ⅩⅡ 家出。
閉じ込められて、どれくらいたったのだろう。
たぶん、一週間くらい。先生心配してるかな?。
パパ、学校行ってないといいな。私が、先生って言った時は信じなかったくせに。紗夜が言ったとたんなんなんだよ・・・。
坂井先生から来たメール、返事してない。
早く返そうとは思っているけど、パパが学校に行ってないか心配で・・・。
「一花!。」
「はい。」
パパの声…。
「部屋、鍵はずしてやるけど、学校には外には行くなよ?。それと、おれは明日から三日間の出張だ。」
「・・・はい。」
しばらくすると、がちゃがちゃとカギが開く音がした。
ドアが開き、パパが入ってきた。
「おまえの学校の先生、話にならないから。おまえ手続きが終わり次第、隣町の中学校に通ってもらうことにした。これは、ママとも話し合って決めたことだ。」
!?転校?
「なんで?!。転校だけは、お願いやめて・・・。」
「おまえが悪いんだろ。男の家に泊まりに行くから・・・。」
「あれは、パパとママが…。」
途中まで言いかけてやめた。これ以上言ったら、また部屋から出られない。
リビングに行って気付いた。ここ最近、あの子たちの声が聞こえない。
「涼香と紗夜は?。」
もう夜なのに、誰もいない。
「あいつらなら、ママの新しいカレシと三日くらい前に出てった。」
ママが・・・?涼香と紗夜を・・・連れて…。
「まあ、俺は、今から出張に行くから。」
パパは、旅行カバンを抱えて出て行った。
紗夜も、涼香もいないんじゃ、この家出て行ってもいいよね…?。
でも、その前に先生にお別れ言おう。
学校からもらったプリントに先生の番号が…。
「・・・あの、月影一花なんですけど…。」
「月影さん??。」
先生の、声・・・。久しぶりに聞いた。
「先生、うちの父が・・・。」
「俺なら、大丈夫だよ。」
「私もう、先生には、あえな…い・・・。転校…するんです。」
私は泣き崩れた。
「・・・俺のせいでごめん。」
先生は、少し黙るとそう言った。
「いえ・・・、先生のせいじゃ・・・。」
手にも力が入らない。先生に会えないなんて…。
「明日、9時に学校のそばのバス停で待ってる。」
先生・・・。
わたしは、その夜パパ宛て、どこにいるかわからないママ宛て、涼香と紗夜宛てに手紙を書いた。
そして、リュックに必要なものを詰め込んだ。
もう、この家には帰らない。先生に会ったら、そのあとは遠くに・・・。
「おはよう。休みなのに、呼び出してごめんね。」
「いえ。」
先生の前くらい笑顔でいなきゃ…。
「行こう。」
先生が私の手を引いた。
読んでいただいてありがとうございます。
次回もお楽しみに。




