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棒を片手に俺はVRMMOを満喫する。   作者: かぼちゃ頭
第1章 新しい世界
10/60

第8話 成長の片鱗

遅くなりましたが更新です!


感想や評価もお待ちしています<(_ _)>

「はぁ……」


「そう落ち込むな、2日目で私に一撃入れてきたんだ。十分喜んでいいぞ」


人がため息をついていたら、ネルヴィからものすごく上から目線の言葉が飛んできた。

いや、まあ確かに俺なんかよりネルヴィのほうが強いけどさ。


先ほどの戦いで俺のHPはほぼ全損。

残り数cmのHPの状態でなんとか生き残った俺は、現在は受付の部屋で休憩していた。


一方、俺の全力の一撃を受けたはずのネルヴィはまるで何もなかったかのように受付でいつものようにだらけている。


ホント戦闘時とそれ以外の時の落差が激しすぎる……


そんなことを考えつつ、俺は暇なのでステータスを開いてみる。




ステータス


名前:シャオ

種族:ヒューマン

性別:男

Lv.2


HP: 80

MP:48

STR(攻撃力):12

DEF(防御力):8

INT(賢さ):8

AGL(素早さ):15

DEX(器用さ):10

MND(精神力):8

LUK(運):9


【ステータスポイント】:0


【スキル】

〈棒術Lv13〉〈気配察知Lv2〉〈料理Lv1〉〈鑑定Lv1〉〈風魔法Lv1〉


【スキル控え】


【称号】



何気なく見たステータスで今までと一つだけ違う点。

こないだまでLv2だった〈棒術〉のレベルが一気に11も上がっていた。


おそらく訓練の途中で上がったのだろうが、モンスターを倒さなくてもスキルの経験値は貰えるんだな。


また棒術の【アーツ】も使用できるようになっていた。


【アーツ】とは一種の必殺技みたいなものである。

普通ではありえないような動きを、システムによるアシストを得ることで可能にする動きは通常の攻撃とは違い、威力の上昇、動作の高速化、特殊な効果を生み出すなど効果は様々だ。


今回、使用できるようになったアーツは〈足払い〉。


攻撃を膝より下の脚の部分に当てることで対象を転ばせ、自由を奪う技だ。

ただし、人型限定という制限はあるがリキャストタイムも短く使い勝手はよさそうだ。


思わぬレベルアップに顔を綻ばせつつ、俺の視線はふとある場所に目が惹きつけられた。


【スキル控え】


ん?

