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テトの冒険  作者: ともピアノ
8/49

剣士と魔導師

ドレスを来たヒナが部屋を出て朝食を食べに向かってい


る。


廊下を歩きながら、兵士や養女達に頭を下げられて声を掛


けられる。


「ヒナお嬢様、ヒナお嬢様、ヒナお嬢様、お綺麗です、


お綺麗です」


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


「ヒナお嬢様、ヒナお嬢様、ヒナお嬢様、お綺麗です、


お綺麗です」


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


ヒナは照れくさそうにそれぞれの兵士や養女達に頭を下げ


ていた。


皆んなー、そんなに言われたら、嬉しくなっちゃうよー。


廊下を歩くのが、こんなに、ソワソワさせられるなんて


ー。


廊下がいつもより長く感じるよ。


本当に、ありがとう、ありがとう、ありがとう。


もう、イイよーーーー。


早く食事室に着けーーーーーーーーーーーー。


早く食事室に着けーーーーーーーーーーーー。


早く食事室に着けーーーーーーーーーーーー。


早く食事室に着けーーーーーーーーーーーー。


「ヒナお嬢様、ヒナお嬢様、ヒナお嬢様、お綺麗です、


お綺麗です」


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


んもうー、イイから、イイから、イイから。


んもうー、イイから、イイから、イイから。


ヒナは食事室に着いて装飾が施された両開きのドアを開け


た。


「お父様、お母様、お早うございます」


「おぅっ、お早う、ヒナ、んー綺麗だ」


「あらっ、お早う、ヒナ、良い、良い、良い、綺麗ね


髪型も、似合ってる、似合ってるよー」


栗色の長髪を後ろに揃えた、眉が図太く、彫りが深く


鋭く煌めいた眼で、口が大きく、顎がビシッとした


中太りのドッシリとした姿の国王イガルドと


栗色の背中の中心まで伸びた長髪のパーマで、眉は中太


で、丸みを帯びた顔に、透き通る水色の眼の、口が可愛く


顎がシャープな、膨よかな姿の皇女レイラがいた。


イガルドは、紫色のローブをまとい。


レイラは、水色のドレスを着ている。


「ヒナお嬢様、お早うございます、お綺麗です」


黒色のピッシャリとしたスーツ姿のひつじのセバスが声掛


けした。


「いただきます」


「いただきます」


「いただきます」


三人は食事を始める。


テーブルには、シャケのムニエル、香ばしいガーリックラ


イス、カボチャのスープ、魚介にブロッコリーとワカメの


サラダ、色とりどりの果物、と、フレンチトーストなど


多種多様な食事が、置かれていた。


食事はしばらく静かに進んだ。


「ヒナ、今日は、ドレスを着たりして、どうかしたの」


「お母様、黄色い服が無くて、黄色が良かったので」


「そう、でも、綺麗よ、とても・・・髪も」


「髪はツネが、パーマにしたらって、勝手に・・・意地悪


されたの」


「そうなの、ふう〜ん、良いよ、・・・意地悪されたんだ


ツネにね」


「お母様、それにね、ツネったら、ふっふっふって、笑う


のよ、テトがどうのこうのって、分からないんだけど、お


母様なんでか知らない」


「テトが・・・んー成る程ね、ふっふっふ」


「お母様、何、笑ってるの、オカシイ、お母様」


「お父様、お父様、どうにかしてー」


「そうか、そうか、そうか」


「ふっふっふ、ふっふっふ、ふっふっふ」


「お母様ー、お母様ー、お食事中ですよーーーー」


「そうか、そうか、そうか」


イガルドは静かにうなずいている。


「お父様も、何にうなずいているの」


「そりゃー、食事が美味いからだよ」


「ふっふっふ、ふっふっふ、ふっふっふ」


「お母様、まだ、笑ってる、食事中です」


「いや〜、今日の食事は美味い、特にシャケのムニエルは


格別だーーー」


「そうねー、カボチャのスープは、トロけるように美味い


わ、それに、ふっふっふ」


「ヒナ、ヒナ、ヒナ、食事が、進んどらんぞ」


「そうね、細かい事は気にしないで、食べたら、ふっふっ


ふ」


ヒナはホークとナイフを置いて二人をにらんでいた。


「今日は本当に美味しい、実に」


「そうね、・・・ヒナのおかげねー、・・・ふっふっふ、


ふっふっふ、ふっふっふ」


ヒナは、ホークとナイフを持って、テーブルの中央から


パンとハムエッグを取って、ガツガツと食べた。


「んー、んー、ミルクも美味しい」


「そうねー、だって、・・・テトの家の、・・・特別に


美味しいねー、ヒナ、ヒナも飲んだら」


「何よー、まだパンが、スープが残ってるわー」


「カボチャのスープは、美味い、でもミルクもいいぞヒ


ナ」


「そうよ、・・・特別よー、テトの、・・・ふっふっふ、


ふっふっふ」


「お父様、お母様、確かにテト家のミルクは美味しいけど


今日は特別って、教えてよー、教えてよー」


お父様もお母様も、今日は、ニヤニヤして朝食を食べてた


けど、何がどうなってるのよ。


ニヤニヤ、ニヤニヤ、ニヤニヤして、気持ち悪いわ。


テトの家のミルクが美味しいのは今日は特別にって、


どういう事よ。


テトーーー、テトーーー


テトに会えば・・・今日は朝から変な感じだ。


早く早くテトに会いたいなーーーー。


早く早く早く、早く早く早くーーーーーーーーー。









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