでしょう。


次回、第8話。

アイリスを守るため、蓮は初めて“殺すかもしれない戦い”へと踏み込んでいきます。


どうか、続きも見届けてください。






※この作品はAIの協力の元作成されています

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