Ⅵ いかないで、ほしいけど。
あっという間に、二週間がたった。
みんなで先生のためにお楽しみ会を開いた。
授業にしたら、長い一時間だけど、とても短かった。
「一花ちゃん。」
放課後。帰りの準備をしていると、坂井先生から、声をかけられた。
「あの、ちょっといいか?。」
私は、先生に活動室に連れてかれた。
「今まで、ありがとう。」
「いえ。」
今日が、最後となると普通にしていられない。
「えーっと、それでね、これから、大変だと思うけど。」
先生の声が鼻声に変わってく。
「はい。」
私はあふれ出てくる涙を止めようと、必死で拭う。
「メールとかして!!。いつでも、相談に乗るからね?。」
「はい。」
「産まれたら、すぐ報告するからね。そしたら、会いに来てあげて。」
「はい。」
先生と泣きながら、職員室の前で別れた
行かないで。そういいたいけれど、そんなわがままは通用しない。
わたしが、今まで守ってもらっていただいたんだもの。次は、私が守る番なの。何にもして差し上げられないのだから。
これから、兄弟のお迎えに行かなきゃ。
あふれる涙をぬぐって、保育園に向かった。
読んでいただいて、ありがとうございます。
次からが、本文ですので、お楽しみに。