表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
棒を片手に俺はVRMMOを満喫する。   作者: かぼちゃ頭
第2章 生産の日々
32/60

第29話 露店開店

「「「「いただきます!!」」」」


4人同時に合掌し、俺と美桜は弁当、圭介とひなたは購買で買ったパンを手に取りそれぞれ食事を始める。


「う~ん……」


「ん?どうした、俊?」


俺が弁当を食べながら微妙そうな顔に気づいたのか、圭介が不思議そうに尋ねてくる。


「いや、最近向こうの世界で旨いもん食い過ぎたせいかこっちの食事が物足りなくなってきてさ」


「そら随分と贅沢な悩みだな」


お互い苦笑いしながら箸を進めていると、ひなたと美桜が話に割り込んできた。


「俊君は料理のスキル取ってたんだっけ?」


「ああ、最近は料理ばっかしてるな」


「私も今度ご馳走してもらおうかしら?」


「まあ、機会があればな」


興味深そうなひなたと悪戯を企む小悪魔な笑みを浮かべる美桜。

そんな感じで二人が会話に加われば、4人でする話題はやはり昨日発表されたアツプデートに関することになる。


「そういや、明日はいよいよアップデートだよね!」


「新しいシステムの追加とサプライズだったか?」


「なんなんだろうね~、新しいシステムって?」


圭介とひなたが明日のアップデートに関して、あれこれ議論しどんどん話は進んでいく。


「美桜たちは最近何してるんだ?」


「う~ん、私とひなちゃんは森でレベル上げかな」


「やっぱそんなところか」


最近増えてきた美桜との会話にも慣れてきたせいか、以前よりはドキドキしなくなったがそれでも多少は緊張する。


おまけにこんな美少女達と食事しているせいか、学校での野郎どもの視線は厳しいしな……


現に今も後ろから射殺さんばかりの殺気の籠った視線が野郎(クラスメイト)から飛んできている。


これが最近の俺の日常。

NWOを始めてから大きく変わった日常は、今日もまた平穏に過ぎていくのだった―――――











翌日。



「今回のアップデートにより、新たに空腹・給水ゲージが追加されました。これらのゲージが一定の割合を超えるとステータスの低下や行動に制限が掛かるようになっています。また食欲などの感覚も制限を一部解除されました 運営一同 」




なるほど……空腹ゲージと給水ゲージ。

道具屋で売っていた携帯食料はこのためだったのか。

まあ、俺の場合料理スキルがあるから食事に関しては特に問題ない。


俺は公式を確認し終えると、そのページを閉じ立ち上がり大通りへと向かう。

これからやることに関して言えば今回のアップデートは丁度良いタイミングだったな。


夕方ということもあり徐々にログインする人が増えているせいか、この時間帯の大通りは人がかなり多い。

そんな中、徐々に人で埋まりつつある大通りで数少ない露店スペースを確保し、先ほど道具屋で購入したとあるものを広げる。



----------------------------------------------------------------

【敷物 Sサイズ】

特殊アイテム


露店を開くための道具。

大きさによって店に並べられるアイテムの数が変化する。


品質 なし


----------------------------------------------------------------



購入価格5万c(セル)というかなりの値段だったが、地道に売っていけば元は取れる……はず。


露店と言っても基本的にすることは単純だ。

露店を設置し、アイテムを並べたらあとはお客が来るまで待つだけ。


客が来るまでの時間は暇なので、簡易調理セットを用いて商品の補充に当てる。


一昨日の狩りで食材はだいぶ確保したとはいえ、肉はすべてこんがり肉へと変えてしまったので今日は別の料理に挑戦する。



今回作るのはサンドイッチだ。

手軽に食べられるし、種類も豊富、フィールドへ出ていても片手で食べられる点を考えれば、これ以上は無い手ごろな商品だろう。


パンに関してはセザンさんに教えてもらったパン屋で購入したものを使うのであとは中身の具材を作るだけで完成だ。


俺は取り出した調理器具を並べるとまずはサンドイッチの定番である卵サンドを作り始める。


作り方は簡単。


魔導器具によって沸騰させられたお湯に塩と卵をそのままゆでて10分ほど待つ。

ここで注意するのは沸騰したら火を弱火にすること。

強火のままゆでると身が固くなりすぎるので、味が落ちてしまうのだ。


ゆであがるまで俺は適当にNWOのwikiを眺めながら時間を潰し、たまに調理の様子を眺めまた画面へと視線を移す。


時折、調理する俺が珍しいのか足を止めて調理の様子を眺める人もいるがやってることはただの卵を茹でているだけなのですぐさま人混みの中へと戻って行ってしまう。


なかなか売れてはくれないか………



そんな感じで待つこと11分。

俺は茹で上がった卵を取出すと、冷水に漬けて一気に身を固める作業にかかる。


そこまで行って、冷えた卵を取り出してしまえばあとは簡単。

殻をすべて剥き取り、ゆで卵をフォークか何かで潰し、マヨネーズ、塩、コンソメなど各自お好みで調味料を加えていけば完成だ。


あとはこの完成したばかりの卵の具をパンで挟めば出来上がりっと。



----------------------------------------------------------------

【たまごのサンドイッチ】

食品アイテム


具を一から作り、ふわふわパンで包み込んだサンドイッチ。

隠し味で入れられたコンソメがワンポイント。


品質 5


----------------------------------------------------------------


「う~ん、まずまずかな」


品質はそこまで高くできなかったが、まあ平均的な数値だ。

俺は作ったばかりの具をすべて挟むと新たな商品として露店に並べる。


並べる間に、一つだけ試食してみたが現実で普段作っているものと全く変わらなかった。


残念。




それからしばらく露店で客を待っていたが、結局今日1日買ってくれたのは5人ほど。


まあ、まだあまりこの世界の食べ物を食べたことが無い人が多いだろうし、必要ないとでも思っている人が多いのだろう。




「地道に売って稼ぎますかぁ~」


俺はそうぼやきながら露店を引き上げ、宿屋へと向かう。



宿屋へと向かう中、明日は何作ろうかな~と考えるシャオはこの後に起こる出来事など全く想像しないままログアウトしていくのだった―――――――




ステータス


名前:シャオ

種族:ヒューマン

性別:男

Lv16


HP:370

MP:66(+13)

STR(攻撃力):32(+13)

DEF(防御力):16(+21)

INT(賢さ):12

AGL(素早さ):39

DEX(器用さ):20(+2)

MND(精神力):10

LUK(運):21


【ステータスポイント】:0


【スキル】

〈棒術Lv25〉〈気配察知Lv15〉〈回避Lv11〉〈足技Lv5〉〈鑑定Lv4〉〈料理Lv17→Lv18〉


【スキル控え】

〈風魔法Lv7〉


感想や評価お待ちしています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