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海の防人達  作者: 月夜野出雲
第4章 風景
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風景・その5

白瀬「いやぁ、今回は月夜野君が話を区切れなくてねぇ。少し話が長いけど、お付き合いしてもらえるとすごく嬉しいねぇ!・・・そうそう、忘れるところだった!これフィクションだからねぇ。よろしく頼むねぇ!」

○横須賀地方総監部 『しらせ』艦内医務室・1401


 土佐の手に包帯を巻き終えた白瀬は、頭を下げてから話し始めた。



 「申し訳なかったね、土佐君。僕の為に来てくれたのに、考え事を始めてしまって・・・血が流れる事態になるまで気付かなかった。どう言い訳しても・・・許される事ではないね。」



 「いえ、白瀬さんが悪いわけではありません。私が未熟だったために起きた“事故”・・・と思っておいて下さい。」



 「そうなのかい?君がそう言うならそれで良い・・・のかねぇ?それにしても、あんなに大騒ぎになってて気付かないなんて・・・ははっ・・・。僕はねぇ、土佐君。昔から考え事を始めると、周りが見えなくなってしまうみたいなんだよ。だから自分も怪我するのかねぇ?」



 『しらせ』は2011年度に片舵を破損、2013年度に座礁して一部浸水、2014年度にはエンジン1基故障という怪我やトラブルに見舞われている。

 2011年度の場合、『おおすみ』と『ましゅう』を現場付近にまで向かわせる緊急出航も検討されていたそうだが、自力で氷海から脱出したため緊急出航は取り消され、単独で無事日本に帰還した。

 また2014年度の場合、氷海を抜け出した後の為問題にならなかったが、もし氷海内で発生していた場合、氷海を抜けられない可能性があるため、これもある意味では重大事故と言ってもいい。


 「そうだ、紅茶でも飲むかい?帰ってくる途中で、行き合った岩代君にもらった茶葉があるんだよねぇ。それに君とも話をしてみたいと思ってねぇ。ここで話するかい?食堂?君が望むなら甲板でも艦橋でも構わないよ?」



 「では・・・艦橋でもよろしいでしょうか?」



 「わかったよ。それじゃあ土佐君、着いてきてくれるかねぇ?」



○『しらせ』艦橋・1413



 「いい眺めですね、白瀬さん。ここから見える南極はどのような感じなのでしょうか?」



 紅茶のカップを白瀬は右手、土佐は左手で持っている。『しらせ』正面左舷側の船窓には『とさ』も見えている。



 「そうかい?君の艦橋の方が、眺めが良いと思うんだけどねぇ?まぁ南極の眺めはとてもいいと思うよ。でもねぇ、行き帰りの途中は荒れてるし、基地に近付くには体当たりで氷割らなきゃだしねぇ・・・2回ほど任務失敗してるから、正直僕にとっては辛い思いしか・・・ってばかりでも無かったねぇ、そういえば。」



 左手を顎に当てて、うつむいていた白瀬は不意に土佐の方を見る。顔はやや明るい感じの雰囲気である。



 「何か良いことでもあったのでしょうか?」



 白瀬の雰囲気に、土佐も表情を緩ませながら問う。



 「今回行ったらねぇ、ペンギン達の群れに出会ってねぇ。それがとっても可愛かったんだよ、土佐君!遠くだったし特徴が見づらかったから、エンペラーだったのか、キングだったかはわからなかったんだよねぇ。残念だったなぁ~。ちなみにエンペラーペンギンはねぇ、僕のキャップに刺繍されてるペンギンのモデルだよ!しかも、しかもだよ!子供のペンギンも居たみたいだったんだよ!せめて、せめて後100mは近かったら、もっとハッキリ見えたんだけどねぇ!?とにかく、とにかくだよ!?ヨチヨチ歩くペンギン達の可愛さはねぇ、僕には数値化も方程式もできない程なんだよ!わかるかい?土佐君!?可愛いペンギンは正義だと思わないかねぇ?平和の象徴として、鳩と一緒に認知してもらいたいねぇ~。いっそ日本の国鳥としてキジと一緒に登録すべきだと思うんだよねぇ!いや、国連に『世界の鳥』として認定すべきだよ!そうだ!署名だねぇ!あ・・・僕達の署名も有効だと嬉しいんだけどねぇ?どう思う土佐君?」



 「し、白瀬さん、流石に国鳥は国際問題になってしまうでしょう。ですが、白瀬さんのペンギンへの愛は伝わりました。ですから冷めないうちに飲んで、少し、落ち着きましょう。」



