3話
トモヤが不良に絡まれていた…
俺は、思わず自転車を止めてしまった。
不良達がこっちをみている。関わらないようにするって今日言ったばっかなのになぁ。
「おめぇ、なんだ?コイツのお仲間か?」
やばい、逃げたい…けどトモヤがいるからなぁ。
とりあえず、この場をどうにかするには…
「おうよ。ソイツは俺のダチだ。てめぇらどこのモンなんだ?」
こうなりゃハッタリで何とかするしかねぇ!
「なんやお前?調子乗んなよ」
不良がそう言って、こっちに向かって殴りかかってきた。俺はソレを読んでカウンターを…
ボコッ
鼻から血がタラタラ流れて来た。
……自分の鼻から
まぁカウンターなんか決めれる訳が無い。普通に殴られて血が出た。痛いけど、まだ立てる!
「なんだお前?大した事ねーな。」
不良は、倒れてる俺を見て鼻で笑った。
「俺ら、マツ高にケンカ売ってくるとは、どんな奴かと思ったがただの世間知らずか。」
不良はそう言うと、ゆっくり俺に近づいて来た。
やべぇもう無理やん…
その時遠くから、……クォーンクォーンと、聞き慣れない、気高い音が近づいて来た。
不良は、「あの音は、…さんのじゃねぇのか?」とか、言って固まってる。
その音がココに確実に近づいて来ている。やべぇコイツらよりやべぇ奴が来るのか…
そして姿を表したのは、白く細いタンクで、3気筒のバイクだった。
「てめぇら、カツアゲはすんなって言っただろ!」
来てそうそう、そのバイクにまたがった奴が言った。
「「ユタカさん…すいませんでした!!」」
不良達は、完全にビビって謝っている。
「おめぇら、済まなかったな。あ、お前血が出てるじゃねーか。詫びするからよーとりあえず乗れって」
そう言ってバイクのシートの後ろをポンポンした。俺はそんな詫び欲しくねぇ!だが…あの不良がビビる奴なんだ断ればヤバい。ここは大人しくついて行こう。
「トモヤ先帰れよ。俺ちょっと行ってくるわ」
とりあえず、今のうちにトモヤを逃がすか。
「う、うん分かった」
トモヤは、俺の思いを感じ取ってくれたみたいだった。だが、心配そうな顔でこっちを見ているなぁ。ココはニッコリ笑っとこう。
「早く乗れよ」
そう急かされ、シートの後ろに座ると、埃のような匂いがした。
「よし、行くか」
クォーン クォーン
独特な排気音と白煙を撒きながら、進んで行った。
俺、どうなるだろう…