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ⅩⅤ 先生が初めて愛した人。

「転入生の月影一花です。よろしくお願いします。」

新しい中学校。

せめて、みんなに一言お別れ言いたかった。

先生と出かけてること、みんなに知られてるかもしれないけれど、一目会いたかった。

卒業、みんなとしたかったな。


坂井先生には、結局返信してない。どう、言ったらいいのか分からない。




「一花ちゃん。」

「ん?。」

学校が始まって一週間。

ようやく友達ができた。

「一花ちゃんは、好きな人とかいないの?。」

「いるわけないよー。まだ、転校してきたばっかりだから、男の子の子とはまだよく分からない。」

「そっか。」

仲良くなったのは、未来ちゃん。

未来ちゃんはとてもかわいくて、優しい。

クラスのみんなとも遊ぶくらい仲良くなった。


でも、やっぱり前の学校のほうが良かった。

なづなと楽しく笑って、みんなで協力した行事。

坂井先生がいて…。

と、思うと少し悲しくなる。


高校生になった。

あれから、もう五カ月がたった。


高校に合格した。

パパは、警察に一度突き出された。伊東先生からの通報によって。

それから、私が何しても怒らなくなった。

伊東先生にお礼が言いたくて、高校に合格したことを伝えたくて、前の中学校に行った。

でも、伊東先生はいなかった。

校長先生の話では、私が転校してすぐに辞職したということだった。

だれにも、先生の居場所は分からなかった。

先生の住んでいた家にも言ってみたけれど、誰もいなかった。電話も。




携帯を開く。

私は、坂井先生にいまだに、メールを返していない。


携帯が鳴った。

非通知だった。でようか、迷った。

「・・・もしもし。」

「俺、坂井というんですが、一花さんですか?。」

・・・坂井?。男の声だった

「はい、そうですが。」

「妻の六花をご存知ですよね?。」

坂井先生・・・?。

「うちの妻に会いにきてください。お願いします。」

坂井先生の旦那さんなのだろうか。

その人のあわてように私は考える時間がなく、ただ、

「はい。」

と答えてしまった。


男の言われた病室を訪ねると、坂井先生と男の人がいた。

「一花ちゃん!。良かった、無事だったのね。」

坂井先生は泣きそうな顔で言った。


「メールの返信くれないから・・・。何かあったのかと思ったじゃない。」

「え・・・。すいません。」


「でも、ぶじだって分かったからいい。」

先生に近づくと小さなベットが見えた。

赤ちゃんが眠っていた。

「一花ちゃん、この子、さっき生まれたのよ。」

「え・・・。」

私は、さっき男の人の声があわてていたのはそういうことだったのかと納得した。


「それでね、夫とも話し合ったんだけど、この子の名前を一花にしようと思うの。一花ちゃんみたいにとても優しくて良い子に育ちますように、一花ちゃんが、私に希望を与えてくれたみたいに、誰かの希望になってくれますように、って意味を込めて。良いかしら?。」

!! とても、嬉しかった。

私は、知らない所で誰かの希望になっていたんだ、と思うと。


坂井先生の旦那さんが席を立った。

「かえるな。また明日来る。」

といって、出て行くと、先生が口を開いた。

「あと、昨日祥太…伊東先生というべきかしら、ここに来たわよ。」

先生が?。

なんで、祥太って呼んでるの?。

「私たち、付き合ってたの。」

え・・・。

私は、言葉を失った。

「まさか、先生が世界で初めて愛した人って…。」

読んでいただいてありがとうございます。


次回もお楽しみに。

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