表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テトの冒険  作者: ともピアノ
1/49

剣士と魔導師

むかし、むかし、ある所に、ある所といってもそんな過去


の事の話ではない。


テトは、家の庭で剣の練習をしている。


エイっ、右払い、突き、上段防御、こういう時は後ろに下


がって、間合いを取って、上、下、横と剣で防御しながら


隙を見て突きを出して上段中段に下段の連続反撃で。


「テトー、そこは一回、廻った方がカッコイイな」


テトの練習をスマホで、撮りながら幼なじみのヒナが、


TikTokで創作している。


剣や魔法の存在するこの世界は「すり抜けの壁」と言う現


在の人間界に繋がる壁がある。


だから、この世界には、現在の人間界の文化的な事を取り


入れる習慣が存在している。


町中に電柱や、電波を伝えるアンテナがある。


この前も、現在の人間界に旅行して帰って来た者が、なん



新型コロナウィルスに感染して、大変な騒ぎだった。


どうにかして、現在の人間界の医療技術に魔法がくわさっ



この国の五十万人の約二千分の一の三百人程度で、感染を


とどめ、今は安心して町を歩けるようになった。



「テトー、イケメン、カッコイイー、そこだ、突けつけー」


テトは、ヒナから見てイケメンで、単茶髪に太眉にキリッ


とした水色の眼に鼻すじの整った、若い頃のディカプリオ


に似ている。


確かにカッコイイ。


エイっ、トゥー、エイっ、トゥー、突き、上段斬りの連続


を繰り出す。


テトの周りにはテトの祖父が、むかし、テトの父のために


木のクズと笹と革ひもで作った防具群が重数本植えられて


いる。


テトの祖父は引退して今は裏の畑に小さい牧場をしてい


る。


テトは両親が仕事が忙しいため祖父母の家に住んでいる。


父は軍隊の指揮官、母は魔導院の教師をしている。


テトは防具群に、上段上段、中段に、突き突き、上段上


段、回し斬り、回し斬りと立ち向かう。


テトの身体はヘトヘトだ


手の皮は豆や向けで、これ以上剣が持てなくなっていた。


「ヒナー、ケアルしてくれー」


ヒナは、肩に届く位の銀髪で、大人っぽい細眉とクリクリ


の大きな眼に目鼻立ちの整った広瀬すずの子供の頃に似て


いた。


母が、過去に魔導院の役員をしていて、ケアルは、母から


三才の頃から、教えられた。


ヒナがどうしてもテトの毎日練習する


のに、何か手伝いが出来ないと考えての事だった。


最初は手の中に光を集める練習から始まった。


うー、うー、「ママー、出来ない」


うー、うー、「ママ、無理だ」


「集中して、ヒナ、手のひらの中心に思いを集めて」


うー、うー、はぁ、はぁ、うー、うー、はぁ、はぁ


「ママ、出来ない、出来ない、出来ないよー」


「ヒナー、こっち来なさい」


「お祈り、お祈りしなさい、ご先祖様にお祈りしなさい


まずは、信仰が大切なの」


「オイノリ」


「こっちへ来て祭壇に両手を重ねてお祈りやお願いするの」


「オイノリ、オイノリ、ケアルが出来ますように」


それから、練習に練習を重ね、思いを長く手のひらに集め


る事が出来る様になった。


それでも、最初は火傷や筋肉痛にに悩まされた。


テトへの手助けになりたい一心で必至に練習した。


そして、三才から始めて二年で、ケアルを使える様になった。


「ヒナー、ありがとうな、助かるよ」


「うん、テトー、TikTok見てみる」


ヒナはスマホをテトに渡した。


スピード間あるリズムの映像と音楽の中でもテトが剣を


振るっている。


「少し分かりづらいな、別のは無いのか」


「そうー、いいと思うよ、カッコイイ」


「あるよ、ユウーチュウーブにあげたのが」


ユーチューブには、たくさんのテトの剣の練習をする


動画があげられていた。


「うん、いい、いい、」


・・・そうか、右斬りから左斬りは、ワンパターンか


・・・ヨッシ、そこで、右周りだな。


「ヒナー、VRの装置取ってくれ」


テトはVRのゴーグルをはめ、装置をレベル五にセットして


スタートのボタンを押した。


暗い空間にキーボドが、現れて、ステージを城の周辺にし


たら、画面をスライドして行った。


武器は短剣、素振りで疲れないためだ。


目の前には草原が広がっている。


静かなドラクエのメロディーが流れている。


ちゅうちょせずに、左側に青スライムが現れた。


敵出現の音楽に変わった。


スライムはレベル五では攻撃しないが、ぶつかっては


ひとたまりもない。


直ぐに、身を屈んで避けた。


ヨシッ、まず、一匹二匹三匹と、正面から来るスライムを


なぎ払い消して行く。


十、二十、三十、五十と一気に消しさる。


右から左、前から後ろ、とスライムたちとのもうせんだ。


百匹目を切り倒した後に、緑のランプと共に休憩となる。


目指すは千匹斬りだ。今は休憩しよう。


息が少し荒いか、肩で呼吸してるな。


ヒナは、テトがVRに向かっている間はひまで仕方なかっ


た。


肩に下げてる鞄からドロンを出して操作し出した。


小型のおもちゃの様なドロンを手のひらから


顔の近くまで移動させて動かす。


そして、上空まで飛ばした。


まだ、二十メートル範囲しか操作出来ない。


それでも、空から見る景色は綺麗だった。


テトのいる国の世界が広がっていた。























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