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File1
事実 なんだから仕方ないでしょう~~~‼
そりゃ…あんまり自慢できるもんじゃない‼
…ないけど…。
そりゃぁ そうなんだけど
別に、誰かにわかってくれとも言わない。
でも 理不尽だ‼
ひどい話過ぎて
頭痛い…。
くそ神様!!
恨みます⚓⚓⚓
わたくし 武藤 明日香
花も綻ぶJK
ただいま自室のベッドの上で
お気に入りの くまさん
抱きかかえながら悶絶中
いたいけな17歳
わたしが何したんじゃ
何にも悪いことして無いのにぃ~~~。
はぁ~~
今日、何百回目のため息かしら…。
このため息の原因は
言わずもがな
自分自身にある…。
何の因果か
私、あまり人に言えない秘密持ち。
ああ、そうですとも
タイトル見てお判りとも思いますが
視えるんです。
うれしくないんですがね…。
中学生になってから突然目覚めたこのいらない力
高校入った頃から益々たくましく成長してきた。
でもね、この力
今回の件
本気でどうにかしたいと
思ったね…。
事の発端は
期末テスト直前に迫った一週間前
いきなりですよ。
通りすがりの見知らぬ おっさん。
うっかり目が合っちゃったもんだから
普通に挨拶しっちゃったのよね…。
「こんにちは、今日は暑いですね。」
会釈すると
かなり驚いた顔して
でも丁寧に会釈かえしてくれたのよね・・・。
肩に何か引っかかっていて
「あっ・・・ゴミがついていますよ・・・。」
暑いってのに
季節外れな服 着ている上に
細長~い糸 ずるずるぶら下げて・・・
おちゃめなおっさんだなぁ~なんて思いながら、
こっちから普通に引っ張って取ってあげたんだよね…。
そしたら おちゃめなおっさん ますます驚いた顔したよ…。
{~~~~~}
その瞬間だよ
後悔するのには1秒も経たなかったね アハっ✩
…おっさん
なにか
話かけているんだろうけど…。
もはや その言葉とやらは
頭痛を伴う耳鳴りでしかない
えっと…。
また、やっちまったね (笑)
はいはい
普通に視えない方だったわけね…。
そりゃ私から話しかけたわよ…
ゴミ? 糸? とっちゃったのが悪かったのか…。
でもね、私
他の人に視えない方とお話はできないのよ。
だからね、しまったと思ったら
後は視えないふりするの
つまり、ガン無視。
わからないお話に付き合っちゃうほど
私 暇じゃないし、
そこまでやさしくないの。
でも おっさん
めっちゃ 私に話しかけている (たぶん)
このぶんじゃ 学校までついてくるよね~( ;∀;)
「学校まで憑いてくんなよ‼」
…言ったね…。
……伝わらなかった、ね✩
私あなたのこと知らないのよ?
そもそも
あなたがいつ頃までどこで
元気に生息なさっていたかすら
わからない。
ただ視えたってだけで
学校まで憑いてくるのって…
お・か・し・い・ね~???
はい、もちろん
バカ丁寧にお断りしましたよ。
「えっとねぇ 他を当たってください。
私、他人よりちょーっとよく視えるだけなんで。
全くお役に立てないと思われますよ~?」
最初に断ったんですよ。
断ったの‼
それなのにこのおっさん…
学校だけにとどまらず
ここ数日勝手に
憑いてきましたよ><
いやぁ
霊の存在っての…。
これでも一応 黙認している私もいるのよ…。
日常茶飯事
だからね…。
黙ってくれてたらまだ放置プレイできてた。
必殺ガン無視…ね。
なのに、このおっさんと来たら…
ずーっとぶつぶつ言ってくるのよ。
そりゃあもう、
昼は耳鳴り
夜は金縛り
人の事なんてお構いなく…。
ただでさえ
落とすわけにいかない
世界史のテスト中でも
切羽詰まってるこっちの都合なんておかまいなし。
訳わからない耳鳴りと頭痛
あのね?
おっさん…。
正直…ね…わかるでしょう?
あのね…期末だったのよ。
言っちゃう
今まで我慢してきたけど
ごめん、もう言っちゃうね…
我慢も限界✩
あのね おっさん
あなたね
う・ざ・い・✩
うざいってな もんじゃないでしょう。
他人に頼るなよ…。
袖すりあうも多生の縁?