 自分の部隊識別帽を指さし熱っぽく語る白瀬。

 土佐はやや引きつった顔をしながらも、そんな白瀬を少し羨ましく思う。

 自分にはこのように熱く語れるような、打ち込めるものが今の所ないと感じているからである。



 「ところで土佐君、自分のお姉さん達をどう思うかねぇ?」



 不意に話題を変えてきた白瀬に、一瞬面食らう土佐。



 「どう・・・とは?」



 「君はDDHとして、誇りに思っているんだろうと思うんだよねぇ。それと同じように、お姉さん達を誇りに思っているよねぇ?」



 船窓から見える『とさ』を眺めながら土佐に質問していく。



 「はい、姉達のおかげで、私の運用もスムーズにいっていますし、細かいアップデートも行えています。ですから私が姉達に出来ることは何でもやりたいと思っています。」



 「そんなお姉さん達をバカにされてしまった。だから怒った。違うかねぇ?」



 「・・・申し訳ありませんでした。未熟な自分が恥ずかしく思います。」



 土佐は申しわけなさそうな表情をするが、白瀬は土佐の方を向くと、両手を顔の辺りで振りながら否定する。



 「いやいや、何か勘違いしているようだけどねぇ。僕は君をその件に関してだけ(・・)は、咎めるつもりはないんだよ。ただ鳴潮君にあらましは聞いたけど、もう少しだけ冷静になっていたら、赤龍君の話も聞けたんじゃないだろうかねぇ?そうしたら、もしかしたら、お姉さん達の敵討ちのヒントも、もらえたんじゃないだろうかねぇ?」



 手を振り終えると、右手の人差し指を立てて左右に振る。



 「ヒント・・・ですか?」



 白瀬は土佐が言い終えると、腕組みをしながらさらに続ける。



 「彼女と前に話したんだけどねぇ。あれはぁ・・・彼女が就役直後だったのかねぇ?彼女も税金の無駄遣いの役立たずって言われて落ち込んでいたことがあったんだよねぇ。まあ、それは僕も言われたことがあるんだけどねぇ。でも僕の場合、学術調査とかの物資とか、学者達も運んでいたから、風当たりは弱かったんだけど、赤龍君は・・・ねぇ・・・ほら・・・。」



 「赤龍2尉も言われていたのですか・・・」



 「そうなのだよねぇ。だからなのか、赤龍君はその時思いつめていたみたいだったんだけど、その後から何だよねぇ。“挑発”の二つ名がついたのは。赤龍君は、身を持って税金の無駄遣いではなく、有効活用していると証明したいが為に、演習でがむしゃらに撃沈判定を重ねているんじゃないのかねぇ?ただ・・・哀しいかな、潜水艦は行動が秘匿されているからねぇ・・・。」



 「だからと言って、姉達への侮辱は・・・絶対に許せません。白瀬さんには申し訳ありませんが、この気持ちだけは納める方法が今の所ありません。」



 「もしかしたら、土佐君のその気持ちを利用して、本気で演習をやり合いたいっていう事なのかもしれないねぇ。まぁ、これは僕の勘違いで、赤龍君は何の考えもなく当たり散らしてるだけって事も考えられるんだけどねぇ・・・。」



 一旦区切った白瀬は、土佐を睨むように見つめ、話を進める。



「けど、気をつけたまえ、土佐君。君は『いずも型』の末妹なのだろう?ならば、事が起きたときは司令部の機能を持つのだろう?わかるかい?僕の言いたいことが。」



 「冷静になれ、という事を言いたいのですか?」



 「そうだけどねぇ、足りないよ土佐君。君に司令部の機能が備わる場合、お姉さん達がドックに入っててなら問題ないが、それ以外では、重大案件が重なった場合と・・・」



 「姉達が・・・撃沈された場合・・・ですね?」



 「そうだねぇ、正解だよ土佐君。その時、君は冷静でいられるのかねぇ?心配だよねぇ・・・。ところで唐突だがねぇ、けど、少し関連するんだがねぇ。土佐君は、幹部自衛官の服務宣誓というのは言えるかねぇ?」



 「少し自信がないのですが・・・『私は、幹部自衛官に任命されたことを光栄とし、重責を自覚し、幹部自衛官たるの徳操のかん養と技能の修練に努め、率先垂範職務の遂行にあたり、もって部隊団結の核心となることを誓います。』だったと思います。」



