第2話 キャラクター作成
7/9 本文修正
ゲーム内のログイン時間制限、および加速制度を削除しました。
圭介が帰った後、俺は夕飯を食べ部屋で『Next World Online』ーーー通称NWOのパッケージを開けていた。
ある程度の情報はネットで見ているし、やってみたほうが早いだろう……ということで早速ソフトをVR機にセットし、ベッドで横になり起動させる。
俺は新しいゲームにワクワクしながら、意識をゲームの中へと落としていったーーーー
気がつくと俺は暗闇の中に浮かんでいた。
「ようこそ、Next World Onlineへ」
周りをキョロキョロしていると目の前に女性キャラクターが現れ、俺に話しかけてきた。
「Next World Onlineでプレイヤーの皆様のサポーターをしているNPCのシエラと申します」
そう言って優雅に一礼するシエラさん。なんというかすごく人間味溢れる動作だなぁ。もし、プレイヤーが実際に操作していると言われても驚かないだろう。
「まずはあなたのキャラクターを作成してもらいます。アバターに関しては顔は大幅に変えることは出来ないのでご了承下さい」
シエラさんが端末を差し出してくる。これで設定するのか。
顔のことは1から作るのはめんどくさいし、そこまで弄るつもりもないから、対して問題にならないだろう。
俺はシエラさんが差し出した端末を受け取り順番に項目を埋めていく。
名前は……好きなマンガのキャラから一部をとって『シャオ』っと。
顔は……とりあえず髪と目の色だけ変えておいた。冗談のつもりで金髪にしてみたのだが、思ったより違和感がなかったのでそれにした。さすがにリアルと同じはいろいろマズイからな。
体型は変えると大変そうだし現実と同じでいいか。
あとは……
「ステータスかぁ……」
残る項目はステータスだ。
選択するのは種族と基礎ステータス、あとはスキル。
ランダムなんて項目があるが絶対碌なことにならないだろうし却下。
これが小説の主人公とかならレア種族とか引き当てるんだろうなぁ~。
種族の項目を見てみると、ヒューマン、エルフ、獣人、竜人などいろんな種族がずらっと並んでいる。
何度か種族の選択をしていろいろ悩んでいると、それぞれの種族に特徴がありステータスに影響していることに気づく。、ヒューマンなら万遍なく、獣人ならSTRやAGLが高めに、エルフならINTやMNDが高くなっていた。
どの種族も面白そうだし、どんなことが出来るか想像するだけでもワクワクが止まらない。
よしっ。
最終的に俺は種族はヒューマンに選択することにした。
いろんなことを試してみたいし、それならステータスが平均的なほうがいいだろうと考えたからだ。
基礎ステータスはとりあえず素早さ重視してポイントを割り振ってみる。
戦闘の時にすこしでも逃げれる可能性を上げておきたいしね。
最後にスキルだが………
最初に取得出来るスキルは5つ。
スキルの項目を開くと初期なのにかなり多い。
剣術、槍術などの武器スキルから火魔法や水魔法といった魔法スキル。あとは生産系や鑑定などの補助スキルといった感じのものから、一発芸、演奏などネタスキルまで様々だ。
ひとまず一覧を眺めてから俺は直感でスキルを選んでいくことにした。
面白そうと感じたスキルをピックアップしていき徐々に候補を絞っていく。
30分ほどかけてピックアップして残ったのは〈剣術〉〈棒術〉〈体術〉〈火魔法〉〈風魔法〉〈水魔法〉〈土魔法〉〈鑑定〉〈鍛冶〉〈料理〉〈釣り〉〈気配察知〉〈身体強化〉だ。
ゲーム上で必要となるだろう武器スキル、生産スキルは各一つずつ取っておきたいところだし、他にもせっかくのゲームだし、魔法も使えるようになりたい。
なんというか欲が多いかもしれないが、せっかくの仮想世界なのだ。楽しめるならば存分に楽しんだほうがいい。
俺は悩みに悩んでいろんな候補を絞り込んで、ようやく俺のステータスが完成した。
ステータス
名前:シャオ
種族:ヒューマン
性別:男
Lv.1
HP: 80
MP:48
STR(攻撃力):10
DEF(防御力):8
INT(賢さ):8
AGL(素早さ):13
DEX(器用さ):10
MND(精神力):8
LUK(運):8
【ステータスポイント】:0
【スキル】
〈棒術Lv1〉〈気配察知Lv1〉〈料理Lv1〉〈鑑定Lv1〉〈風魔法Lv1〉
【称号】
俺はもう一度ステータスを確認し、決定のボタンを押す。
「キャラ情報を確認しました」
「それでは、さっそくNWOの世界へお送りします」
シエラさんはそういって端末を操作すると真横に巨大な門が現れ、扉が徐々に開かれていく。
「それでは、改めてようこそ。Next World Onlineの世界へ」
突如として門から白い光が空間を埋め尽くし、俺は咄嗟に腕で目をかばう。
「新しい世界で楽しい日々を……」
目をかばいながら聞こえてきたシエラさんの言葉を最後に、俺は白い光に呑まれていった―――――――
「んっ……」
白い光が消え、俺は腕をほどいていく。
徐々に開いていく視界に映ったのは現実とはかけ離れた見知らぬ街。
「ここがNext World Onlineの世界……」
俺は目の前に広がる未知の世界を前に高鳴る鼓動を抑えきれぬまま、その場でそう呟いた―――――