今時流行らないでしょう?
お願いだから耳元でぶつぶつ
囁かないで
耳鳴りでしかないのよ
わたしにとって
だ・か・ら
成仏してください✩
おっさんのせいで
ろくに休めないゎ
勉強できないゎ
寄りにもよって
世界史…。
止まない耳鳴り
頭の痛み肩の重み
辛過ぎるです。
いい加減してよwww
神様 本気でいらん
この役に立たない力
視えるだけって
意味あるのか?
はぁぁ~~~(´;ω;`)
盛大なため息が
期末の結果を物語っている…。
母上様に怒られるの、確定ね ウフっ✩
もう、泣いちゃうwww
待ちに待った夏休み\(^o^)/
もちろん補習確定の私は
終了式終わっても普通に登校さ…。
それもこれもこの忌々しいおっさんのせいだ
でも、どうすれば離れてくれるんだろう。
とりあえず、
近所にある古い神社に
お参りでもしてみるか。
いつもお塩は
持ってるけど…。
お札も貰っちゃう?
そんで貼っちゃう?? (笑)
そして、おっさんよ…。成仏するがいい。
ふはははははh…!
日曜日の爽やかな朝
何の因果でこのうら若き乙女が
一人神社でお札買いに行かにゃならんのじゃあああああ!!
「お母さん、ちょっと行ってくるゎ。」
おっさんのおかげで全く食欲ない。
野菜サラダと紅茶だけの
ヘルシー朝ごはん食べながら
台所のお母さんに話しかける。
流しで洗い物しながら、
「ふ~ん。気を付けてね。
あんた、この前からなんか拾ってるでしょ?
お父さん出張だから祓えないもんね。」
「うん。」
【やっぱり気付いてたんだ。お母さん…。】
ちょっと うるるん…。ってなっちゃったのに
間髪入れずに一言
「でも、拾ってくるのはあなたに隙があるからよぉ。
期末の結果は自分の責任だからね♪♪」
撃沈…。
「お姉ちゃん どんくさいからね。
そんなもん気にするから憑いて来るんでしょ。」
「お姉ちゃん怖いよ…。 まだ…いるね…。」
出ました。
我が家の中途半端集団
紹介しましょう。
まず、母 碧生
未だに父とラヴラブボンバー
お前はJKかってノリの
40歳
不思議体験は私の比では無いくらいある。
霊感も私とは明らかに違う
感じ方をするようだけど
ちょっとはあるみたい。
続きまして
中3次女 彩夢
全く霊は視えないのに
感だけは鋭すぎる女。
口はわるいのに同級生の女子からはなぜか人気がある。
小5長男 敦
かなり臆病者
やさしい、いい子だけど
ほんと 怖がりな上に泣き虫
質が悪いことに
敦ははっきりと視えるタイプのようで。
私がおっさん拾ってきてからは
かなり露骨に私の事、避けてます。
わかっているんだけど、なんか悲しいゎ。
そして、まだ出張から帰ってきていませんが、
父 亮文
これがまた、最強
霊感ゼロなのに 霊たちは
父さんがいると我が家に入ってこられない。
凄いことだけど、
本人は自分が祓っていることなんか
全然気付いてない
ある意味 一番の謎。
祓う力は
我が家で1番。
父さんも寄りによって期末前なんか
出張すんなやぁ~(泣)
ほんと使えないな。
居ないのなら仕方ない…。
「彩夢、ほんとに付き合ってくれないの?」
「うるさい。…長女が甘えるなよ?」
「うぅっ彩夢冷たい!!」
そして、怯えた目で見つめる敦
「…敦も、お姉ちゃんも好きで連れて来てんじゃあないからぁ
そんなに怖がらないでよっ!!一応 神社行って頑張ってみるから。
…いいよもう、一人で行きますよ!!
