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165/207

165 バイト紹介1


 むすぅとしたルカに気づき、耳を傾ける。


「どうしたのルカ?」

「エクス、ルカ帝国とか嫌」

「あぁ、うん。それで?」


 ルカが悪戯っぽく笑った気がした。


「エクス一家にしましょう!」

「ええー。僕がそれを言うの?」


 くいっと裾を引っ張ったまま期待の眼差しで見てくるから、助けを求めてくま吉をちらりと見たらサムズアップ。


「アニキ、どうしたんだ?」


 人助けなんてするんじゃなかったかも。


「こほん。ルカは、ルカ帝国よりエクス一家が良いと申しております」


 ほら、戸惑ってる。

 ううっ今度は僕に膝まづいてきた。


「「すみませんでしたルカさまっ。エクス一家として、この命を捧げます」」


 友達が欲しかったはずなのに。

 満足げなルカがいるから、まぁ良いか。


「行こうか、案内するよ」

「「はいっ」」


 スラムドックスの3人を連れて定食屋に着くと全然人手が足りて無いのか客もガヤガヤしていて凄くうるさい。


「すいませーん」


 どうにか待ってるお客さんを押しのけて中に入ると、見慣れない酔っ払いが痺れを切らしたのか立ち上がって大声をあげた。


「姉ちゃん、遅せえぞ!頼んだエールはまだなのか!」

「そうだーそうだー」


 毛が逆立った店員さんがジョッキを持って現れると、酔っ払いの顔がニヤつく。


「へへっ遅えじゃねえか、身体で詫びてくれても」

「うっせえ」


 ガンッと客がジョッキで殴られて、ニヤついたままズーンと倒れた。

 相当イラついているのかさらに、テーブルにザクッと切れ味+1のフォークが突き刺さり、残った仲間達の顔が青ざめる。

 ·····声掛けたくないなぁ。


「あのー」

「あ!? ってエクス?どうしたんだ?」


 ふえええ。

 心臓がバクバクするよぉ。

 一瞬見せた顔は捕食者のそれだったんだもん。


「まさか、お姉ちゃんに会いに来たのか!もしかして手伝いに?」

「いえ、違います」


 喜びの顔からぷくっと頬を膨らませた。


「えー」

「でも、助っ人を連れて来ましたので」


 そう言って、リーダーを前に押し出すと、キラリンと目が輝き、背中を摘んでひょいっと担ぎあげた。


「うわっ!」

「ありがとなーエクス」

「·····どういたしまして」

 

 助けを求めるリーダーから目を逸らす。


「アニキ?」

「·····」

「店長ー!エクスがー」

「なんだあ、バイトォまだ料理は出来てねえよ」


 ずかずかと厨房へ連れ去られた。


「エクスが助っ人を連れてくれました」

「なんだと? そいつは助かるなあ」

「ひいっ」


 頑張って。

 店長は怖いけど良い人だよ。

 横から申し訳なさそうに声がした。

 

「ありがとうな助かったよ坊主。ここの店員があんなにおっかねぇとは知らなくて」

「いえ。どういたしまして」


 酔っ払いの仲間がお礼を言ってきたので軽く会釈したら、店員さんが帰ってきたのでさっと顔を隠された。


「エクスもお姉ちゃんと働こうよー。賄い美味しいし、ここは楽しいよ」

「また今度で」


 ぶうたれる店員さんに、厨房から助けの声が。


「バイトぉぉぉ、ちょっと来てくれ」

「はーいっ店長」


 よし、まずは一件目が終了。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] えーと、酔っぱらいが口に刺したりお互い刺し合ったりすると危ないから、自衛用ですね、きっと。(フォーク)
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