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過去3

この日も琉依は二人のことを待っていた。


全員がそろうと三人は歩きだす。


この日の会話はあまり続かなくて、とても不自然な感じがした。


不意に契は琉依の顔をちらりと見た。


彼女の横顔には、笑顔があった。


だが、その笑顔の中にはやっぱり悲しみが混ざりこんでいた。


いつの間にかじっと琉依のことを見つめていた契は琉依と目が合って我に還った。


「何か付いてる?」


琉依は訝しげに契に問うた。


契は首を振りかえる。だが、小さくうなずいた。


「どこ?」


琉依が手鏡を取り出そうとする。


だが、契はそれを止めた。


「どうしたの?契」


るなも不思議そうに契を見る。


契は少しの沈黙ののち琉依をまっすぐ見て言った。


「ずっと…悲しそうな顔が琉依にひっついてる」


琉依は目を大きく見開いた。


るなも驚いたような顔で琉依の顔を見た。


「そ、そんなことないよ!やだなぁ、契。何言って…」


「琉依が転校してきて、初めて見た時からずっとそう思ってたんだ」


琉依は何も言わなかった。


るなは、まだ状況がよく呑み込めていないようだった。


「何があったのか、無理やり聞きたいわけじゃない。ただ…何かできることはないか


なって思って…」


契はだんだんと口籠ってしまう。


琉依は俯いたまま歩きだした。


長い髪のせいで表情は何も見えない。


怒らせた、そう思った。


だが、琉依は二人より二歩ほど先に進んで立ち止まった。


「聴いたら…後悔するよ」


彼女はそう言った。


今にも泣きだしそうな震える声で。


「話して。私は後悔なんてしないよ」


そう言ったのはるなだった。


ほんとは話が読めないだろう。


だけど、たくさんの友達がいる彼女だからこそ、こんなときどう言えばいいのかわか


うのだろう。


契も「ああ」と頷いた。


少しの沈黙ののち、琉依は話しだした。


自分の、両親のことを。

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