ええ!! 一人で行きますともっ!! 」
君がぁ~行く道わぁ~
果てしぃ~なく遠ぉい~♪
なのにゅいなずぇ~歯をくぅいしぃばぁりぃ~♬
君ゎぁゆくぅのかぁぁ~そんぬゎにしてぇまぁでぇ~♪
あぁ頭の中、バックミュージックが聞こえてくる(泣)
実は昨日も彩夢に神社行くの付き合ってって頼んだんですよ。
そしたら、
「明日は、のんちゃんとデートだから無理ww」
…って断られてるんだよね。
こっちが二回も頼んでるのに友達を優先させるのね…
まぁわかってましたけど??! (泣)
【くっそぉ~!! お姉様が困ってるのに薄情な奴だ(-“-)】
「明日香、行っきまーす!!!」
ずっと憑いてくるおっさんを祓うべく
重たい頭を持ち上げ、
某アニメの主人公ばりの声をだし、
いざ、近所の神社へ!
自転車で数分走らせると着く
ご近所にあるこの神社
邪気払いで結構有名らしい
私、ご利益とかあんまりよくわかってないんだけどね✩
父さんがいれば、ほとんどの邪気は
祓ってくれるし。
お祓い目的でお参りなんて今までに一度も…。
やっぱり凛とした佇まい。
朝っぱらから、うるさく鳴くセミの声がする。
赤い鳥居を潜った時、思わず
「ないわww 神社でお祓いって? 今時ありえないでしょ…。」
って一人ぼやいてしまった。
そしたら聞こえてきました。
変な声。
『ちゃうやろ!! それはこっちのセリフやろぉ?』
「ぁ……れっ?」
…はて?おっさんの耳鳴りとは
明らかに違う。
他の誰かの声
しかもお腹に響くように聞こえてきた。
でも、姿が視えない…。
『あほやろ、お前…。』
ふむ、確かに聞こえてる。
…。
「んだとこらぁー!!!誰があほじゃい。」
初対面で言って良い事と悪い事くらい区別つくでしょ??!
常識じゃない?
まぁ初対面っていっても
何処にも人らしき影が視えないのでちょっと態度大きく出てみた(笑)
『あんな、もう一回言うで?親切やろぉワシ
あほってのはな、お・ま・え。お前の事やで、武藤明日香。』
「えっ? えっ? ええっ~~~????!」
なんで私の名前???
『この前から散々ぶつぶつ言いおってからに、
ここに来たんはワシに後ろの奴
祓ってほしゅうてきたんやろぉ?
ワシな、こう見えても邪気払い専門やで
お前さんに憑いとるおっさんは、別に邪気とちゃうやん(笑)』
…はて?声の主さんは何処に居るんだ?
顔を上げてあたりを見回しても
物静かな神社。
朝早いので人もいない…
緑豊かで爽やかな7月の朝の風…。
鳥居を潜った途端
はっと気が付く。頭痛と耳鳴り消えてる…。
代わりに聞こえる変な関西弁の声。
しかも、姿が見えないときた。
【つ…ついに壊れたのか、私の脳みそ…。】
『 壊れとんは、元からやろ? (笑)
なんなん?あの世界史のテスト
壊れとるとしか、考えられへんわぁ。
もともとの実力もあらへんのに
はよここに けぇへんからや…。
由緒正しいこの神社が
ありがたーい事に、自宅から10分の距離やっちゅ~のに…。』
ええと…。何処におられるのでしょう。
言い回しから推測するに、
ここの神様かなんかかしら?
重たい頭も耳鳴りも治まっている。
それって、ちょっとすごくね? ((( ゜Д゜)))
確かにこんなに効き目があるんなら
もっと早く来ればよかったかもーっ!
確かに…けちょんけちょんに言われて悔しいが
あほだな私って…素直に思ってしまった。
だから素直に
「ありがとうございました。
確かにおっしゃる通り
早く来ればよかったです。
こんなに簡単に祓って頂けるなんて
全然思ってなかったので、助かりました。」
お賽銭奮発して お守り買って帰るとするか
ダメ押しにお札の大人買いして
家の中あちこち貼り付けようもんなら
きっと いろんなもの視えなくなって
爽やかに過ごせるはず(笑)
思わずニンマリ 早く来れば良かったぁ♪
『 そ・れ・も、ちゃうぞぉ~♪♪
ここの場所におるから、今はお前に影響ないだけや(*´з`)
鳥居の外一歩でも出たら
まだ、お前に憑いとる奴の影響出るっちゅうに(笑)』
「えっ…?(。-`ω-) 」
【じゃぁ意味ないじゃん? しかも、そこ笑うとこじゃないし(怒)】
忌々しげにあたりを見回す…。
しかし、姿は見えず…。
「 あなたはだれですか?
