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棒を片手に俺はVRMMOを満喫する。   作者: かぼちゃ頭
第1章 新しい世界
5/60

第3話 初めての戦闘は・・・・

目の前に広がる景色は、ほとんどリアルと言われても違和感を感じないほどよく出来ていた。


白い光に呑みこまれた後、俺は大きな広場の中心へと移動されたらしく、中央には大きな噴水があり、水を勢いよく噴出しながら太陽の光を反射しキラキラと輝いている。


辺りを見渡せば稼働日初日だからか、俺と同じような格好をしたプレイヤーらしき人が多く見られる。


広場からは6本の道が広場を囲うように等間隔に並んでいて、通りの脇にはレンガを基調としたヨーロッパ風の建築物が立ち並んでおり、現実とは全く違う世界が広がっている。


「新しい世界で楽しい日々を……か」


先ほどシエラさんに言われた言葉を思い出しながら、改めてその言葉の意味を実感する。確かにこの景色を見たら、ここが別世界だと思っても全く違和感がないだろう。


ある程度辺りの景色を見渡してから次に俺はメニューを開いてみる。


メニューにはステータス・装備品・所持品・ヘルプなど基本的な項目が表示された。

ここら辺は従来のゲームとはあまり変わらないらしく、これといった目新しい機能は見つからなかった。


装備品の欄を開くと、ただの棒と普通の服・普通のズボンがあったので画面をタッチし装備する、と選択しておく。


「おおっ」


タッチした後、すぐさま俺は光に包まれ、服装は画面に表示されていた普通の服とズボンになり背中には、棒が現れていた。


一瞬で着替えられるし、便利だな。


次に所持品を確認してみると、アイテム欄には初心者ポーションが5つ入っていた。所持金のほうには1500c(セル)と表示されている。


ひとまずある程度のことは確認できたし、まずはフィールドのほうへ向かってみるか。


やっぱMMOといえばモンスターとの戦闘だよな。

俺はVRでの初の戦闘にワクワクしながらフィールドのほうへと足を運んでいった。







「うわぁ……」


思わず呻いてしまったが、目の前の光景はそれほどすごかった。


どこまでも続く青々とした草原、奥のほうには森が広がっており空は真っ青。これだけを見ればいい景色なのだろうが、綺麗な景色をあるものが埋め尽くしていた。



それは……




人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人。



街を出たそばから目の前にあったのは、広大な草原を埋め尽くさんばかりの人の大群だった。


それぞれ俺と同じように普通の服・ズボンを装備しながら手に持った武器でモンスターを狩っている。


というかモンスターがポップした瞬間即キルというある意味モンスターが可哀そうにすら思う光景だ。単なるモンスター処刑場にしか見えないぞ、これ……


流石に、これだけの人がいるとなるとモンスター1匹狩るだけでも相当時間が掛かりそうだな。


少し迷ったが、俺は人が少ないであろうフィールドの奥の方へと進むことにした。

多少敵が強くなるかもしれないが、ここでただ待つよりはマシだろう。


人の大群の隙間を進みながら、ちらっと周りのプレイヤーを観察していく。


やっぱり剣とか杖を持った人が多いなぁ……


逆に弓や棒を持ったプレイヤーは少ない。いや、棒に関しては俺以外に1人しか見てない気がする。


そんな感じでフィールドを先へ、先へと進んでいくと大きな木が生い茂る森が見えてきた。


森の入り口辺りまで到着するとさっきの大群はなんだったんだというぐらい閑散としていた。

何故、みんなあんな街の付近で戦っているのかと疑問に思うが、まあ考えても仕方のないことだし、と思考を切り替え森の中へ進むことにする。


森の中は木々が頭上を覆い被さっているため、太陽の日の光は直接当たらず、木漏れ日が森を薄く照らしていた。


そんな薄暗い森の中で足を進めながら、俺はスキルの〈気配察知Lv1〉を使って生物の気配を探る。視界が見通せないので〈気配察知Lv1〉は周囲の状況を知るにはもってこいだ。

まるで現実の森の中に迷い込んだようだ……と、感心しながら進むと、なんとなくだが生物の気配らしきものを感じた。


生物の気配を感じたほうへ向かうと80㎝くらいの緑色の生物が茂みを漁っていた。


俺はその生物を予想しつつ、〈鑑定〉を使って緑色の生物を見ると手元に情報が表示される。


----------------------------------------------------------------

【ゴブリン】Lv1


身長80㎝ぐらいの醜い姿をした子鬼。

集団で行動することが多く、また繁殖能力が異常に高い。

1匹見つけたら30匹入ると思え!


