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第45話 金と英知の神

光の奔流に呑まれた俺は気が付けば何故か落下していた。


辺りは一面暗闇。

底は見えず、分かるのは俺がかなりの速度で落下しているということだけ。


よし、状況はよくわかった。

俺は心を落ち着け、大きく息を吸い込み心の声を腹の底から叫んだ。


「あの(ネルヴィ)覚えておけぇえええええ!!」


尚も落下していく俺は一人絶叫しながらこの暗闇の底へと向かうのだった――――













ドンッ!!




と音を派手な立てながら、俺はようやく地面へと着地した。


「い、いってぇ………」


非戦闘エリアは、どんなに攻撃されてもHPが減ることは無いが衝撃や痛みはもちろん感じるため落下の衝撃は俺の全身へとダメージを与えていた。


痛みに呻く俺に同情する視線や、心配する声はもちろんなく俺は一人痛みで悶えること数分。


「っで、ここはどこなんだ…………?」


だいぶ痛みが引いてきた俺はそう呟きながら辺りを見回す。


そこは小さな広間だった。


石で出来た壁際には松明(たいまつ)が幾つか掛けられており、中央付近にいる俺を囲むようにしてこの小さな広間を仄かに照らしている。


「ほほぉ………、ここに人が来るとは。随分と久しぶりじゃのぉ」


辺りを見回していると突然背後から声が聞こえてきた。


「のわぁっ!?」


「なんじゃ、声を掛けたぐらいで大声を出しよって……煩くてかなわん」


後ろを振り向けば、そこにいたのは年老いたじいさんだった。

杖を地面につき、長く伸びた白ひげは地面スレスレ。

杖を持たない片方の手には本を持っていた。

読書中だったのだろうか?


俺は突然現れたじいさんをジロジロと観察していると、じいさんは顔をしかめながら俺に話しかけてきた。


「それでお前さんはどうしてこんなところに来たんじゃ?」


「というか、まずここはどこなんだ……?」


質問に質問で返すという言葉のキャッチボールを放棄した俺に呆れたのかじいさんはため息をついた。


「お前さんここがどこかも知らずに来たのか」


「来たというか、強制的にここに飛ばされたんだけどな」


「ふむ……、飛ばされたじゃと?」


俺の飛ばされた、という部分に反応したじいさん。


気になったようなので、俺はここに来た経緯……、ネルヴィについて行ったらここに飛ばされ落下してきたことを伝えた。


俺が話を終えるとじいさんは、何度か頷くとやがて納得したのか先ほどまでの険しい表情を解き、穏やかな表情へと顔を変化させる。


「なるほど、あのお嬢ちゃんがのぉ………」


どこか懐かしそうに、しんみりと呟くじいさん。

嬢ちゃんって……、まさかネルヴィの事か?


いろいろ気になっていた俺だが、それらを聞く前にじいさんの方から言葉が発せられる。


「お嬢ちゃんに送られてきたということはお主も何かを求めてここへ来たのじゃな?」


「ああ、強くなれる方法があるってネルヴィから聞いてついてきたらここに送られた」


「では、まずここがどこかというところから説明しようかの」


そう言うとじいさんは杖でコツンと地面を叩くと大きな魔方陣が展開される。



ゴゴゴッと広間を揺るがす地響きを立てて現れたのは、巨大な門。


幾何学的な紋様で描かれた魔法陣より現れた巨大な門は、その姿を現すと俺とじいさんの間に鎮座していた。


「ここは試練に挑みし者を送り届ける場所、己が信じる道と願いを叶えるため覚悟在りし者だけが辿り着ける試練の間」


試練の間……?

修業の場所………というわけなのだろうか?


「儂の名はカルディア、金と英知を司る神であり、この試練の間を守る番人じゃ」


………………はっ?

コイツナンテイッタ?


カミ?

かみってあの神ですか?

このじじいが?


「なんかお主、失礼なことを考えてないかの?」


むっ、鋭い……


というか、俺は一体なんで神とやらに出会っているんだ。

こないだの指輪の件といい、最近やたらと神との縁が多いがする。


こうしてこれが俺と金と英知の神、カルディアとの出会いだった――――――――




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