神様ですか?
何処に居るんですか?
なぜ痛みが治まったんですか?
どうして、鳥居の外だと影響でるんですか?
私はどうしたらいいんですか?
いったいこの無駄な力はなぜ私にあるんですか?
神様は私がきらいなんですか?
もし叶うならこの力をいますぐなくして。
こんな無駄な力持ってても 不幸なだけなんですけどぉおおおお?!」
『なんや質問多いな、けったいなやっちゃ(笑)
そんな聞かれんでも一個ずつ答えたるわい。
ワシは 九郎丸
神さんやない ここに祀られとる ただの鴉や。
今はこの神社におる。
鳥居の中はワシが結界張ってんねん、すごいやろ?
悪者は、よう入って来られへんが
お前の後ろのはさっき言ったように
悪い奴やないから 今もおるし。
聞けばお前に助けてもらおう思うて ちょ~っと憑いてきただけやん。
話聞いて助けてやったら済む話やんか。ほんまあほやな~。
お前は中途半端に力がある。
修業が足りてへんからしんどいんや。
これはもう、怠惰が自分を祟った賜物やね~(笑)
もっとも、力は欲しい欲しくないにかかわらんと
持って生まれてきたもんやろ?
お前 目が青かったら良かったのに~とか
鼻筋もっと高かったら良かったのに~とか
そんなレベルやぞ(笑)
お子様か?!
悩み事…ちっっちゃ!!!
おま、お子様か???!(笑)
魂が望んで 神さんから授けて頂いたもんなんやし、
ほっとくよりは磨くってのが道理っちゅうもんやろぉ。
神さんに嫌われとる?
いや、むしろどっちかというと
神さんにとことん甘やかされてるやろ。
力ないのが普通なんやで(笑)
世の中、お前の持っとるような力
欲しゅうて欲しゅうて叶わん者
…どんだけおると思ってんねん!!
せやのに要らんとか…
罰当たるで(-"-)
そんだけ ちやほや されとって
どうやったら不幸になれるんじゃ このあほ娘!!』
…はい、機関銃トーク戦争終了。
完全に私の負けだわ…。
…でもね、
私もどうしていいかわからないんだもん。
おっさんだって
言葉とか全くわかんないんだょ?
「どうやったら助けられるの?」
『お前は目がええ。
とりあえず、一通り。礼儀正しく!
お参りしてすんだら 本殿裏の祠に行きぃ。』
「うっ…は、はい。」
関西弁を使う鴉の九郎丸。
よくわかんないけど
この先、めんどうな事を回避するなんて
出来ないんだろうなって事だけは、
よぉ~くわかった。
言われっぱなしだけど
もぉ逆らえる気がしないや…。
仕方なく、とぼとぼと
本殿まで続く長い石段を登ることにした。
…もちろん九郎丸?に言われなくても
元々上がる予定だったけどね(-“-)
……………。
~~~~~~~~~。
WWWWWWWWWWWWWWWW
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なっ…長いっ!!
息が上がる…。
鼓動が激しすぎて
朝の気持ちいぃ空気感じたり
景色を見るどころの話じゃない…。
階段長すぎる…。
心臓バクバク
『軟弱なやっちゃなww』
【う…うるさいっっ!!
体育は苦手なんだもん。
仕方ないでしょ。しかも、このところ例によって
ちゃんと寝てないうえに頭痛で食欲なくて、
体力落ちまくってるっつーのっ!!】
いい加減しんどくなってきて八つ当たり
こりゃいかんな…。
九郎丸に文句いわれつつ、
何とか長い石段を登り切った。
髪はぼさぼさ 汗と涙と鼻水三大コラボのひっどい形相で
決めたドヤ顔!(‘~´)
汚すぎて様になってね~よwwww
自覚しつつ、これから
いざ参拝っ✩
意気込んで賽銭箱のある方へ向かった。
…そこから先も九郎丸の注文は、うん。うるさかった。
『あかんで。真ん中歩いたら
ちゃんとルール守りや!!