----------------------------------------------------------------


予想通り、あの緑色の生物はゴブリンだったようだ。

下の説明はまるでGのように書かれているがどうなんだ、これ。

そんなことを思いつつゴブリンの様子を観察する。


ゴブリンは棍棒のような物を持って森の中を1匹でウロウロしているみたいだ。他のゴブリンは気配察知では感じられないからおそらく1匹だけで行動しているのだろう。


俺は気づかれないよう、そっとゴブリンの背後に回りただの棒を握る。

棒なんて掃除の時間の箒で遊んだくらいだが、そこはまあ練習していけばいいだろう。


最初は思いっきり棒で突くことにしてみる。

これでどれだけダメージが与えられるのか?いろいろ試していったほうが面白いだろうしな。


考えをまとめると迷わず一気にゴブリンへと迫る。

ゲーム内だからか思った以上に体が軽い。


そのままゴブリンの頭めがけて思いっきり突きを放つ。


「ギギッ」


突然の攻撃に驚いたのか、耳障りな鳴き声で呻く。


そのまま突いた棒を引き戻し、再びゴブリンに突きを放つ。

最初の一撃には驚いたようだが、すぐさま俺を敵だと認識したのかゴブリンは手に持っていた棍棒を振りかぶって俺の突きを棒ごと打ち払う。


棒を弾かれ、弾かれた勢いのまま俺は右回転しながらゴブリンへと背中を向けてしまう。


態勢が崩れた俺にゴブリンは追撃しようとするが俺は弾かれた棒の勢いのまま回転し、思いっきりゴブリンを薙ぎ払う。

所謂『裏拳』のようなものだが回転した分、勢いがついたのか思いっきりゴブリンを吹き飛ばし、木に叩きつけゴブリンはそのまま光の粒子となり消滅した。


「ふぅ……」



初戦闘はなんとか無事終わったな。

途中思わぬ反撃を喰らったが、なんとか倒せたしこれなら狩りを続けても大丈夫だろう。


俺は再び獲物を見つけるため、気配察知を頼りに森の奥に足を進めていった……








森に入って30分。


「はっ、はっ……」


現在俺は全力疾走で森の中を駆け回っていた。


後ろからドドドッと土煙を上げながら迫ってくる脅威は先ほどから木々をなぎ倒しながら俺へと迫ってきている。


「あんなのとどうやって戦えって言うんだよ……」


思わず愚痴ってしまったがそれほど後ろの脅威は規格外なのだ。





時は遡る事10分ほど前。

俺は森の中1匹でいるでゴブリンに奇襲を繰り返しながら何度か戦闘を繰り返していた。


奇襲した後は反撃されることが分かっていたので、一撃入れた後は即離脱を繰り返しながら突きを入れていく。


かれこれ30分ほど経過したが今のところは初戦ほど手こずることもなく順調に戦えていた。

途中で棒術と気配察知のレベルが2になったのも大きいかもしれない。


目の前のゴブリンに最後に思いっきり突きを放ち一気にHPゲージを削り取る。


ポーン。



ん?