 「土佐君、合ってるんだから自信を持ちたまえよ。で、だ。服務宣誓を暗記できていた君は・・・、重責を、自覚出来ているのかねぇ?率先垂範、できているかねぇ?畳みかける様で悪いけどねぇ・・・。君は!今のままで、部隊団結の核心となれるのかねぇ!?答えたまえ!これは、土佐君だけじゃない!出雲君、加賀君、駿河君にも言えるんだよ!」



 「そ・・・それは・・・」



 「土佐君、何故そこで言い淀むんだねぇ?指揮・統制を司る、幹部自衛官たる土佐君がそれじゃぁ・・・あぁ・・・君の・・・いや、君たちの隷下に入るのは・・・不安だねぇ・・・。そう、実に不安だねぇ・・・。そして・・・不快だねぇ!!そんな指揮官の指示に従わなければならない、春雨君や大波君達が不憫で不憫でならないねぇ!!」



 白瀬は土佐を非難するような目で見つめる。土佐はそんな白瀬の目線から逃れるように目線を伏せる。



 「どうしたのかねぇ?さっきから黙っているけど、反論があるなら聞いてあげる(・・・・・・・)んだけどねぇ、土佐君?」



 土佐は、白瀬からの詰問に答えられず、口を開くことすらできなくなっている。



 「まぁ言いたくなったらでいいんだがねぇ。色々土佐君に聞いてばっかりで悪いんだがねぇ・・・。君の着ている、その幹部自衛官の作業服はファッションのつもりなのかねぇ?」



 白瀬は土佐の幹部自衛官の作業服を指さす。



 「その2尉の肩章はネックレスとかの代わりなのかねぇ!?」



 指をゆっくりと土佐の肩に持って行く



 「その艦艇徽章はブローチなのかねぇ!?その部隊識別帽もお飾りかねぇ!!僕はねぇ、土佐君がお姉さん達をバカにされて、怒ったことに関しては咎めないと言ったがねぇ、今の君が指揮官になることに関しては咎めるねぇ!!」



 土佐の艦艇徽章と部隊識別帽をそれぞれ指さしながら感情を剥き出しにして、土佐を責めていく。



 「・・・感情的になって申し訳ないねぇ。土佐君には冷静になれと言っておきながら・・・。少し、僕の話をしてもいいだろうか、土佐君?」



 「お願いいたします。是非お聞かせください。」



 「ありがとう。僕はねぇ、進水式の時、皆から喜ばれたんだよ。先代の『しらせ』と1年も間があいて、やっと僕が産まれて、日本独自に南極への人員と物資の輸送ができるって。それを聞きながら、嬉しいなぁって・・・でもねぇ、横須賀に来た時、あれっ?て思ったんだよねぇ。なんか皆が余所余所しいと言うのかなぁ?今も皆優しくしてくれてるし、着任当時も優しかったんだけどねぇ・・・」


 区切った白瀬は、冷め切った紅茶を少し飲み、土佐も紅茶を飲みきり、白瀬と一緒に窓際にカップを置いた。


 「なんか、腫れ物でも扱うというか、距離感が掴めないといった感じだったんだよ。それもそうだろうねぇ?自衛艦として振る舞ってるのに、予算は防衛省じゃなくて文部科学省、自衛官だけじゃなくて文科省の人やら学者やらもいるしねぇ・・・。周りの空気に感化されてしまったのか、宙ぶらりんな気持ちになってしまったんだよ。僕の所属は海上自衛隊なのか・・・国立極地研究所なのか・・・ってねぇ。その気持ちのまま2年たって・・・あの大災害が・・・起きたんだよねぇ・・・」



 中央の船窓に近付くと両手をかけて正面を見つめる。



 「南極から直接ここに帰ってきた時、ここの艦はほとんど出払っててねぇ・・・。寂しかったけど、自分も皆と同じように任務を与えられて直ぐ出航出来る・・・と思っていたんだよ・・・。でも出来なかった。後になって艦長と副長の話で分かったんだがねぇ、僕が入れる港がなかったり、瓦礫で行けなかったり・・・。」



 少しずつ、うつむいていく白瀬。土佐もその話を聞きながら、うつむいていく。



 「悔しかったねぇ・・・明日出航なのか・・・明後日なのか・・・明明後日なのか・・・でも・・・結局行けなかった・・・。僕だってね土佐君、自衛艦旗を掲げている日本の船であり艦なのだよ?君には・・・理解出来ないだろうねぇ。だって、産まれていなかったし、産まれていたとしたら、即投入されていただろうしねぇ・・・実際、日向君も行ってるし、現場や運用に関しては彼女に聞くと良い。僕より詳しくDDHとして教えてくれるだろう。それにしても・・・今のここからの風景は・・・あの時を思い出させてしまうねぇ・・・演習でいないのは・・・わかってるんだがねぇ・・・」