人が通る道は端っこやで。
真ん中は正中や、力が通ってんねん。
力の道は塞いだらあかんやろ。』
だとか、
『あほか、参拝の仕方がなってへんゆーてんねん。
そのまま、行くやつおるかいな。
手水で清めてから参拝せぇ。』
だとか、
『二礼、二拍手、一礼は基本やぞ。』
だとか、
『神社で参拝する時は
心の中で住所と、名前は言っとくのが普通やな。
ま、ワシはお前の事知っとるから別にええけどな(笑)』
だとか、
あたしの行動一つ一つに全てケチをつけてきやがった。
あまりにうるさいから、いい加減頭にきた。
【…参拝せずに帰ろうかな(―_―)
…しかし、このまま鳥居から出ると
またあのおっさん効果。
頭痛ぶり返したくないもんね…
ここは、ガマンよ明日香。…ガマンガマン。】
『こらっ!! ガマンするとこちゃうやん。
お前 ワシに対して感謝すべきやろ?!
感謝の気持ちが足りひんっ(―_―)!!』
【ば、ばれてる…。
心の中読まれてる…?
…ちょっと読まないでよぉ恥ずかしいなぁ。】
『あほか、お前…
腹ん中でしっかり考えたことなんざ
全部丸聞こえじゃ。
お前だけやないぞぉ
森羅万象 声のない者は無いからのぉ。
せやさかい 神社で願い事すんのに
自分の名前はきっちり言わんと
神さんのところまで届かんねやないか。』
『昔から言うやろ
天、知る 地、知る 我知る。
お前よりも、先に
お前の考えなんか
天の神さんも、地の神さんも
お見通しっちゅうこっちゃ。
…会話は心で出来んねん。
せやから、
顔よりも身だしなみよりも
心のあり様が大切なんよ。』
【そうなの?
そんなもんなの?
…なんか、裸視られるより
心見られる方が めっちゃ 恥ずかしいかも…。】
『浄玻璃の鏡の前に立つまでは
秘めておきたし
あの事も この事も…。
お前…いっぱいあるなぁ~( *´艸`)』
ぶちっ!!!
なんか…
今、頭の中で音がした。
「うっ…うるさい!! 九郎丸、うるさい。」
『なんや、なんや、お前!
ワシみたいにありがたぁーい存在に対して、態度でかいやんけ。
まぁ、言っても 今まで知っとるから
今更 殊勝なんも、怖いけどな。
元気あるやん。
そんな元気なら休まんと、早う参拝せぇ。』
【くそぉう、九郎丸め、神様みたいな悪魔め…。
性格 悪い…。
可愛くない…。
可愛くない…。
可愛くない×∞…。】
『ぶつぶつ 言わんとさっさと参拝済ませろやww
参拝は礼儀や。文句言わんと ちゃんとするんやで。』
「はいはい。」
『二つ返事には 誠意が込もらんなぁ~』
「………。」
【ちっ…】
「…はぁい。」
「………。」
『…なんやその舌打ちは…。
「は」と「い」の間に小さい「ぁ」 はいらんねん。(-“-)
お前ほんとに女子か?』
【あぁ、マジでうるさい………黙れ鴉】
『はぁ~?ええんかぁ?そんなん言うても
ほっといてもええねんで
けどワシがさじ投げたらこっから先
頭痛も耳鳴りも消えへんでぇ。』
【くそぉう!!そうだった…。】
「………。」
「………はい。」
「……これでいいでしょう。」
『………あかん。』
『ごめんなさいも、やろ?』
【…ごめんなさい。】
『くっくっくっ…力ないんゎ、哀れやなぁwww』
【………くっ………。】
『なんも反論でけんやろぉ。
自分の立場 理解したら、さっさとすます。
そんで、裏の祠に行く、わかったら た・だ・し・い 返事。』
はぁぁ~~~~。
大きいため息でたね…。逆らう事出来ないね…。
「…はい。」
ぶつぶつ言われながらも
何とか参拝し終わりましたよ。
言われる度に返事もきちんと…。
なんか、めっちゃ疲れた…。
しかし、まだ最後の仕上げとやらがある。
裏の祠とやらへ行かねば…。
少し日も高くなってきたというのに
祠がある本殿の裏は、ちょっと
ひんやりしてる。
【なんか…。いやだなぁ。 ここ、怖い。】
『おっ!!
