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26 人形使いルカ5



「そうだった!今日はルカにお礼を言いに来たんだ」

「お礼??」


 くま吉に隠れたルカの声が聞こえる。


「今朝の話なんだけど、ギルマスが宿に来て、僕になんと急にA級になってくれって言ってきたんだ!A級だよA級!」

「それで、どうしたの?」


 ひょこっと顔をだして不安そうなルカに、僕はびしっとキメ顔で言ってやった。


「もちろん、断ってやった!」


 長い睫毛をしぱたき、目を大きく開くルカ。


「え、A級なのに??」

「うん。言ってやったね!ちり紙以下なんだよって」


 ルカが笑いすぎて苦しそうにお腹を押さえる、くま吉はジャンプした。


「アハハハハ。貴方、最高よ!」

「おう、ナイスだぜ相棒っ。男気ぃ見せたじゃねぇか!」


 めちゃくちゃ笑ってる。

 それに、くま吉も誇らしげだ。

 僕もなんだか嬉しくなった。

  

「そうかな?」

「だって、A級よ。それを迷いなく断るなんてどうかしてる。格好良すぎ」

「痺れるぜぇ相棒」


 確かに子供みたいな理由で断った。

 でも、それでいいんじゃないのかな。

 ルカは、笑いすぎて出た涙をレースがついた高そうなハンカチで拭いてた。


「だって、もう嫌だったんだ。断れたのはルカのおかげ」

「ふふっ、感謝しなさい。褒めてあげる」


 なぜか僕の事を撫でようとしてきたから、ひらりと避けたらぶすっとされた。


 くだらない話をして、


 まったりと時間は過ぎる。



 ちくちくと、ウサギ達はゆっくりと針を刺し、穏やかな時間に笑い声が溶け込む。

 贅沢な時間。

 


 クッキーが最後の1枚になったとき、ルカが、そわそわしながら聞いてきた。


 それは、皆が腫れ物のように避け続けてきた質問だった。



「それで、貴方。仕事はどうするの?いつから働くの?」



 心にざくっと刺さる。

 仕事しなきゃいけないのかな?

 そうなのかもしれないけど。


 でも、僕は



「まだ・・・・働きたく無いんだ」



 とりあえずお金が尽きるまでは良いよね?


 それを聞いたルカは、なぜかとても上機嫌なご様子で熊とイェーイとハイタッチしだした。


 え?

 酷くない?

 僕はぎょっとする。

 ご機嫌なルカが聞いてきた。


「そうなんだ!それでいつ来るの?」

「いつとは?」


 全く繋がらない会話に疑問を挟むと、食い気味なルカがニマニマしながら説明してくる。


「だって仕事しないならお金尽きるでしょ。宿を追い出される。友達のいない貴方は私の所にくるしかない」

「何だ、その三段論法。友達はいますしー」


 えーと、リィナとかリィナ母とか。

 ほら2人も!

 もう、ぼっちは卒業したのだ。


「嘘…浮気された…」


 信じられないって顔で目を見開いて口に手を当てて見てきたけど本当だから。それに幼女と人妻だよ?

 くま吉がまるで慰めるようにルカに向かって両手を広げると、よよよ、と泣きまねをしたルカがくま吉に抱きつく。きめ細やかな肌がふわふわボディに吸いつく。

 君たち・・失礼だよ。僕には友達ぐらいちゃんといるし。


「まあ、それも候補にいれとくよ」


 本当に?って顔で見てくる。

 ごろにゃーん。

 と甘えたような仕草と声で。


「よく考えてね、エクス」


 にこにこしながら言ってきた。

 この子、そんなにぼっちが嫌だったのか。なんて可哀相なんだ。ううっ。

 分かるよ。

 でも、もうそんな心配は今日からさせないから。

 僕は微笑む。

 

「安心して、僕はルカとも友達だから」


 痛っぁ!なんで!?

 ルカがなぜか机の下から蹴ってきた。


「よく考えてね!」


 しかも怒ってるし、理不尽がすぎる。

 そんなんだから、ぼっちなんだぞ。

 ルカはよく分からないや。


「今のは、相棒が悪いんだからな」


 おおっと、熊まで追撃してきたぞ。

 どうやら僕が悪いみたいだ。

 

 えええー。

 よく考えたのに。なんで?



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― 新着の感想 ―
[一言] >えーと、リィナとかリィナ母とか。 ヤンデレルカ「泥棒猫の匂いがする!!!」
[良い点]  エクスがヒモになろうとしている! 家事は仕事のうちに入れてるんだろうか。  こう、すごく目を引かれるタイトルですね。
[一言] ルカ編長いな
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