剣士と魔導師
テトのいる国は、大陸に覆われていて、三つの国が共存し
ている。
テトの国、イガルド、西にウストラ、南にカリストと別れ
ている。
今から千年前は、三つの国はお互いを占領と行き望んでい
た。
ある時、大陸のずっと果ての方から魔族が襲い押し寄せて
来た。
あまりの強豪さに一つの国だけでは対抗出来ずにいた。
そこで、三つの国は手を取り合い魔族に立ち向かった。
そして、魔族を全滅させるのに成功した。
それから、ひとまず、平和が訪れた。
が、しかし、五百年後、また、魔族がやって来た。
三つの国は再戦をして、魔族を全滅に成功した。
そのことから、五百後になると、魔族がやって来ると世間
には噂になっていた。
「テトー、良い魚が釣れとるぞー」
市場で魚屋のマルがテトに声を掛けている。
「悪いね、今日は、昨日の残りが冷凍してるし」
今は野菜と、もやしにキノコと後、スパイスと金は無駄使
いは駄目だから。
今日は、ラーメンだから、ごま油を忘れないようにしないと。
市場は賑やかなよそおいに、甘ーい香りが所かしこから伝
わって来る。
肉をたたいたり、切り込んだりする音が鳴っている。
商人たちの会話も聞こえる。
まだ、夕陽が、落ちるには早すぎて、かけっ子している幼
児の元気な声が聞こえる。
「テト、今日は、ラーメンだな、鼻をすするスパイスに、
ごま油の香りが良い」
祖父のワクーンと、祖母のマリンが仕事終わりの装いで、
裏戸を開けて入って来た。
「オジィ、バア、ご飯出来たよ、テーブルに座って」
「テト特製のもやしぶっかけのキノコラーメン」
「うまそうだ、腹の虫も大暴れだな」
「本当そうね、食べ過ぎないようにしないとね」
やったー、ほめられた。今日のは百点満点だな。
ガッツ、ゲッツ、ポーズを決めた。
「ほら、テト、お前も、食べなよ、洗い物は後にして」
「うん、食べるー」
テトは、自分でも満足に出来たラーメンを美味しい、美味
しいと何度も何度も口ぐさ見ながら美味しく味わった。
「テトー、一緒に風呂入ろう、熱いお湯が沸いたぞー」
ワクーンは洗面器のお湯を頭からかぶりながらテトを呼ん
でいる。
「テトー、背中流してくれ」
「あいよー、まかせて」
「んー、テト、力ついたな、五才にしては筋肉あるぞ」
「あんよ、見てみろオレの筋肉じゃ」
「ワッハッハ、ワッハッハ」
テトの笑いに負けじとワクーンも大声だして笑った。
「ワッハッハ、ワッハッハ、ワッハッハ」
「テト寝るか、それとも、絵本読むかー」
ワクーンが、本棚の書物を物色しながら呼びかけている。
テトはワクーンの方へ寄って来て、これと指差す。
そこには、「剣と魔法のくらし」と名が付いている。
「テトは、これが好きだな、これで、五十回目だな」
「だって、好きなんだもん。特に主人公のサライがカッコ
イイだ」
「テト、ジィは、もう、暗記してるぞ」
むかし、むかし、ある所に、剣の好きな男の子がいた。
・・・・
テトは、夢を見ていた。町は火の粉に焼け落ちて、かしこ
に、魔族の群れが暴れている。
空には魔族の大群が飛び交っている。
ワクーンと、マリンが、テトをかばい襲い掛かって来る魔
族に殺されている。
「オジィー、バアー、駄目だーーー死なないで」
「テトー、テトー、大丈夫か、おい、テトーーー」
テトは目を覚ました。
夢か、夢で良かった。んー、オジィ。
「テトーーー、どうしたんだ」
「夢だよ、ちょっと、嫌な夢を見てた」
「夢か、まあいい、支度しろ」
「今日は豊作だ、畑に行くぞ」
「裏の畑でホイホイ〜、宝の実がなりホイホイ〜」
テトも負けじと歌を歌う
「オジィとバアの畑でホイホイ〜、ワッハッハ、ワッハッ
ハ、宝の実が出てホイホイ」
ダイコン、ニンジン、ジャガイモと根菜類がある。
ダイコン畑では、テトは土を手でどけて力一杯エイっとオ
ジィと一緒に引き抜く。
ニンジンだって、慣れたもの、他の苗を傷付けずポッと抜
き取る。
ジャガイモは、根を見つけてからが、大事だ、しっかりた
どって、当たりをつけてオジィとバアに確認しながら抜き
取る。
「ヤッターーー」
まだやるよ、まだまだ、畑には豊作だらけ。
今が大切な時なんだ。
オジィとバアに美味しいもん作るんだ。
ハンバーグに、オムライス、シチューにカレー
いっぱいいっぱい、作るんだ。
オジィとバアにもっともっと料理を教わって。
テトは、今日も家の庭で剣の練習に励んでいる。
エイっ、ヤー、トウー、左右連続十回のなぎ払いから
突き突き突きの連撃。
年数を重ねての防具群への打撃で、練習器具はボロボロに
なっている。
その側でヒナが、スマホで練習風景を撮っている。
「ヒナー、ケアル頼む」
「カッコイイ、待ってね」
テトは、VRをヒナから受け取りゴーグルをかぶりスタート
を押した。