わかるんやなぁ~お前やっぱり。
ここは、おミサキ
眷属が祀られとんねん。
もともと神さんには人の我欲まみれの願なんか届かへん。
せやから、ワシらみたいな眷属…。
マネージャーみたいなんが、おって
願を振るいにかけてんねん。
神さんには届けてええもんしか
届かんようにしとる。
眷属って言うても、色々あって
ワシみたいな紳士もおれば、かなりの荒くれ者もおる。
お前がここを怖がるんも無理ない。
ワシの有り余る力が、祠から漂いでとるやろぉ。』
えっ?ぢゃあ 九郎丸ここにいるの?
でも祠に近付くとさらにゾクゾクして毛穴開いてる…。
祠からはよくわからないけど
視える人には視えているはず
金と青白いオーラが漏れてる。
それに加え
誰が見てもわかる様に
きちんと柵がしてある。
関係者以外立ち入り禁止っぽくねwww( ;∀;)
…いや、祠の中は、間違いなく立ち入り禁止だよ…。
不法侵入
…って犯罪じゃん。
さすがに出来ないわwww
『大丈夫や、今は二重結界はったから、
普通の人間は今ここへはけえへん。
鍵も外しとる。行け』
でも…近付きたくない。
『はよせんか。』
顔が引きつるのが解る。
前門の虎、後門の狼
えぇいっ!! ままよっ!!
柵の扉を開けて、
目を瞑って祠の中へ、
目を瞑ってもわかるくらいの
金と青白いオーラが全身を包んでる、
…でも…あれ?
さっきほど怖くない?
恐る恐る目を開ける。
真っ暗な祠の中
でも明るい光のおかげで辺りがはっきり見える。
祠の中は温かった。
…もっと寒いかと思ったのに…。
怖くないのは、だからかなぁ。
外から見ている時はゾクゾクするほど寒気感じたのに…。
九郎丸の声が響く
『そこの祭壇によう光っとる宝玉があるやろ、
そこにお前のいつも、肌身離さず持っとるもん置け。』
見ると祠の奥の岩で設えた祭壇に一際
まぶしく輝く宝玉が祀られていた。
なんかきれい…。
金と青白い光の中に淡く虹色で見惚れてしまった。
「…えっと 肌身離さず持っているもの?」
【携帯かなぁ…。ペンダント 時計
でも、よく忘れる物ばっかり…。
あっ!! 足にミサンガしてる…けど…あれは…。】
『…願掛けしとんなぁ
光本君と両想いになれます様に…って。
難儀なやっちゃなぁww
おまじないでは我欲は叶わん。
そんなんは自分で何とかするもんであって
神さんやおまじないの類に頼るんは
ただの気休めでしかないわ。』
「かっちーん!! 純粋な恋心を…
…我欲って…我欲ってええええ!
乙女心傷つくゎ…( ;∀;)」
『んもぉ~っ なんでもええねん、早うせい。めんどくさいやっちゃな。』
九郎丸も私も、やや切れ気味
仕方なくミサンガを外して宝玉の前に置いた。
手が暖かい。
『我、護りし者なり。我が力これに宿りて御身護り給う。』
すると宝玉から一際眩い金色オーラが出て
ミサンガに吸い込まれるように消えていった。
その後でも、宝玉は何事もなかったように
温かい光が溢れいる。
『ミサンガつけてみい。』
九郎丸の声
いそいそと宝玉のまえに置いたミサンガを手に取る。
ちょっと温かい。
でも、願掛け失敗じゃないよね、
取り敢えず付け直すとき
もう一回だけ 願掛けしとこうかなぁなんて迷ってると
間髪入れず
『あほう。意味ないわ。』
「………。」
九郎丸プライバシー侵害し過ぎだわ…。
むっつりしながら付け終える。
『よしっ!! 始めるぞ。真っ直ぐ立て。』
『宿りし護りの力、この者の元で開放されたし。』
九郎丸の一言でミサンガ光りだしたし
「…あれ?」
ミサンガ熱い?
…っていうか
熱いよwww( ゜Д゜)www
ぎっ ぎゃあぁぁぁぁぁwwwww
火傷するwww( ゜Д゜)www
足元のミサンガ そこからの眩い光が全身を包む
焼けるように熱かった…。
一瞬気を失いかけた時、
目の前に黒い袈裟がけ着たイケメンが視えた。
抱きしめるように肩を支えて
『あほぉ、しっかりせい。
熱いのは一瞬だけや、じき終わる。』
「wwwwwwww( ゜Д゜)。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・チーン('ω')ノ
私は気を失った…。