表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

一番忘れたい昔話

作者: 想永猫丸

 昔話です。それ以上でもそれ以下でもありません。なので「オチ」はありませんのでご注意を。

(一応実体験に基ずいた「ノンフィクション」ですが証明のしようがないので「フィクション」で構いません)

 

 今から二十年程前。寒さが身に染みるとある日曜日(週末)

 残業を終え、仲の良い同僚と遅めの夕食と取ることに。

 何を食べるか? で話題に上がったのが焼肉。

 ちょっと値が張ったがその分満足した。


 食事を終え店を出たのは日が変わる少し前。

 駐車場で別れてそれぞれの車で帰路に就く。


 真夜中で道路はガラガラ。

 昼間なら渋滞でタップリ三十分は掛かるところを(10)分程度で通り過ぎ、走り慣れた道に着くころに日が変わる。


 程なく自宅から二km程まで戻ってきた。

 今走行している道路は緩やかな右カーブ。

 片側一車線で両側には歩道があり進行方向左側には川が流れる長閑な市道。

 周りには視界を遮る民家や障害物も無く、外灯も整備されており見晴らし良好。

 対向車すら来ない静かな夜の道を、制限速度を僅かに超えた速度で走り抜けてゆく。


 右カーブが終わると信号があるT字の交差点が見えてきた。そこを過ぎれば三百m程の直線に変わる。


 信号は丁度『青』

 ヘッドライトを「High」にして、右からの合流と交差点内に人がいないのを確かめてから通過する。

 何事も無く交差点を通過……したのだが数秒後にふと「後ろ」が気になりルームミラーを覗いたところ()()()()()()


 前方に戻した視線を再度ルームミラーへ。

 すると通り過ぎた交差点の中央に、茶色の作業服を着た男性が合流する道の方に体を向けて立っているのが見えた。



 へ? 今、誰もいなかったよね? ……()()()()()……



『昔から見慣れたモノ』


 再び視線を前方に戻しながらそう割り切る。

 ()()()()()そこで終わり。()()()()()なので数時間後には記憶に埋もれ、見たことすら忘れるだろう。


 だが……



 ……何か()()()()……



 いつもと同じくやり過ごせば良かったものを、普段は感じない違和感のせいで再度目を向けてしまった為に「あるモノ」を見てしまう。


 見ればその男は体は横に向けたまま、不自然なくらいに首をキッチリ()()()こちらに向け口元を緩ました。

 その口からは上着を()()染める程の血を流し、私の目を見据えているのが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()




 ()()()()()()()全身が凍り付く。




 アレから離れたい衝動に駆られ無我夢中で逃げた。

 駐車場に着き車庫入れをする際に普段と変わらぬドアミラーを見て、やっと我に返れた。


 だが後部座席を見る勇気は無かった。なので鍵をかけたら一目散に家へと走る。

 家族を無理やり起して念入りに体に「塩」を振り撒いて貰い、そのまま車にも「清めの塩」を念入りに撒いた。



 あれからかなりの時が過ぎたが、今でも()()()が脳裏に焼き付いて離れない。


*週末・・当時の勤め先は月曜日が定休日で私達にとっては日曜日が終末


 この手の昔話は体質のせいか結構あります。

 例えば畳の上で(布団を引いて)寝ていたら突然目が覚め「鼻から上だけの顔/お婆さん?」が「(多分だけど)布団に沿って」畳の上を瞬きせずに数周徘徊していのを見てしまったとか。

(寝ていた場所は上階。翌日に思ったのは『首から下の部分はどうなっていたのだろう。もしかしたら下階の天井から(下半身が)出ていたのでは?』と。そこそこ慣れており、今まで実害は無かったので大抵は笑い話で済ませれます)


 遭遇の大半は外で屋内は滅多にありませんが、どれこもれも悲しいことに前触れなく見えてしまう。そのくせ「近寄りたくない!」と感じたところでは何も見えない。


 アレって言うまでもなく出会いたくないんだけど、クッキリ見えるヤツに限って目が離せないんですね。でそういう時は「私と貴方は無関係!私を頼っても何もしてあげれない!」と母から伝授された決まり文句でその場を凌いでます。


 今後も「条件」が合えば、覚えている範囲で公開するかも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 臨場感があって、怖いですね。実際に体験したら...硬直して、もうなにもしたくない。って思うかもしれません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