ⅩⅢ その子の代わりになりたい。
前回のお話。
月影一花は父の命令で転校することになる。先生にお別れを告げようとしたところ、「9時に学校のそばのバス停で待ってる」と言われる。
あれから、先生とバスに乗り込んだ。
どこにいくんだろう。
聞きたいけど、先生はずっと考え事をしている。
「着いたよ。」
先生は、ようやく口を開いた。
「え?わあ・・・。」
私は、息をのんだ。
みたこともない光景が広がっているからだ。
周りには木々が立ち並んで開けたこの場所には、べんちがあって青い空が広がっていた。
「俺、あの子とよくここに来たんだ。」
・・・先生の世界で初めて愛した人…。
「月影さんに思い出を作ってあげたくて・・・。」
「キミといるとあの子を思いだすんだ。生まれ変わりのように、良く似ている。」
そんなに、その人が好きだったんだ…。
「って、ごめん・・・。なにはなしてるんだろ、俺。」
先生・・・、泣いてる?。
私が、その子の代わりになりたい。
私なら、先生を悲しませたりしない。
ひどい雨が降ってきた。
バス停に向かったけれど、
「申し訳ないんですが…。これ以上乗れません。次の待ってください。」
と運転手に言われ、私たちは、三時間後に来るバスを待った。
「ねえねえ、ヤバくない?。」
「なんで一花と伊東先生が一緒にいるの?。」
「私服だよね?。」
「俺もメール回ってきたよー。」
「あり得ないよな。」
「デートとか?。」
「そういうのって先生やっちゃまずいよな。」
三時間後に来たバスにも乗れなかった。
「ごめん・・・。しっかりバスの時刻調べとけばよかった。今までは三時間前のやつに乗ってたから大丈夫かと思ってて。」
私たちは最寄りの無人駅に向かった。
読んでいただいてありがとうございます。
次回もお楽しみに。




