一方、バールの国のギルドでは……
「だからよぉ!! 俺たちは本当に見たんだって!! フールと獣人族の女がリザードマン・ロードを倒したって言いながら俺たちにその首を出してきてよぉ!!」
朝からギルドの集会所で戦士のガイがギルドメンバーたちに向けて、叫ぶような声で熱弁していた。
「またまた~~どうせ、フールの作った作り話でそのリザードマンの頭もどこかから拾って来たんじゃないの? いくら何でも2人でB級ダンジョン攻略だなんて、しかもあのフールだぞ? 無い無い無い!!」
1人の盗賊が笑いながらガイの話を否定する。それに合わせて、他の者たちもその話を誰も信じようとはしなかった。本当だと何度も説明をするがたかがD級冒険者であるガイの言葉など信じる者はいない。ガイのほかのパーティメンバーもフールの事を周りに伝えるがやはり信じないことに変わりはなかった。その時、2階から誰かが降りてくる。
「うるさいぞガイ! 何事だ!」
降りてきたのはこのギルドの有名人、S級冒険者のダレンだった。
「ああ、ダレンの兄貴!! 聞いてくださいよ! 俺たちが入ったダンジョンでフールとばったり出会ったんですがダンジョンをクリアしたとほざいて……そしたら、リザードマン・ロードの首を見せてきたのでこいつは本当だと思って!!」
「……詳しく聞かせろ」
「は、はい!!」
他のギルドメンバーとは裏腹にダレンはガイの話を真剣に聞き始める。ガイがダレンにダンジョンで起きたことを詳しく説明した。
「フールがいたダンジョンの難易度は?」
「B級です。あいつはF級で単体回復魔法しか使えない奴ですよ⁉ こんな事ありえん……」
「B級だと? あいつが?」
ダレンはフールが出て行ってからフールについての最初の話題が『フールがB級ダンジョンを獣人の女と攻略した』である。それを耳にしたダレンは最初は他のギルドメンバーと同じようにフールが何かインチキをしてダンジョン攻略をしたと見せかけたと思っていた。しかし、ガイの話の中で信憑性がある一言があった。それは『出会った場所がダンジョンボスの部屋であった』と言うとこである。インチキをするなら入り口、良くてダンジョンの途中だ。だが、奴らはしっかりと最深部まで到達していると言うところがS級の経験から思うフールの情報についての信憑性が高い点である。
しかし、まだこれだけでは情報が足りない。そう考えたダレンはギルド全体に命じた。
「お前らよく聞け!! もしフールの情報を手に入れたらすぐ俺に報告してくれ!! いいな⁉」
そう、ダレンが言うと先ほどまでの信じていなかったギルドメンバーたちは大きな声で返事をして手を上へと高らかに掲げた。
ガイがそれに見惚れている間にダレンは2階へと上がり、自室へと戻った。自室には魔導師のシュリンがベッドで横になっていた。
「下の階が騒がしいのだけど何かあったのかしら?」
「いや、そこまでではないが気になることができてな」
「へぇ……それって私よりも気になることなのかしら?」
「ははは、そんなことないぜシュリン。僕は君の方が気になってしょうがないさ」
「ふふ、まったく馬鹿な男ね……」
「馬鹿で結構さ……さぁ続きをしようか」
そして、ダレンは2人のいる部屋に差し込む日の光をカーテンで遮り、部屋を淡く照らしていたランプの灯を吹き消した。
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