 オレンジ色をした大人と子供のペンギンがプリントされたハンカチを取り出すと、メガネを拭きだした。

 拭き終わり、メガネを掛けると土佐の方を振り向く。


 「いやぁ、天気がいいはずなのに、メガネが雨で濡れてしまったよ。困ったもんだねぇ。どこの窓が開いていたんだろうねぇ?おやぁ?土佐君も雨に降られてしまったのかい?これ、使うといいよ。」



 もう一枚、薄い青にドット柄のようにペンギンが描かれたハンカチを土佐に渡すとまた窓の外を眺めた。



 「土佐君、僕はねぇ。あれから階級章も、艦艇徽章も、幹部自衛官の服一式も全部封印したんだよ。こんな事、人間の自衛官がやったら懲戒ものだろうけどねぇ。でも、こんな事したのはねぇ・・・僕は有事があっても先頭に立てないんだから・・・幹部の服を着る資格もない・・・だから橋立君から、もう着ない曹士の作業服だけをもらって、階級章も艦艇徽章もつけないで着ているんだよ。流石に橋立君のように着物だと動きづらいしねぇ。それに似合わないよ、僕にはねぇ。」



 言い終わると、無言になった白瀬。土佐は何度か声をかけようとするが、何かに邪魔されるかのように声が出なくなってしまう。

 そんな土佐を知ってか知らずか、白瀬は土佐に振り向くと不動の姿勢になり、土佐を射抜く様に見る。

 白瀬のただならぬ雰囲気に、土佐も不動の姿勢で応じる。

 5秒程だろうか?突然、白瀬は挙手敬礼をした。それに対して答礼する土佐。白瀬は手をおろすと、自衛官らしい口調で土佐に話しかけた。



 「(わたくし)は横須賀地方隊直属『砕氷艦AGB5003 しらせ』の艦魂、白瀬であります。『ヘリコプター搭載護衛艦DDH186 とさ』の艦魂、土佐2尉に意見具申いたします。」



 「了解しました。白瀬さんの意見、伺います。」



 「ありがとうございます、土佐2尉。では・・・

  一つ、司令部機能を持つ護衛艦として自覚していただきたい

  一つ、いついかなる時も冷静になり、(みな)を指揮し護衛していただきたい

  一つ、幹部自衛官の服務宣誓文を暗記だけでなく実行していただきたい

  以上であります、土佐2尉。」



 もう一度挙手敬礼する白瀬と、答礼する土佐。



 「真摯に受け止め、今後の行動に生かしていきます。貴重なご意見、ありがとうございます、白瀬さん。」



 敬礼を終え手をおろすと、へなへなと座り込む白瀬。



 「白瀬さん!どうされました!?大丈夫ですか!?」



 駆け寄った土佐は白瀬の肩に両手をかけて、体をゆっくりと起こす。



 「あ、あんなきちんとしたのは、な、何年ぶりだろうねぇ。しかも意見具申なんて、初めてだからねぇ・・・急に力が抜けてしまったよ・・・あはは!・・・なんか、締まらないねぇ。まぁ僕らしいっちゃあ、僕らしいかねぇ!?」



 一瞬、呆けた土佐だったが、急にこみ上げてくる笑いにあらがうように左手を拳にして口に当て、必死にこらえようとする。

 しかし、堰を切った様に笑い出し、白瀬もつられて大声で笑い出す。


 穏やかな海


 抜けるような青空


 咲き乱れる桜


 彼女達の笑い声は横須賀の風景に溶けていく

月「白瀬さん、いつの間に言ってくれたんですか?ありがとうございます、助かりました!」


白「いやいや、さっさと終わらせて、月夜野君とペンギン談義をしようと思ってねぇ!さあ食堂にいこうかねぇ!」


月「く・・・苦しい!襟引っ張らないでぇ~!あっ土佐さん!助けて!」


 無言で挙手敬礼し見送る土佐


白「エンペラーもキングも好きだけど、ジェンツーにイワトビにアデリーも良いねぇ~!」


 ドナドナドォナ~ドォナ~月夜野つ~れ~て~


月「土佐さん見捨てないでぇ!ナレーションさん、それ止めてぇ~!」


 それから5時間後、ぐったりした状態で発見される月夜野。

 翌日もペンギン談義を約束させられて、解放されたのだった。

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