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第1話 キャラクリエイト

続いて更新。

キャラクリエイト画面です。



 ログインして、目を開けるとそこは宇宙を思わせる星の大海原。

 あちこちに星が煌めき、銀河が世界を彩る。

 感嘆すべき空間だ。思わず呼吸を忘れてしまう。

 VRはやはりすごいな。


 そう思っていた所に、宝石のような菱形の謎の物体が現れる。

 ここら辺は、過去作と変わらないらしい。


 「キャラ管理AIだっけ……」

 《キャラ作成を開始しますか?》

 「うん」


 管理AIの質問に答える方式でこのゲームはキャラを作成する。

 自分で弄るより、AIに任せた方がアバターの出来がいいというのもあるが、気合い入れてアバターを作り込むのが恥ずかしいという人のために、みんなと同じようにAIですよー、という言い訳ができるのが高ポイントである。

 運営も多分そこら辺を考慮してか、AIのアバター作成時の美形補正はちょっと引くレベルで高い。


 そんな事を考えてるうちに、質問が始まる。


 《キャラクターネームを決めてください》

 「ルルトア」

 《アバターを選択してください》

 「スキャンデータから、髪色と瞳の色だけ青に」

 《服装データを選択してください》

 「軽装魔道士Bで」

 《服装の配色データを選択してください》

 「白地に青で」


 キャラネームとアバターを口頭で、デフォルト装備の外見をカタログから選ぶ。

 ちなみに軽装魔道士Bとは、その名の通り軽装の魔道士服の2つ目のパターンだ。デザインとしてはシンプルなネクタイにブレザーと、どこかの制服の様な衣装になっている。それがボクの設定した通りに白地になり、要所要所が青く染まる。ちなみに、下半身の装備は女子ならミニスカにレギンス、男子ならズボンになっている。

 ボクは当然ながらズボンだ。男子だし。まぁ、キャラ作成終わってないからまだアバターはまだ出てないけど。


 《初回特典を開けますか?》

 「開けます」

 《初心者ポーション×5、初心者マナポーション×5、砥石×3、星屑の鍵×1を手に入れました》


 お次は初回特典である。内容としてはまずまずな感じ。

 だが、星屑の鍵が地味に嬉しい。これは、ボーナスモンスターであり、通常より沢山の経験値とお金をくれる『星屑ラビット』というレアモンスターが群生する異界に行ける一度限りの鍵だ。

 通常では、課金かイベントでしか入手できないもので、これだけでも初回特典を獲得した甲斐はあったと言える。

 ちなみに『星屑ラビット』自体は通常マップでも稀に見かけるらしいが、星屑の鍵を使って群生地帯に行くのと、通常マップで張り込むのとでは効率が段違いなのは言うまでもない。


 《クリアデータ:ルルトアを読み込みますか?》

 「読み込みます」

 《クリアデータを読み込み中…………》

 《クリアデータを読み込みました。アクセサリー『邪教の印』を手に入れました》


 次はクリアデータの読み込みである。といっても、強くてニューゲームとかではない。ただ、前作を遊んでくれたプレイヤーに向けて運営からささやかなプレゼントがあるだけだ。

 例えば、ボクが貰った邪教の印というアイテムは、邪神勢力の味方プレイヤーの取得経験値がレベル50まで30%上がるというもの。初回特典と組み合わせるとかなりイイ感じだ。尚、レベル50になると途端にただの記念品になるけど、別にそこまで求めてないから平気だ。


 《ご自身の所属する勢力を選択してください》

 「邪神勢力の『魔導神ヘイルランプラー』で」

 《所属勢力を決定しました。所属ボーナスとして、アクセサリー『闇のカンテラ』を手に入れました》


 次は勢力の選択である。信仰と言い換えてもいい。

 このコンタクト・ファンタジー・オンライン(以下CFO)では、『聖神グロースムント』と『邪神フォーマルハウト』が自身の眷属神を率いて世界の覇権を争っており、ボクらプレイヤーは、その勢力のどちらかに所属しなければならない。

 そして、所属する時に信仰対象を選択する必要があり、その信仰対象によって様々な恩恵を得られる様になっている。代わりに、邪神とその眷属神の勢力は邪神勢力として、聖神とその眷属神の勢力は聖神勢力として争うのだが………まぁ、勢力同士で争うのは基本イベント中くらいなので、割と邪神勢力と聖神勢力の混合パーティとかよく見かけるくらいだし、プレイヤーは恩恵で信仰を選んでも通常通りにプレイするなら何の問題もない。


 ちなみにボクの選んだ『魔導神ヘイルランプラー』は邪神勢力の眷属神で、恩恵として貰える『闇のカンテラ』は深淵を歩くものの手助けをする為の導とかなんとか設定に書かれてるからか、魔導書を読む時の要求レベルを緩和してくれる効果を持つ。でも装備しなければ意味は無いので、魔導書読解に必須の装備でアクセサリー欄が埋まっていたりしたら意味が無かったりする。

 だが、無いよりはマシだし、というかこれがあるかないかで、魔法の習得スピードが天と地なので、邪神勢力の魔法使いは選ぶ人も少なくない。

 …………まぁ、一番人気なのはステータス補正をくれる神なので、少なくないだけで多いわけでもないのだが。

 もっと言えば、トップである邪神フォーマルハウトが一番信仰されてるという、ある意味当然の結果があったりする。なんだよ、邪神勢力の味方の全ステータス補正って……汎用性高すぎるだろ…補正値も25%と別に低くもないし。


 《初期武器を設定してください》

 「あっ、はい。杖で」

 《設定しました。武器『初心者の杖』を手に入れました》


 いかんいかん、考えすぎてた。

 とりあえず、初期スキルはこの場では決められないので、これでキャラ作成は完了か。

 その後、痛覚設定などの細々とした設定をしたらキャラ作成完了である。


 《キャラ設定の完了を確認しました》

 《ルルトア様、良い旅を》


 よーし、頑張るぞー!


 視界が暗転し、星々の煌めきが遠ざかる中、ボクは気合いを入れ直した。



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