気が付くとアナウンスが流れてきた。


「Lv2にレベルアップしました」


どうやらキャラクターのレベルが上がったようだ。


ステータスを開くとST(ステータスポイント)が5ポイント増えていた。


ステータス


名前:シャオ

種族:ヒューマン

性別:男

Lv.2


HP: 80

MP:48

STR(攻撃力):10

DEF(防御力):8

INT(賢さ):8

AGL(素早さ):13

DEX(器用さ):10

MND(精神力):8

LUK(運):8


【ステータスポイント】:5


【スキル】

〈棒術Lv2〉〈気配察知Lv2〉〈料理Lv1〉〈鑑定Lv1〉〈風魔法Lv1〉


【称号】



とりあえずSTはSTRとAGL、LUKに割り振る。

攻撃と素早さを上げれば今までより少しは戦闘も楽になるだろう。


LUKはちょとでもいいアイテムがドロップすればなぁ~といった気持ちで振ってみた。



しばらくステータスに集中していると気配察知に何かが引っかかった。

俺はさっきと同じようにゴブリンだろうと思い棒を手に気配のするほうへ近づいて行く。


レベルが上がった効果も試してみたいしな。


「んっ……?」


茂みから見えたのはゴブリンではなかった。


大きさは軽く3mを超えていると思う。

大きく伸びた2本の牙、4本足で木の根元にあるキノコを食べている。


その生物を鑑定してみると表示されたのは


----------------------------------------------------------------

【フォレストボア】Lv5

フィールドボス


森に生息するイノシシ。

主にキノコを食べて生活している。

気性は荒く、縄張りに入った者には容赦しない。


----------------------------------------------------------------



「Lv5か……」


どう見ても格上だ。

鑑定に表示されたフィールドボスというのも戦闘に挑むのを躊躇わさせる。

ここ近辺のボスということはそれなりの強さを誇るだろう。

いくら初心者用のフィールドとはいえ、ボスが弱いはずもない。


だが……


「よしっ」


右手で棒を握り締め、俺はフォレストボアと戦うことにする。

たとえ死に戻りしたとしても、所持金などスズメの涙ほどだ。

デスペナルティも明日になれば回復してるだろう。


そうと決まれば先手必勝、そういわんばかりに茂みから飛出し一気に接近する。


狙うは頭。攻撃には何度も繰り返したゴブリン相手に繰り返した突きを選択する。助走により若干威力が増した突きがフォレストボアに突き刺さる……はずだったのだが……


ガキンっ


まるで金属を叩いたような音が森に響く。


全力で突き出したはずだ。

それがいとも簡単に刺さるどころか、思いっきり弾かれた。


次の瞬間、俺を敵だと認識したのかすぐさま俺のほうに向きなおり巨大な牙を突き出してくる。


「くっ」


慌ててよけるが少しだけ間に合わず脇腹を巨大な牙が掠る。

たったそれだけ。

それだけのことで俺のHPが一気に6割も減少した。


侮っていた。

今までが順調だったせいか無意識のうちになんとかなると思っていたが、考えが甘かった。


俺はすぐさま戦闘を続行するのは不可能、と判断し一気に背を向けて走り出す。

全力で攻撃したのをいともたやすく弾くやつに勝負を仕掛けたって勝ち目はない。








現在に戻るがこれが10分ほど前の出来事だ。


「ちくしょぉおおおおおおおおおおおおおお」


全力で疾走して10分。

いくらゲームとはいえさすがに疲れてくるが、足を止めるわけにもいかない。


もし今脚を止めたなら、止めた瞬間あの巨大な牙に貫かれるだろう。

それにさっきから木を避けながら走っているのだが、あのイノシシはそんなのお構いなしと言った風に木をなぎ倒しながらこちらに迫ってくる。


というか木をなぎ倒すとかどんな化け物だよ!

おかげでさっきから少しずつだが距離が縮まってきている。


そんな余計なことを考えていたせいか、俺は足元の石に気づかず思いっきり躓いた。


「あっ……」


「ブルォオオオオオ」


雄たけびをあげながら突っ込んでくるフォレストボア。


ドガッ、と鈍い音を立てながら俺は空中に舞いHPゲージが一気に消し飛ぶ。


プレイ時間僅か40分。

この世界で早くも俺は初めての死に戻りを体験するのだった―――――――――――




ステータス


名前:シャオ

種族:ヒューマン

性別:男

Lv.2


HP: 80

MP:48

STR(攻撃力):10→12

DEF(防御力):8

INT(賢さ):8

AGL(素早さ):13→15

DEX(器用さ):10

MND(精神力):8

LUK(運):8→9


【ステータスポイント】:0


【スキル】

〈棒術Lv2〉〈気配察知Lv2〉〈料理Lv1〉〈鑑定Lv1〉〈風魔法Lv1〉


【称号】




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