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第124話 天魔会議①

 バルバドス場内の広い謁見の間にて、S級以上の冒険者達や聖騎士協会の地位の高い者たちなど、多く関係者たちが集まっていた。

 今から始まるのはパルバドス、魔人六柱、そして四大天とで今後の方針を決める大事な会議、魔人と天使が相まみえるという意味で名づけられた集会『天魔会議ビルダーバーグ』である。

 多くの者たちに囲まれた部屋の真ん中には円卓の机の真ん中にバルバドスが座っている。

 そして、魔人はロノウェーザ、マルルク、ウィーンドール、エリゴースが着席していた。そして、冷たい冷気と共に影からノンナも現れ着席する。


「まもなく四大天が来る」


「ご苦労、ノンナ」


 バルバドスはワインを一口含む。そして、会場の扉がゆっくり開かれると会場内にいる協会の人間が一斉に敬礼をした。

 四大天の証である、天使を模した美しい純白の袋に身を包んだ4人の女性が現れた。


 小柄で白い抱き枕を抱えたまま眠そうにしているサファイア色のショートボブ“慈悲無き天使(アポミュイオス)”ヴェルゼーブ。

 ヴェルゼーブとは対照的に 180cm 以上ある長身と豊満な胸を揺らしながら教会の人間に無邪気に手を振るエメラルド色のツインテール“渦巻いた天使(メルビル)”レヴィーア。

 体中に包帯を巻き、死んだ表情をしたプラチナの如く輝く白髪とルビーの様な赤髪の混ざったポニーテール”色欲の天使(アエーシュマ)”アスモディー。

 そして、この四大天のリーダーであり、蝶を模した半仮面を被ったオニキスを彷彿とさせる黒髪の美女”悪魔なる天使(フォールンエンジェル)”バルベリット。4人は各々席に着く。


 ヴェルゼーブは席に着くとすぐに枕を机に敷いて突っ伏する。


「みんなーー!! 今日は来てくれてありがとぉーー!!」


 レヴィーアは笑顔で周りの参加者たちに手を振る。気持ちは正にアイドル気分である。


「はぁ、早く帰りたい。なんで私がこんな人目の多いところに。私が居なくたって世界は回るでしょ……なんなのよ……だれも私を見てないくせに……」


 アスモディーは悲観的な言葉をブツブツと話している。


「……するなら、さっさと始めなさい」


 1人だけ姿勢を正し、バルバドスに視線を向けているバルベリットは静かにそう言った。


「ふっふっぷ、そろったみたいですねぇ。それでは始めますか……天魔会議を!」


 バルバドスは手に持ってるワイングラスを高らかに上げ、会議開始の宣言をした。

 今回、会議の進行役であるロノウェーザが立ち上がり、話を始める。


「今回の会議の議題ですが、3つほどございます。1つ目はウッサゴ内で起こったテロ行為の件、2つ目は奈落ノ深淵についての件、そして最後に国際指名手配の男についてです」


 ロノウェーザが座ると次に口を開いたのはバルバドスだった。


「四大天達よ。君たちには話しておかなくてはならない事案だ。まず、ウッサゴを治め、我ら計画の資金提供兼、研究を一任していたフェルメルが討たれた。しかも、そのテロ行為を行った者中に我ら聖騎士教会の者が加担しているという情報も手にしたのだ」


「その騎士の名は?」


 反応したのはバルベリットである。


「ウッサゴを任せていたウォルターという男だ」


「ウォルターか、教会内では実力のある騎士だな」


「そうだ。そんな騎士が反旗を翻したのだ。これは聖騎士教会にとってあってはならないことではないだろうか」


「私たちに問いかけたところで答えなど返さない。私たちはグランドクロスの命を聴き、実行に移すのみだ」


「えぇーーでも同胞だよ? もしかしたら何か理由があるかもしれないじゃない!」


 レヴィーアがニコニコと笑顔を見せながら話に入ってくる。しかし、そんなレヴィーアに対して、バルベリットは顔すら向かずに話し始める。


「同胞であれ何であれ、私たちに歯向かうということは、言わば神に反逆するのと同義。我ら四大天は神の使いとしてここに降り立っているのだ。そして、神を信仰し、秩序を守るのが騎士の務めだ。それを怠った時点で奴らは堕天したのと同義だ」


「バルベリットは相変わらず厳しいね。うん、私はみんなに従うだけだから。バルベリットがそういうなら私もそうする! ね、アスモディーもそう思うでしょ?」


「私なんて別に。私は従ってればいいし、発言したって誰も聞いてくれないし」


「うん! アスモディーも贅成みたい!ゼーブたんは?」


 ヴェルゼーブは机に突っ伏したまま、腕を上げてサムズアップしている。


「じゃあ、私たちは満場一致ということで!」


 レヴィーアはバルバドスに可愛らしい敬礼をして見せた。


「何も問題はないようだな、お前たちの命令は会議の最後に行う。次の話をしよう」


 バルバドスはワインを一杯飲んでから、話を始める。


「奈落ノ深淵内で行う儀式についてだ。幸いにもフェルメルが死ぬ前に研究を完成させていたようだ。朱雀、玄武、白虎の薬の複製は完了している。しかし、青龍だけは間に合わなかったようだ。私が持っている一本のみだが、問題はない。それと、我が部下の見事な手柄によって完璧な儀式の遂行に必要な生贄を捕えたのだ」


「僕のおかげです♪」


 マルルクは胸を張ってドヤ顔を会場中に振り撒く。


「まぁマルルクちゃんえらいですわぁ〜〜♡」


 ウィーンドールが蜘蛛の足でマルルクを掴み、手で撫でまわす。


「うわぁ!! ウィーンドール! 人前でくっつくなですぅ!!」


「ははは! これは素晴らしいことだ! 皇女の血があれば我が内なる邪竜の完全覚醒の時は近いのだ!!」


 パルバドスは興奮した様子で立ち上がるが、すぐに我に返って座りなおす。


「失礼。少々酒も回っているようだ。話を続ける。この天廃会議終了後、すぐに御子を連れて奈落ノ深淵へ向かう。良いな?」


 一斉に魔人たちは頷いた。そして、会議は住境に差し掛かる。


「さて、残る話が1番重要なのだが……フールについてだ」


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