キャラ作成した時には無かった項目だ。


タップしてみると、デスペナルティの時と同様『スキルポイントについて』と表示されている。


内容はスキル選択の開放についてだった。


SP(スキルポイント)を使用することで新しいスキルや派生スキルの習得が 可能。

・SPはスキルのレベルが10上がるごとに1SPずつ与えられる

・自分が所持するスキルスロット以上のスキルは控えにセットされる

・控えにあるスキルの効果は発揮されず、経験値は入らない


おそらく棒術のスキルレベルが10を超えたことで解放されたのだろう。


さっそく取得可能なスキル欄を見てみる。


〈体術〉〈身体強化〉〈火魔法〉〈水魔法〉……


ゲーム開始時と同等、いやそれ以上のスキルがずらっと画面に並んでいた。

現在のスキルスロットは5つ、持っているSPは1だ。

俺は今現在取れるスキルの中から一つ一つ気になるものをチェックしていき、いくつか候補を絞っておく。


一番気になるのは体術だろう。

ネルヴィとの戦闘の時もそうだったが、武器が交錯し拮抗した状態での体術はかなり有効なのは経験済みだ。


とりあえずスキルの取得は一旦保留にしておくか。

別に急ぐことでも無い、まったり考えながら取っていけばいいしな。


ステータスを閉じると、ネルヴィに声を掛け再び訓練場へと向かう。


とりあえずは棒の扱い方のマスターが優先だ。

メインウエポンを満足に使えないようじゃ意味がないからな。



その後は模擬戦だけではなく、組手を交えて訓練していった。


棒を使った突きだけではなく、払いや受け流しの練習やアーツを使ったりと技のバリエーションを増やしていく。


ネルヴィが初日に教えてくれた棒の多彩な使い方を組手を通じて一つ一つ形して体に覚えさせていった。


模擬戦ではいつも通りネルヴィにボコボコにされた。


あの一撃を入れて以来、ネルヴィの攻撃がより一層激しくなった。


ネルヴィの攻撃はとにかく速い。

気が付けば一瞬で俺の懐まで届きかけている斬撃を弾いたり、覚えたてのぎこちない受け流しを用いることでなんとか凌ぎ続けることを繰り返す。


最初は2,3撃しか防げなかったが、徐々に5、6、7、と防げる攻撃の回数は増えてくる。


目に見える成果というのはモチベーションを上げる最大の起爆剤だ。


俺はだんだんと楽しくなってきているのを自覚しつつ、必死に技を磨き続けた。



気が付けば辺りは日が暮れ、夜の帳が落ちてきている。


「今日はここまでだな」


ネルヴィのセリフで俺は気を緩める。


訓練を始めたころは太陽が真上にあったが、今は辺りに夜の帳が落ちてきている。


「そうだな」


長時間も付き合ってもらったネルヴィにお礼を言いつつ、俺達は受付の部屋に戻る。


「今日も泊まっていくか?」


若干ニヤニヤとした様子でネルヴィがこちらに伺ってくるが、さすがにこれ以上世話になるわけにもいかないので俺は丁重に断り訓練場を後にした。


約2日いた訓練場を出ると、ここへ来た道のりを思い出しつつ街の広場へと向かう。


若干名残惜しいが、俺は迷路のような路地を多りぬけ広場へとたどり着く。


広場にたどり着いてから俺は今夜泊まる宿を探すした。

ログアウトしても体が残ると分かった以上、街中で落ちるわけにもいかないしな。



広場から分かれる6つの通り。

「商業通り」「ギルド通り」「噴水広場」「大通り」「王城区」「神殿区」といった風にそれぞれとある分野に特化した通りや区域となっている。


まあ特化しているとは言っても街の人の居住スペースもあるので、専門街のような感じではないのでどの通りも様々な人が行き交っている。



宿屋を探すため、俺は今商業区を歩いていた。


夜の街は月の明かり、街灯が仄かな明かりで街を照らしとても幻想的な雰囲気だ。途中酒場のようなところからは賑やかな声が聞こえてくる。



「いい街だ」


思わずそう呟く。

静かな街に響く楽しげな宴の声、月明かりと街灯による幻想的な風景。

どれも現実ではなかなか味わえない光景だ。

ここがゲームであるのを忘れてしまうぐらい、この世界は楽しい。



そんなことを考えていると、目的であった宿屋を見つけた。

レンガ造りの建物が多い中、木造というすこし珍しい宿屋だ。


中へ入ると、隣が酒場なのか賑やかな声が聞こえてくる。


「いらっしゃい」


酒場の方から視線を戻すと受付から声が掛かった。

恰幅のいいおばちゃんがにこやかな顔でこちらを見ている。


「今夜泊まっていきたいんだが、部屋は空いているか?」


一応部屋があるかの確認をしておく。

無かったらまた別の場所を探さないといけないので出来ればあってほしいところだ。


すると、おばちゃんは少し驚いた顔をしてこちらを見てくる。


ん?

どうしたんだ……?



何か変なことをしただろうかと思い尋ねると、おばちゃんは慌てて首を振る。


「ごめんねぇ、最近来る冒険者の人は冷たくてねぇ~。泊まりに来たら碌な会話もせずに行っちゃうもんだから」


どうやら他のプレイヤーの連中の態度が悪かったせいで、冒険者=態度が悪い連中と思われていたようだ。


「やっぱりあなたみたいないい人もいるのね」


朗らかに笑うおばちゃん。つられて俺も笑みを浮かべるとおばちゃんがカギを渡しながら自己紹介をしてくれた。


「私はセザン、このヤドリギの宿の宿主だよ。よろしくね」


俺はカギを受け取り、1泊分の値段を渡しこちらも自己紹介しておく。


「シャオだ、よろしく頼む」


部屋は2階だそうなので、俺は階段を上がり自分の部屋へと入りベッドへ倒れこむ。


ゲームなので体が疲れたわけではないが、ネルヴィとの訓練でかなり神経をすり減らしていたようだ。


まあネルヴィとの戦闘って怖いからな。

恐怖を押し込めて戦ってはいたが、今思い出すと体がブルリと震えた。


うん、しばらくは訓練はいいかな。

若干トラウマ状態だ。



俺はなるべく訓練のことは思い出さないようにしながらベッドに横になり、ログアウトする。



少し早いが今日は早く休もう。


そうして俺の意識は現実へと戻っていった――――――――


なんかジャンルランキング一桁になってました。

すんごく嬉しいですが、驚きも大きいですw

更新頑張らなくては・・・・・



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